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【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法(1/3)

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【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法(1/3)

この記事では今年の9月にリリースされたmacOS Sonomaを愛用している古いMacにOpenCore Legacy Patcher(OCLP)を使用してインストールする方法を紹介します。

このシリーズでは筆者がOCLPを使ってmacOS Sonomaが非対応のMac mini 2014にインストールした手順を基に、可能な限り詳しく、ステップバイステップで分かりやすくまとめました。
なお、弊サイト(あのかぼ)では、順次Appleのサポートを失ってしまった様々なMacにmacOS Sonomaをインストールし、快適に利用できるか検証しています。
このガイドでお持ちのMacで快適にmacOS Sonomaが動作するか気になる方は、これらの情報をまとめた「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを導入できる機種と操作性について」をぜひご覧ください。

目次

> OCLPの使い方解説の動画版はこちら

はじめに

サポート

この度は弊サイト(あのかぼ)にアクセス頂きまして誠にありがとうございます。

作業中やご利用中にトラブルが生じてしまった場合には、この記事のコメント欄をご利用ください。
弊サイトコメント欄では活発で建設的な議論やコミニケションの場にしたいと思っています。

トラブルについて質問したい方は、OCLPでmacOS Sonomaをインストールする上で発生しがちなトラブルをまとめた「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを動かす際によくあるトラブルと解決方法」をご確認いただいたうえで「Macのモデル」と使用した「OCLPのバージョン」、「遭遇している具体的な問題」、「問題が発生した手順やページ」を記載し、コメント欄に投稿いただければと思います。

そして、このガイドでインストールが成功した方はぜひ、SNSでこのガイドをシェアして頂けたら嬉しいです。

是非一緒に楽しみながら頑張りましょう!
インストール成功を願っております。

OpenCore Legacy Patcher関連の最新ニュースは弊ブログ他、「あのかぼ!」でも取り扱っています。
ブログの更新状況はかぼしーのTwitterやHumin.meで告知いたしますのでぜひフォローして頂ければ幸いです

OpenCore Legacy Patcherとは?

OpenCore Legacy Patcher (OCLP)は、Appleのサポート対象外となった古いMacに最新のmacOSバージョン (macOS Sonoma 14、macOS Ventura 13、macOS Monterey 12、macOS Big Sur 11)をインストールするために開発されています。

OCLPは、モダンな設計のブートローダー(OCLPの文脈ではブートマネージャ)「OpenCore」を基盤とするミコラ・グリマリョク氏を中心としたコミュニティ主導のプロジェクトです。
メモリ上でデータを注入・修正し、多くの非対応MacでmacOS VenturamacOS Sonomaなど最新のmacOSを実行することができます。OpenCore自体は、Clover EFIやChameleonといった既存のブートマネージャに対するモダンな代替プロジェクトです。

OCLPはセキュリティと品質を重視する設計思想に基づき、システム整合性保護(SIP)の有効化やFileVault 2のサポートなどが利用できるのが特徴です。

OCLPの魅力は、その機能性にもあります。ネイティブなOTAアップデートのサポート、ファームウェアの改変なしに利用可能な点などが挙げられます。加えて、OCLPにはFeatureUnlockという機能があり、これを使うことで、AirDrop、Apple Watch Unlock、Sidecarなどの最新のmacOS機能をサポート対象外のMacで使用することが可能です。

もっとOpenCore Legacy Patcherに知りたいという方は「古いMacで最新のmacOSが動くOpenCore Legacy Patcher(OCLP)とは?」をご覧ください。

macOS Sonomaの公式対応機種一覧

以下はAppleによってmacOS Sonomaがサポートされるモデルの対応表です。

  • iMac 2019以降
  • iMac Pro 2017以降
  • Mac mini 2018以降
  • Mac Pro 2019以降
  • Mac Studio 2022
  • MacBook Air 2018以降
  • MacBook Pro 2018以降

macOS 14 SonomaはApple Siliconを搭載したMacの他、主に2018年以降のIntel Macをサポートしています。
macOS 14 SonomaはmacOS 13 Venturaと比較して大きな変更が加えられたわけではありませんが、2017年モデルのMacのサポートが打ち切られました。

OpenCore Legacy Patcherのインストール要件

OpenCore Legacy PatcherがサポートするMacは以下の通りです。

シリーズ名モデル名機種ID
MacBookMacBook (Early 2008以降)MacBook5,x ~
MacBook AirMacBook Air (Late 2008以降)MacBookAir2,1 ~
MacBook ProMacBook Pro (Early 2008以降)MacBookPro4,1 ~
Mac miniMac mini (Early 2009以降)Macmini3,1 ~
iMaciMac (Mid 2007以降)iMac7,1 ~
Mac ProMac Pro (Early 2008以降)MacPro3,1 ~
XserveXserve (Early 2008以降)Xserve2,1 ~
OpenCore Legacy PatcherがサポートするMac

ただしiMac (Mid 2007)についてはIntel SSE4.1をサポートしているCPU、つまりCore 2 Duo T9300やCore 2 Duo T9500などのIntel Penrynファミリーに換装することでOpenCore Legacy Patcherを使用することが可能になります。

「持ってるMac、OpenCore Legacy Patcherに対応していなかった…」という方に朗報です。

もしかしたらWindows 10やWindows 11ならインストールできるかもしれません!

筆者がインストールした環境

ちなみに、筆者(かぼしー)がこのガイドを作成するにあたってテストしたMacは前回までにSSDの換装と増設方法のガイドで出てきた「Mac mini 2014」です。
環境に応じてインストール後の使用感は異なると思いますが、筆者の環境ではSSDにインストールしたmacOS Sonomaはとても自然に動き、まだまだ使えそうな印象を受けました。

モデルMac mini (Late 2014)
Macmini7,1
CPUIntel Core i5 4278U (2.6GHz)
GPUIntel Iris Graphics 5100
RAM8GB (DDR3 1600 MHz)
インストールしたmacOSmacOS Sonoma 14.0
使用したOCLPOpenCore Legacy Patcher 1.0.0
記事作成に使用したMacとOCLPのバージョン

このガイドでお持ちのMacで快適にmacOS Sonomaが動作するか気になる方は、「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを導入できる機種と操作性について」をぜひご覧ください。

用意するもの

OpenCore Legacy Patcherを使用する上で用意するべきものをまとめました。

必要となるものは非常にシンプルです。
USBメモリは16GB以上の空き容量を持つものを使用してください。
もし、USBメモリを新しく用意される方は16GBのUSBメモリより、32GBのUSBメモリの方がコストパフォーマンスに優れているためお勧めです。

なお、ここで作成したUSBメモリ(インストールメディア)はトラブルが発生した際に利用しますので、フォーマットや初期化をせず保管しておきましょう。

macOSをアップグレードして最新OSにする方法ではUSBメモリやSDカードを用意せずとも作業が可能ですが、トラブルが発生した際、修復するためにこの記事で作成したUSBメモリ(インストールメディア)が必要になる場合がありますので、必ずUSBメモリやSDカードは用意しておくことをおすすめします。

OCLPを使用してmacOS Sonomaをインストールする際の注意点

2010年以前のMacにmacOS Sonomaをインストールする際の注意点

この記事をもとにmacOS Sonomaをインストールされる方のうち、2010年以前(Mac Proは2012以前)のモデルをご利用の方はインストール時に別途USB接続のマウスキーボードUSBハブが必要になります。

これは、macOS VenturaでUSB 1.1のサポートが終了したためで、macOSのインストールが完了し、ボリュームパッチのインストールが完了したら内蔵のキーボードやトラックパッドが利用できるものの、インストール時には利用できません。(執筆時点)

OCLP 0.6.0ではUSB 1.1に依存したMacへのサポートを追加しましたが、依然macOS インストール時にはUSB 2.0以上のハブとKeyboard、マウスが必要になります。

詳しくは「【暫定版】2012以前の古いMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaをインストールする方法」をご覧ください。

なお、この問題はmacOS Monterey以前の場合には発生しません。

T1チップを搭載したMacでの注意点

OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Sonomaをインストールしたい方のうち、MacにApple T1 セキュリティチップが搭載されている場合には注意が必要です。

macOS Sonomaは、2016年および2017年の特定のMacBook Proモデル、特にTouch Barを搭載したモデルにおいて、T1セキュリティチップのサポートを削除しました。T1セキュリティチップは、これらのMacモデルのさまざまなセキュリティ機能を担っていました。

Apple T1セキュリティチップが機能しないことで利用できなくなる機能

  • FileVaultの有効化または無効化
  • パスワード設定ウィンドウを開く
  • 指紋を追加する(アップグレードする場合、既存の指紋は削除されます)
  • Apple Payにカードを追加する

影響を受けるモデル

この問題に影響を受けるモデルは以下の通りです。

  • MacBook Pro (13-inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports) : MacBookPro13,2
  • MacBook Pro (15-inch, 2016) – モデル: MacBookPro13,3
  • MacBook Pro (13-inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports) : MacBookPro14,2
  • MacBook Pro (15-inch, 2017) : MacBookPro14,3

また、macOSがインストールされたストレージを初期化、またはフォーマットするとT1チップのファームウェアが削除され、T1チップの機能が利用できなくなります。
macOS SonomaはT1チップのサポートを削除しているため、ドライブ全体を消去してもT1ファームウェアは再インストールされません。

GPUにAMD GCN 1~3世代が利用されているMacの注意点

OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Sonomaをインストールしたい方のうち、GPUにAMD GCN 1~3世代の製品が使われているMacではルートパッチインストール時にKernel Debug Kit (通称KDK)が必要になります。この作業にはインターネット接続が必要です。
もしも、対象のMacにmacOS Sonomaがインストールされた際、インターネット接続ができない場合には別のPCやMacを使用してKDKをダウンロードする必要があります。

方法や詳細は「AMD GCN 1~3世代を搭載したMacでOpenCore Legacy Patcherのルートパッチがインストールできない時の対処法」をご覧ください。

なお、この問題はmacOS Monterey以前の場合には発生しません。

インストールを行うMacがAVXを利用できない(2011年モデル以前の)Macの場合

お使いのMacがSandy Bridge以前のCPUを搭載したMacなど、AVXが利用できないMacの場合にはApple日本語入力プログラム (旧ことえり)が正しく動作しません。

その為日本語入力を行う場合には別途「Google 日本語入力」をご利用ください。

詳しくは「macOS Catalina Patcherで日本語入力をする」をご覧ください。

▶ いよいよ次のページからインストールメディアの作成を開始します。