この記事では富士通株式会社より発売された法人向けPCであるLIFEBOOK A553/GとLIFEBOOK A553/HというノートパソコンのCPU交換方法について紹介します。
この記事を執筆するにあたり使用したのはA553/H、A553/HW、A553/Gの3機種です。
A573/Gでも同様の作業でCPUの交換が行えます。
なお、メモリの交換とストレージの換装についてはこちらの記事をご覧ください。
用意するもの
- CPUグリス
- キムワイプ
- 無水エタノール または イソプロピルアルコール
- E-Value 精密ドライバーセット
- スパッジャー (使わなくなったポイントカードでも代用可能です)
オプション(ついでに交換する方)
ついでにストレージの換装をしたい方
- Crucial製SSD 250GB / 500GB / 1TB / 2TB / 4TB (オススメ)
- Crucial製SSD 240GB / 480GB / 1TB / 2TB (コスパ良)
- KIOXIA製SSD 240GB / 480GB / 960GB (旧東芝メモリ)
- Western Digital製SSD 500GB / 1TB / 2TB / 4TB (高耐久)
ついでにメモリの増設を行いたい方
なおストレージやメモリの換装、増設方法はこちらの記事をご覧ください。
交換できるCPU
LIFEBOOK A573/G、A553/G、A553/Hの各シリーズはいずれもSocket G2 (FCPGA988)で、Sandy Bridge世代のCPUとIvy BridgeのCPUを搭載させることが可能です。
(※1: CPUによってはマイクロコードの更新が必要になる場合があります)
(※2: CPUによってはヒートシンクよりダイのサイズの方が大きい場合があります。TDP35Wを超えるCPUの搭載は厳しいと思います。)
ただし、A553/G、A553/HシリーズはチップセットにIntel HM70 Expressが使用されており、CPUの交換には制約が課されます。
使用できるのはIntel Celeronシリーズ及びIntel Pentiumシリーズで、Intel i5などのIntel iシリーズのCPUでは使用できません。
Intel HM70 Expressで利用できそうな主なCPU
A553/G、A553/Hで利用できるとは限りませんが、Intel HM70 ExpressではサポートしていそうなCPUとしては下記の製品が挙げられます。
製品名 | コア/スレッド | クロック | TDP |
---|---|---|---|
Intel Celeron B710 | 1/1 | 1.60 GHz | 35 W |
Intel Celeron B720 | 1/1 | 1.70 GHz | 35 W |
Intel Celeron B730 | 1/2 | 1.80 GHz | 35 W |
Intel Celeron B800 | 2/2 | 1.50 GHz | 35 W |
Intel Celeron B810 | 2/2 | 1.60 GHz | 35 W |
Intel Celeron B815 | 2/2 | 1.60 GHz | 35 W |
Intel Celeron B820 | 2/2 | 1.70 GHz | 35 W |
Intel Celeron B830 | 2/2 | 1.80 GHz | 35 W |
Intel Celeron B840 | 2/2 | 1.90 GHz | 35 W |
Intel Celeron 1000M | 2/2 | 1.80 GHz | 35 W |
Intel Celeron 1005M | 2/2 | 1.90 GHz | 35 W |
Intel Celeron 1020M | 2/2 | 2.10 GHz | 35 W |
Intel Celeron 1020E | 2/2 | 2.20 GHz | 35 W |
Intel Pentium B940 | 2/2 | 2.00 GHz | 35 W |
Intel Pentium B950 | 2/2 | 2.10 GHz | 35 W |
Intel Pentium B960 | 2/2 | 2.20 GHz | 35 W |
Intel Pentium B970 | 2/2 | 2.30 GHz | 35 W |
Intel Pentium B980 | 2/2 | 2.40 GHz | 35 W |
Intel Mobile Pentium A1018 | 2/2 | 2.10 GHz | 35 W |
Intel Pentium 2020M | 2/2 | 2.40 GHz | 35 W |
Intel Pentium 2030M | 2/2 | 2.50 GHz | 35 W |
Intel HM70 Expressで利用できるCPUとしてはIntel Pentium 2030Mが最もスペックが高いですが、入手性はあまりよくありません。
LIFEBOOKのバッテリーを取り外す
LIFEBOOK A573/GやA553/G、A553/Hを分解する際にはバッテリーを取り外す必要があります。
▼ 作業の前にLIFEBOOKを正しくシャットダウンします。
▼ PC本体をひっくり返し、平らで水平な場所に置きます。
▼ バッテリーの左右にあるラッチを、それぞれ解除方向に移動させながら、バッテリーを矢印の方向から跳ね上げるように取り除きます。
▼ バッテリーが取り除けました。
LIFEBOOKを分解する
法人向けPCのLIFEBOOK Aシリーズを分解するには3枚おろしにする必要があります。
▼ 以下の丸のついた17本のネジを取り除きます。
▼ ネジを外すことが出来たら、一度パソコンを開きます。
赤枠で囲った部分を取り外していきます。
▼ スパッジャーなどを筐体とカバーの隙間に挿し込み、ゆっくりと取り外していきます。