2023年1月23日(現地時間)にOpenCore Legacy Patcherの新しいバージョンである「OpenCore Legacy Patcher 0.6.0」が公開されました。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0では多数のハードウェアのサポートが追加され、2012年以前のMacなどの今までmac OS VenturaをインストールすることのできなかったMacについてもインストールができるようになりました。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0が公開された直後、バクの修正を含むOpenCore Legacy Patcher 0.6.1がリリースされました。
OpenCore Legacy Patcherとは?
Appleは毎年、新しい機能を追加したmacOSを9月から11月までにリリースします。しかし、インストールはすべてのMacに対し行えるわけではなく、最新のmacOSを使用するAppleが発表する「要件」を満たしたうえで、さらにインストール可能な「モデル」である必要があります。
もし、今使っているMacがまだまだ使えそうであっても、愛着があるMacでも最新OSがサポートされるかどうかはApple次第です。
お使いのMacを少しでも長く、最新の状態で使えるようにするプロジェクトがミコラ氏が主導するコミュニティー主導のプロジェクトである「OpenCore Legacy Patcher」です。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0 / 0.6.1での主なトピック
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0と0.6.1での主なトピックは以下の通りです。
- 非Metal GPUのアクセラレーション
- 古いWi-FiやBluetoothモジュールのサポート
- USB 1.1 コントローラーのサポート
- Haswell以前CPUを搭載したMacでのAMD Vega GPU
- カーネル デバッグ キットを使用した Haswell+ Mac のRSR
このうち、「非Metal GPUのアクセラレーション」、「古いWi-FiやBluetoothモジュールのサポート」、「USB 1.1 コントローラーのサポート」により、OpenCore Legacy PatcherによるmacOS Venturaのサポート機種が大幅に拡大しました。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0 / 0.6.1でサポートされたmacOS VenturaをインストールできるようになったMac
OpenCore Legacy Patcherでは多くのmacOSとMacをサポートしていますが、2022年10月24日にAppleからリリースされたmacOS VenturaではOSに加わった多数の変更により、2012年以前のMac Proや2011年以前のMacBookシリーズやiMac、Mac miniには原則としてmacOS Venturaをインストールすることができませんでした。
▼ 参考となる記事
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しかし、今回のOpenCore Legacy Patcher 0.6.0では今までmacOS VenturaをインストールすることのできなかったMacにもインストールが可能になりました。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0でmacOS VenturaがサポートされるMac
次のリストはOpenCore Legacy Patcher 0.6.0以降でmacOS VenturaがサポートされるMacになります。
- MacBook (Early 2008以降) ~ 2016
- MacBook5,x ~ MacBook9,1
- MacBook Air (Mid 2009以降) ~ 2017
- MacBookAir2,1 ~ MacBookAir7,x
- MacBook Pro (Early 2008以降) ~ 2016
- MacBookPro4,1 ~ 13,1
- Mac mini (Early 2009以降) ~ 2017
- Macmini3,1 ~ 7,1
- iMac (Mid 2007以降) ~ 2016
- iMac7,1 ~ 17,1
- Mac Pro (Early 2008以降) ~ 2018
- MacPro3,1 ~ 6,1
- Xserve (Early 2008以降) ~
※ iMac (Mid 2007)についてはSSE4.1をサポートしているCPUに換装することでインストールが可能
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0で追加された非Metal GPUのサポート
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0で追加されたmacOS Venturaでサポートされる非Metal GPUは以下の通りです。
ベンダー | アーキテクチャ | シリーズ |
---|---|---|
ATI | TeraScale 1 | ATI Radeon HD 2000 ~ ATI Radeon HD 4000 |
ATI | TeraScale 2 | ATI Radeon HD 5000 ~ ATI Radeon HD 6000 |
NVIDIA | Tesla | GeForce 8800 GT ~ GeForce GT300 |
~ GeForce GT500 | ||
Intel | Iron Lake | Intel HD Graphics |
Intel | Sandy Bridge | Intel HD Graphics 3000 |
ただし、現在のところ以下の機能に問題や注意点があります。
- ステージマネージャーはサポートされていない
- Apple Mobile File Integrity (AMFI)を無効にする必要がある
- Bluetooth 接続ボタンが 設定に表示されない問題がある
レガシーワイヤレスサポート
Broadcom BCM94328とBCM94322、またAtheros製のワイヤレスモジュールが取り付けられたモデルではWi-FiやBluetoothが利用できなくなっていました。
具体的には次のモデルが該当します。(OpenCore Legacy Patcher 0.6.0に同梱されているルートパッチをインストールすることで利用できるようになります。)
- iMac (Mid 2011): iMac12,x 以前
- Mac mini (Late 2009): Macmini3,1 以前
- Mac Pro (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- Mac Pro Server (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- MacBook (Early 2009): MacBook5,x 以前
- MacBook Air (Late 2010): MacBookAir3,x 以前
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2010): MacBookPro7,1 以前
- MacBook Pro (Mid 2010) 15-inch, 17-inch: MacBookPro6,x除く
USB 1.1コントローラのサポート
macOS VenturaではUSB 1.1のサポートが終了し、これに依存するMacでははキーボードやトラックパッド、Bluetooth コントローラーなどの低電力デバイスがUSB 1.1コントローラーに接続されており、機能しなくなっていました。
OpenCore Legacy Patcher 0.6.0ではUSB 1.1に関する早期サポートが追加され、ルートパッチをインストールすることでUSB 1.1を利用できるようになりました。
ただし、現在のところこの実装は完全ではないと発表されており、macOS Venturaのインストール時やOSのアップデート後でUSB 1.1が機能しないとされています。
またインストール時にはUSB 2.0以上のハブが必要になります。
OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaをインストールする方法
お使いのMacが2013年以降のMacPro、または2012以降のMacBookシリーズ、Mac miniやiMacの場合には次の記事を参考に作業が行えます。
もし、2013年以降のMacPro、または2012以降のMacBookシリーズ、Mac miniやiMacのMacを使用している場合には次の記事をご覧ください。
弊ブログ(あのかぼ)、メディアサイト(おんかぼ!)ではOpenCore Legacy Patcher の最新記事や使い方などをまとめております。併せてご一読いただけると問題の解決へのヒントになるかもしれません。