「あのかぼ」のスピンオフサイト「ゼロかぼ」ができました。 詳しくはこちら>

OpenCore Legacy Patcherの利用者はmacOS Rapid Security Responseのインストールを当面の間控えるべきかもしれない話

Mac

OpenCore Legacy Patcherの利用者はmacOS Rapid Security Responseのインストールを当面の間控えるべきかもしれない話

Appleは米国時間12月16日、macOS 13.2のベータを利用しているMacに対して、Rapid Security Response (緊急セキュリティ対応)(略称: RSR)を公開しました。

目次

はじめに

Rapid Security Response はmacOS VenturaやiOS/ iPadOS 16から利用が告知されていた新しい更新方法で、従来の更新方法よりも迅速かつ柔軟にセキュリティ関連のアップデートを配信できるのが特徴です。

関連 > Apple、macOS 13に対し初の「macOS Rapid Security Response」をリリース (おんかぼ)

当初はOpenCore Legacy Patcherのプロジェクトリーダーであるミコラ氏もこのRapid Security Responseを高く評価していましたが、その後GitHub上で、「一部のレガシーMacでは不具合が発生するかもしれない」とし、全容がわかるまでアップデートを保留にするように通告しました。

というのも、このRapid Security ResponseはCryptexに依存しているようで、AVX2.0をサポートしないCPU、つまりIvy Bridge世代以前のCPUを搭載したMacのようにApple SiliconのRosetta Cryptexを使用したシステム上ではRapid Security Responseをインストール出来なかったり、Kernel Debug Kit (KDK)を使用してパッチを当てたMacではクラッシュするなどのトラブルが起きるようなのです。(GitHub)

※ ただし、情報資産を保護するうえでセキュリティアップデートは重要です。無効するか否かに関しては自己責任の上、決定するようにお願いいたします。

インストールを控えるべきMacのリスト

以下のリストに示すMacでは、この問題が解決/解明されるまでRapid Security Response(緊急セキュリティ対応)のインストールは推奨されません。

  • iMac15,1: iMac (Retina 5K, 27-inch, Mid 2015)
  • iMac17,1: iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015)
  • MacPro6,1: Mac Pro (Late 2013)
  • MacBookPro11,5: MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2015)
  • MacBookPro13,3: MacBook Pro (15-inch, 2016)

上記のMacのようにGPUにAMD GCN 1~3世代が搭載されているような環境では、macOS Venturaの使用の際、Kernel Debug Kitを使用しています。

もちろん、上記以外のMacでもGPUにAMD GCN 1~3世代が搭載されている場合には同様にRapid Security Responseのインストールは現在のところ推奨されません。

この他にも、Ivy Bridge世代以前のCPUを搭載したMacではRapid Security Responseをインストール出来なかったりするようなので、可能であればインストールをしないように設定を変更しておく良いでしょう。

Rapid Security Response (緊急セキュリティ対応)を無効にする方法

通常Rapid Security Response (緊急セキュリティ対応)はmacOS Ventura上では有効になっているはずです。
次の操作で、Rapid Security Response を停止させることができます。

▼ 「システム設定」を開き、「一般」を選択します。

▼ 「ソフトウェアアップデート」をクリックします。

▼ 「自動アップデート」の右端に「i」とあるアイコンをクリックします。

▼ 「セキュリティ対応とシステムファイルをインストール」のトグルボタンをオフにします。
※ 英語表記の場合「Install Security Responses and System files」

▼ トグルボタンがオフになったことを確認し「完了」をクリックします。

▼ するとMacのパスワードを求められます。
※ この操作には管理者ユーザである必要があります。

▼ これで完了です。

まとめ

あくまでも今回のRapid Security Response (緊急セキュリティ対応)はmacOS 13.2のベータを使用しているユーザに提供されたもので、多くの方は現時点で直ちに影響はないはずです。

そして、正式にRSRの運用が開始されたころにはOpenCore Legacy Patcherを使用しているユーザも問題なくインストールが行えているかもしれません。

ただし現時点ではRSRのインストールを行うと不具合が出るMacがあるようなので、もしもmacOS Ventura 13.2のベータ版を使用している方はぜひ注意していただけたらと思います。

弊ブログ(あのかぼ)含む、Kabocy Mediasグループ内では、引き続きmacOS VenturaOpenCore Legacy Patcherの最新情報をお届けいたします。

2023.01.16 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。