9月17日にAppleからリリースされたmacOS 15 Sequoia。もうインストールされましたか?
サポート対象外となってしまったMacにも15日に公開されたOpenCore Legacy Patcher 2.0.0以降を利用することで、macOS 15 Sequoiaをインストールすることができるようになります。
動画版> 【あのかぼ】OCLP最新ニュース!macOS 15 Sequoiaの早期サポートを開始した今、OpenCore Legacy Patcherを使ってインストールするべきか YouTube
動画> 【macOS Sonoma/macOS Sequoia共通】サポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用して最新のmacOSをインストールする方法(あのかぼ) YouTube
OCLPでの作業そのものはmacOS 14 Sonomaと同様ですが、執筆した2024年9月19日現在、macOS 15 SequoiaはOpenCore Legacy Patcher (OCLP)で「早期サポート」という位置づけで、完全なサポートではありません。
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では、9月現在でOCLPを使用してmacOS 15 Sequoiaのインストールが出来るMacとできないMac、注意が必要なMacはどれでしょうか?
目次
- OpenCore Legacy Patcher 2.0.0にmacOS 15 Sequoiaの「早期サポート」が追加?
- OpenCore Legacy Patcher 2.0.0を使用してmacOS 15 Sequoiaのインストールが出来るMac
- 現状OCLPを使用してもmacOS 15 Sequoiaのインストールが出来ないMacと環境
- OCLPでmacOS 15 Sequoiaのインストールに注意が必要なMac
- これからの開発次第ではインストールが可能になるかも
- まとめ
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0にmacOS 15 Sequoiaの「早期サポート」が追加?
日本時間では9月17日にAppleから公開されたmacOS 15 Sequoiaは新しいウィンドウ管理機能を搭載するなど、今までの弱点を着実に克服しながら、iPhoneミラーリング (T2チップが必要)やApple Intelligence (Apple Siliconを搭載したMacのみ、macOS 15.1以降で利用可能)が搭載されるなど、より成熟したモダンなOSとなりました。
参考> OpenCore Legacy Patcher 2.0.0が公開 ―macOS Sequoiaをサポートする初のバージョン 初のメジャーアップデート
今回のmacOS 15 Sequoiaから対象外となったのはMacBook Air (Retina, 13-inch, 2018): MacBookAir8,1とMacBook Air (Retina, 13-inch, 2019): MacBookAir8,2のみで、積極的に最新のmacOSをサポートするIntel Macを削減していた同社の動きを考えると大変穏やかなOSと言えます。
関連> Apple、MacBook Airを発売から4年で最新macOSのサポート終了へ
一方、もちろんmacOS 15 Sequoia以前にサポートが終了してしまったモデルは、当然macOS 15 Sequoiaをインストールすることができませんが、OCLP 2.0.0により、多くのモデルでmacOS 15 Sequoiaをインストールできるようになりました。
ただ、あくまでも現状(9月時点)は「早期サポート」。すべてのMacで利用できるという訳ではありません。
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0を使用してmacOS 15 Sequoiaのインストールが出来るMac
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0以降のバージョンでは、Appleによって公式サポートが終了した一部の古いMacのモデルでも、macOS 15 Sequoiaのインストールを可能にします。
以下のモデルは、OCLPを利用してmacOS 15 Sequoiaをインストールすることができますが、執筆時点ではいくつかの機能に制約があります。
シリーズ名 | モデル名 | 機種ID |
---|---|---|
MacBook | MacBook (Early 2008以降) | MacBook5,x ~ |
MacBook Air | MacBook Air (Late 2008以降) | MacBookAir2,1 ~ 7,x |
MacBook Pro | MacBook Pro (Early 2008以降) | MacBookPro4,1 ~ |
Mac mini | Mac mini (Early 2009以降) | Macmini3,1 ~ |
iMac | iMac (Mid 2007以降) | iMac7,1 ~ |
Mac Pro | Mac Pro (Early 2008以降) | MacPro3,1 ~ |
Xserve | Xserve (Early 2008以降) | Xserve2,1 ~ |
これらのモデルでは、OpenCore Legacy Patcherを利用することで、macOS 15 Sequoiaをインストールできます。ただし、iPhoneミラーリングやApple Intelligenceなどの新機能は、ハードウェアの制限により使用できないことに注意が必要です。
現状OCLPを使用してもmacOS 15 Sequoiaのインストールが出来ないMac
次のモデルでは、特定のハードウェアに依存する問題により、現時点ではmacOS 15 Sequoiaをインストールすることができません。
- MacBook Air (2018年、2019年モデル)
- T2チップを搭載したこれらのモデルでは、OpenCorePkgを経由して起動すると、T2チップが適切に動作せず、カーネルパニックが発生します。この問題は、AppleKeyStore.kextのタイムアウトが原因であり、現在のところ回避策が見つかっていません
OCLPでmacOS 15 Sequoiaのインストールに注意が必要なMacと環境
以下のモデルや環境では、macOS 15 Sequoiaをインストールする際に注意が必要です。
デュアルソケットCPUを搭載したモデル
- Mac Pro 2008 (MacPro3,1) や Xserve 2008 (Xserve2,1)
- これらのデュアルソケットCPUを搭載したモデルでは、macOS Sequoiaを起動するとカーネルパニックが発生します。この問題は、デュアルソケット構成とACPIテーブルの非互換性に起因しており、現在は4つのCPUコアに制限することで一時的な回避策が提供されていますが、完全なサポートは得られていません。
USB 1.1 (OHCI/UHCI)に依存したモデル
- iMac10,x 以前
- Macmini4,1 以前
- MacBook7,1 以前
- MacBookAir3,1 以前
- MacPro5,1 以前
- Xserve 3.1 以前
USB 1.1のサポートがmacOS 13 Ventura以降で削除されており、macOS 15 Sequoiaでも同様に削除されています。これにより、内蔵キーボードやトラックパッド、Bluetooth、IRリモートなどが正常に動作しない可能性があります。
インストール中やシステムのアップデート後には、USBハブを利用してこれらのデバイスを接続する必要があります。また、SSHを使用してリモートで操作する方法も推奨されています。
非Metal GPUを搭載したMac
macOS 15 Sequoiaのインストール後、Matal APIが利用できないGPU、いわゆる非Metal GPUではmacOSに搭載された「写真」アプリが利用できません。
▼ 非Metal GPUを搭載したMac
- MacBook5,1 – MacBook7,1 (2008 年初頭 – 2010 年中頃)
- MacBookAir2,1 – MacBookAir4,x (2008 年中期 – 2011 年中期)
- MacBookPro4,1 – MacBookPro8,x (2008 年後期 – 2011 年後期)
- iMac7,1 – iMac12,x (2007 年中期 – 2011 年中期)
- Macmini3,1 – Macmini5,x (2009 年初頭 – 2011 年中頃)
- MacPro3,1 – MacPro5,1 (2008 年初頭 – 2012 年中頃)
ベンダー | アーキテクチャ | 世代 |
---|---|---|
AMD | TeraScale 1 および 2 | 2000 – 6000 series |
Nvidia | Tesla | 8000 – 200 series |
Nvidia | Maxwell および Pascal | 900 – 1000 series |
Intel | Iron Lake | HD series |
Intel | Sandy Bridge | HD 3000 series |
これからの開発次第ではインストールが可能になるかも
執筆時点ではOpenCore Legacy PatcherによるmacOS 15 Sequoiaのサポートは「早期サポート」で、積極的な開発が続けられています。
そのため、現在はサポートされていないMacBook Air (Retina, 13-inch, 2018): MacBookAir8,1とMacBook Air (Retina, 13-inch, 2019): MacBookAir8,2も恒久的にmacOS 15 Sequoiaがインストールできないわけではないかもしれません。
ただ、OpenCore Legacy Patcherのミコラ氏は「時間が経てば、これらの問題に対処できるようになると期待しています。ただし、現時点では、いつ解決されるかのタイムラインをお伝えすることはできません。」とし、引き続き開発が必要との見解を明らかにしました。
まとめ
macOS 15 Sequoiaは、最新機能を提供する一方で、古いMacではいくつかの制約があります。OpenCore Legacy Patcher 2.0.0によって、多くの古いモデルでもインストールが可能ですが、特にT2チップやデュアルソケットCPUの問題には注意が必要です。また、USB 1.1対応が削除された環境では、USBキーボードやマウスの使用やリモートログインによる対処が必要です。
これらのポイントを踏まえ、macOS 15 Sequoiaをインストールする際は、各モデルの対応状況や回避策を確認の上、適切に準備を行うことが重要です。
あのかぼ (およびかぼしーYouTubeチャンネル)とおんかぼでは引き続き、OpenCore Legacy PatcherとmacOS Sequoiaの最新情報をお届けします。
資料> OpenCore Legacy Patcherダウンロード先
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資料> macOS Sequoia and OpenCore Legacy Patcher Support #1136 (英語)
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2024.10.08 本稿の動画版のリンクを追加しました。