このシリーズではmacOS Sonomaが対応しなくなってしまった機種にmacOS Sonomaをインストールする方法について紹介しています。
前回はOpenCore Legacy Patcher(OCLP)の導入されたインストールメディアからmacOS Sonomaをインストールする方法についてみてきました。
この記事では、macOS Sonomaでサポートが終了してしまったハードウェア(ここでは主にGPUやUSB 1.1、BluetoothやWi-FiなどのAirPort関連など)を再び使えるようにするルートパッチの導入方法と更新方法について紹介します。
目次
- OpenCore Legacy Patcherのルートパッチとは?
- この記事の対象とOCLP 0.4.4以降の新機能
- 用意するもの
- ルートパッチを手動でインストールする方法
- ルートパッチのバージョンを確認する方法
- ルートパッチを再インストールする方法
- ルートパッチをアンインストールする方法
- ルートパッチをダウングレードする方法
- まとめ
OpenCore Legacy Patcherのルートパッチとは?
OpenCore Legacy Patcherを使用する上で、多くのモデルで利用することになるであろう機能、「ルートパッチ」。
このセクションではこのルートパッチについて、使い方を確認する前に簡単に紹介します。
OpenCore Legacy Patcherの「ルートパッチ」はOpenCore Legacy Patcherの最大の特徴の一つであり、OpenCore Legacy Patcherを選ぶ決め手でもあります。
このルートパッチは新しいmacOSから削除されたGPUアクセラレーターやWi-Fi、Bluetooth、キーボードイルミネーション、UHCI、OHCIなど、Macに取り付けられた古いハードウェアを利用可能にするものです。
「ルートパッチ」は紹介される文脈や時期によって「ポスト インストール ボリューム パッチ(Post Install Volume Patches)」や単に「ボリュームパッチ」と呼ばれることもあります。
メディア作成編でも紹介したように、OpenCore Legacy Patcherの最大の特徴の1つは、他の同様のプロジェクトと異なり、ディスク上ではなく、メモリ上でのデータ注入とパッチが行われることです。
しかし、ルートパッチにおいてはストレージ上にインストールされます。
この記事の対象とOCLP 0.4.4以降の新機能
なお、このシリーズのメディア作成編で作業したように、OpenCore Legacy Patcher 0.4.4以降を使用してUSBインストールメディアを作成した場合には初回のインストール中に自動的にルートパッチがインストールされます。
つまりこのガイドを使用してmacOSをインストールされた方は、macOSのインストール後は明示的にルートパッチをインストールする必要はありません。
ただし、macOSを別の方法でアップグレードした方やOpenCore Legacy Patcher 0.4.3以前をご利用の方はこの記事を参考に手動でルートパッチをインストールする必要があります。
また、macOSのソフトウェアアップデートのインストール後、ルートパッチが利用できない状態になった場合もこの手順を参考に再度ルートパッチをインストールしてください。
なお、ルートパッチはMacの構成を確認し、必要な場合のみインストールされます。
ルートパッチが必要であるか判断できない場合には、この手順を参考に作業を行ってみてください。
用意するもの
ルートパッチのインストールにはOpenCore Legacy Patcherが必要です。
OCLPでmacOS Sonomaをインストールすると、LaunchpadにOpenCore Legacy Patcherが追加されますので、それを選択するか、新しくダウンロードします。
▼ 新しくダウンロードする場合にはOpenCore Legacy Patcher Releasesを開き、Assetsにある「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」をクリックし、ダウンロードします。
ルートパッチを手動でインストールする方法
macOS Sonomaをこれまで紹介した方法以外でインストールした方や、何らかのトラブルでルートパッチをインストールできなかった方、macOSのソフトウェアアップデートのインストール後にルートパッチが無効になってしまった方はこの手順を参考にルートパッチをインストールしてみてください。
▼ ルートパッチを手動でインストールするには、OpenCore Legacy Patcherのメインメニューで「Post Install Root Patch」とあるボタンをクリックします。
▼ ルートパッチの準備が出来るまで暫く待ちます。
▼ 操作できるようになったら「Start Root Patching」をクリックします。
▼ 「Relaunch as root?」という画面が出てきたら「Yes」をクリックします。
▼ Macのパスワードを入力し「OK」をクリックします。
▼ すると、OpenCore Legacy Patcherが再起動します。
▼ ルートパッチのインストールが始まります。
電源を切らずにしばらくお待ちください。
▼ カーネルキャッシュの再構築時に環境によっては「- Rebuilding Kernel Cache (This may take some time)」という表記でフリーズしたかのように動かなくなることがありますが、処理が終わるまで電源を切らずに待ちます。
▼ インストールが完了すると「Reboot to apply?」(再起動して適用しますか?)と聞かれますので、今すぐ再起動をするには「Reboot」を、ログを確認したい場合や、保存などの作業をしたい方は「Ignore」をクリックします。(ここでは「Ignore」をクリックしてみました。)
▼ OpenCore Legacy Patcherのメインメニューに戻るには、「Return to Main Menu」をクリックします。
▼ 再起動をしてみて、トラブルがないか確認してください。
お疲れさまでした!
ルートパッチのバージョンを確認する方法
現在のルートパッチの導入状況や、インストールされているルートパッチのバージョンを調べたい時は次の方法で調べることができます。
▼ OpenCore Legacy Patcherを開き、「Post Install Root Patch」をクリックします。
▼ すると、インストールの状況と、バージョンが表示されます。
例えば、下図のように「All applicable patches already installed」であれば、「該当するすべてのパッチをインストール済み」という意味になります。
▼ 下図のように「All applicable patches already installed」でない場合で、ハードウェアが記されている場合には、そのハードウェアに対するパッチが未適用か、新しいバージョンがあることを示しています。
▼ 下図のようにバージョン名がなく、ハードウェアが記されている場合には、そのハードウェアに対するパッチが未適用であることを示しています。
以上で必須の作業は終了です!
ここまでの作業本当にお疲れ様でした!
次のページ以降はOpenCore Legacy Patcherを利用していくうえで、利用するかもしれないルートパッチ関連のメンテナンス方法(アップデートやアンインストール、ダウングレードなど)を紹介しています。
ぜひ、さらっと目を通していただき、いざとなったときにパッと操作いただければと思います。
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