この記事では今年の9月にリリースされたmacOS Sonomaを愛用している古いMacにOpenCore Legacy Patcher(OCLP)を使用してインストールする方法を紹介します。
このシリーズでは筆者がOCLPを使ってmacOS Sonomaが非対応のMac mini 2014にインストールした手順を基に、可能な限り詳しく、ステップバイステップで分かりやすくまとめました。
なお、弊サイト(あのかぼ)では、順次Appleのサポートを失ってしまった様々なMacにmacOS Sonomaをインストールし、快適に利用できるか検証しています。
このガイドでお持ちのMacで快適にmacOS Sonomaが動作するか気になる方は、これらの情報をまとめた「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを導入できる機種と操作性について」をぜひご覧ください。
目次
- はじめに-諸注意とサポート-
- インストール要件
- OpenCore Legacy Patcherとは?
- macOS Sonomaの公式対応機種一覧
- OpenCore Legacy Patcherのインストール要件
- 筆者がインストールした環境
- 用意するもの
- OCLPを使用してmacOS Sonomaをインストールする際の注意点
- インストールメディアを作成する
- macOS Sonomaのインストールを開始する
- ルートパッチをインストールする
- よくあるトラブルと解決方法
はじめに
サポート
この度は弊サイト(あのかぼ)にアクセス頂きまして誠にありがとうございます。
作業中やご利用中にトラブルが生じてしまった場合には、この記事のコメント欄をご利用ください。
弊サイトコメント欄では活発で建設的な議論やコミニケションの場にしたいと思っています。
トラブルについて質問したい方は、OCLPでmacOS Sonomaをインストールする上で発生しがちなトラブルをまとめた「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを動かす際によくあるトラブルと解決方法」をご確認いただいたうえで「Macのモデル」と使用した「OCLPのバージョン」、「遭遇している具体的な問題」、「問題が発生した手順やページ」を記載し、コメント欄に投稿いただければと思います。
そして、このガイドでインストールが成功した方はぜひ、SNSでこのガイドをシェアして頂けたら嬉しいです。
是非一緒に楽しみながら頑張りましょう!
インストール成功を願っております。
OpenCore Legacy Patcher関連の最新ニュースは弊ブログ他、「あのかぼ!」でも取り扱っています。
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OpenCore Legacy Patcherとは?
OpenCore Legacy Patcher (OCLP)は、Appleのサポート対象外となった古いMacに最新のmacOSバージョン (macOS Sonoma 14、macOS Ventura 13、macOS Monterey 12、macOS Big Sur 11)をインストールするために開発されています。
OCLPは、モダンな設計のブートローダー(OCLPの文脈ではブートマネージャ)「OpenCore」を基盤とするミコラ・グリマリョク氏を中心としたコミュニティ主導のプロジェクトです。
メモリ上でデータを注入・修正し、多くの非対応MacでmacOS VenturaやmacOS Sonomaなど最新のmacOSを実行することができます。OpenCore自体は、Clover EFIやChameleonといった既存のブートマネージャに対するモダンな代替プロジェクトです。
OCLPはセキュリティと品質を重視する設計思想に基づき、システム整合性保護(SIP)の有効化やFileVault 2のサポートなどが利用できるのが特徴です。
OCLPの魅力は、その機能性にもあります。ネイティブなOTAアップデートのサポート、ファームウェアの改変なしに利用可能な点などが挙げられます。加えて、OCLPにはFeatureUnlockという機能があり、これを使うことで、AirDrop、Apple Watch Unlock、Sidecarなどの最新のmacOS機能をサポート対象外のMacで使用することが可能です。
もっとOpenCore Legacy Patcherに知りたいという方は「古いMacで最新のmacOSが動くOpenCore Legacy Patcher(OCLP)とは?」をご覧ください。
macOS Sonomaの公式対応機種一覧
以下はAppleによってmacOS Sonomaがサポートされるモデルの対応表です。
- iMac 2019以降
- iMac Pro 2017以降
- Mac mini 2018以降
- Mac Pro 2019以降
- Mac Studio 2022
- MacBook Air 2018以降
- MacBook Pro 2018以降
macOS 14 SonomaはApple Siliconを搭載したMacの他、主に2018年以降のIntel Macをサポートしています。
macOS 14 SonomaはmacOS 13 Venturaと比較して大きな変更が加えられたわけではありませんが、2017年モデルのMacのサポートが打ち切られました。
OpenCore Legacy Patcherのインストール要件
OpenCore Legacy PatcherがサポートするMacは以下の通りです。
シリーズ名 | モデル名 | 機種ID |
---|---|---|
MacBook | MacBook (Early 2008以降) | MacBook5,x ~ |
MacBook Air | MacBook Air (Late 2008以降) | MacBookAir2,1 ~ |
MacBook Pro | MacBook Pro (Early 2008以降) | MacBookPro4,1 ~ |
Mac mini | Mac mini (Early 2009以降) | Macmini3,1 ~ |
iMac | iMac (Mid 2007以降) | iMac7,1 ~ |
Mac Pro | Mac Pro (Early 2008以降) | MacPro3,1 ~ |
Xserve | Xserve (Early 2008以降) | Xserve2,1 ~ |
ただしiMac (Mid 2007)についてはIntel SSE4.1をサポートしているCPU、つまりCore 2 Duo T9300やCore 2 Duo T9500などのIntel Penrynファミリーに換装することでOpenCore Legacy Patcherを使用することが可能になります。
筆者がインストールした環境
ちなみに、筆者(かぼしー)がこのガイドを作成するにあたってテストしたMacは前回までにSSDの換装と増設方法のガイドで出てきた「Mac mini 2014」です。
環境に応じてインストール後の使用感は異なると思いますが、筆者の環境ではSSDにインストールしたmacOS Sonomaはとても自然に動き、まだまだ使えそうな印象を受けました。
モデル | Mac mini (Late 2014) Macmini7,1 |
CPU | Intel Core i5 4278U (2.6GHz) |
GPU | Intel Iris Graphics 5100 |
RAM | 8GB (DDR3 1600 MHz) |
インストールしたmacOS | macOS Sonoma 14.0 |
使用したOCLP | OpenCore Legacy Patcher 1.0.0 |
このガイドでお持ちのMacで快適にmacOS Sonomaが動作するか気になる方は、「OpenCore Legacy PatcherでSonomaを導入できる機種と操作性について」をぜひご覧ください。
用意するもの
OpenCore Legacy Patcherを使用する上で用意するべきものをまとめました。
- 16GB以上のUSBメモリ(またはSDカード)
- インターネット環境
- インストーラを作成するMac
- (USB 2.0以降のハブ)
- (USBキーボード)
- (USBマウス)
必要となるものは非常にシンプルです。
USBメモリは16GB以上の空き容量を持つものを使用してください。
もし、USBメモリを新しく用意される方は16GBのUSBメモリより、32GBのUSBメモリの方がコストパフォーマンスに優れているためお勧めです。
USBフラッシュメモリ 64GB USB 3.2 Gen 1 KIOXIA(旧東芝メモリー)TransMemory U366 薄型 スタイリッシュ …
なお、ここで作成したUSBメモリ(インストールメディア)はトラブルが発生した際に利用しますので、フォーマットや初期化をせず保管しておきましょう。
OCLPを使用してmacOS Sonomaをインストールする際の注意点
▶ いよいよ次のページからインストールメディアの作成を開始します。