記事ではOpenCore Legacy Patcher (OCLP)を使用して、Appleからのサポートを失った古いMacに最新のmacOS をインストールする方法について紹介します。
Appleは毎年秋に新しいmacOSを公開しますが、その度に多くのMacユーザが最新のmacOSにアップデートできない状況に直面します。このガイドでは、OpenCore Legacy Patcherを用いて、出来るだけ安全に公式サポート対象外のMacに最新のmacOSをインストールする方法について詳しく解説します。
なお、この記事ではOCLPを使ってmacOS SonomaとmacOS Ventura、macOS Monterey、macOS Big Surに対応しています。
▼ macOS Sonomaに特化した記事をご用意いたしました。
目次
- はじめに
- OpenCore Legacy Patcherとは?
- この記事でインストール可能なmacOSの一覧
- OpenCore Legacy Patcherのインストール要件
- 用意するもの及び注意点
- インストールメディアを作成する
はじめに
諸注意
この度は弊ブログ(あのかぼ)にアクセス頂きまして誠にありがとうございます。
この記事ではAppleからサポートを打ち切られたMacに対し、最新のmacOSをインストールすることを目的とした非公式のマニュアルです。そのためAppleのサポートは受けられません。
また、この記事または弊ブログで紹介している全ての記事をもとに生じたあらゆる損害について弊ブログ及び筆者は何ら責任を負わない旨ご承知おきいただきますようお願いいたします。
サポート
作業中やご利用中にトラブルが生じてしまった場合には「Plats.app」内にある国内の非公式OpenCore Legacy Patcherコミュニティをご利用ください。
このコミュニティではインストールについての問題解決の他、インストール成功例やTipsなどの幅広い内容を網羅します。のんびりと書き込める空間なので、ぜひOpenCore Legacy Patcherをご利用の方はご参加ください!
また、OpenCore Legacy Patcher関連のニュースは弊ブログの他、「おんかぼ!」でも扱っております。
これらの更新内容はPlats.appの他、筆者Twitterでも告知いたしますので、併せてチェックいただければ幸いです。
是非一緒に楽しみながら頑張りましょう!
一番読み飛ばされそうな部分ですが、お読みいただきありがとうございました。
インストールが無事に完了することを心より祈念申し上げます。ファイトです!
OpenCore Legacy Patcherとは?
OpenCore Legacy Patcherは、Appleによってサポート対象外とされた古いMacに最新のmacOS VenturaやmacOS Monterey、mac OS Big Sirをインストールするためのツールです。
このOpenCore Legacy Patcherを利用することで、最新のmacOSの機能やセキュリティを、古いMacでも体験することができます。
さらに、OpenCore Legacy Patcherは安全性に配慮した非常にモダンな設計をしており、ユーザは安心して使用することができます。
OpenCore Legacy Patcherの主な特徴
ここでOpenCore Legacy Patcherの特徴や安全性などについて紹介します。
ネイティブな体験
ディスク上ではなく、メモリ上でのデータ注入とパッチが行われます。そのため、正式にサポートされているMacと同様の経験が得られます。
セキュリティを最優先に
セキュリティ機能の中でも、System Integrity Protection(SIP)、FileVault 2、.im4m Secure Boot、Vaultingなどがサポートされています。これにより、OpenCore Legacy Patcherを使用するユーザは安心して最新のmacOSを利用することができます。
※ ただし、インストールするOSによってはSIPを有効にできなかったり、一部制約があるなど、条件によってはすべてを有効にできない場合があります。
OTAアップデートにネイティブ対応
サポート対象のMac同様に、システム設定(システム環境設定)から直接、新しいアップデートを簡単にインストールすることが可能。アップデートの手間や時間を大幅に削減できます。
※ Appleより配信されるアップデートのうち、macOS Ventura以降で配信される緊急対応(RSR)に関してはハードウェアの構成や環境により特定のインストールできない場合があります。詳しくは「OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS VenturaをインストールしたMacでの「macOS Security Response」をインストールする注意点」をご覧ください。
さまざまなハードウェアへの対応強化
OpenCore Legacy Patcherの利点は、単にOSのサポートを拡張するだけでなく、古いグラフィックカードやWi-Fi、BluetoothチップセットなどのAppleからサポートを打ち切られたハードウェアをも対応させ、Macを快適に利用できるようになる点にあります。
最新のmacOS機能をあなたのMacでも
Sidecar、AirPlay to Mac、Night Shift、Universal Controlといった、最新のmacOSでのみ利用できる機能も、このPatcherを使用することで体験することが可能になります。
※ 各機能のハードウェア要件を満たしている場合には通常自動的にmacOSに含まれる新機能を利用できますが、一部のモデルでは手動で有効にする必要があります。詳しくは「非対応MacでもUniversal Controlを有効にする方法: OpenCoreとSMBIOSスプーフィングの利用法」をご覧ください。
有用なコミュニティのサポート
OpenCore Legacy Patcherのコミュニティは活発で、問題や新しい機能に関する質問に答えてくれるユーザーや開発者が数多く存在します。
日本国内では筆者(かぼしー)が2023年8月に新しく立ち上げたPCやIT専門のコミュニティサイト、「Plats.app」にはOpenCore Legacy Patcherの専門コミュニティスペースがあり、質問や動作報告が行えます。(Plats.appは「ユーザと造るSKS」を標榜しているコミュニティサイトです。一部未完成の機能を含みます。)
※ SKSはSocial Knowledge Serviceの略です。
この記事でインストール可能なmacOSの一覧
この記事を参考にインストールがインストール可能なmacOS のバージョン一覧は以下の通りです。
- macOS 11 Big Sur
- macOS 12 Monterery
- macOS 13 Ventura
- macOS 14 Sonoma
この記事を基に2020年にリリースされたmacOS Big Sur以降から執筆時点で最新のmacOS Sonomaまでをインストールすることが可能です。
macOS 14 Sonoma をインストールしたい方は、この記事でも作業が可能な他、macOS Sonoma専用に作成した記事、「macOS SonomaをインストールできないMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする」でも作業が可能です。
macOS Sonoma専用に作成した記事では、macOS 14 Sonomaに特化した注意点を盛り込み、より詳しく解説しています。
なお、macOS Catalinaが非対応のモデルにmacOS Catalinaをインストールしたい方は、OpenCore Legacy Patcherではなく、dosdude1氏が開発するmacOS Catalina Patcherをご利用ください。
OpenCore Legacy Patcherのインストール要件
OpenCore Legacy PatcherがサポートするMacは以下の通りです。
- MacBook (Early 2008以降)
- MacBook Air (Late 2008以降)
- MacBook Pro (Early 2008以降)
- Mac mini (Early 2009以降)
- iMac (Mid 2007以降)
- Mac Pro (Early 2008以降)
- Xserve (Early 2008以降)
ただしiMac (Mid 2007)についてはSSE4.1をサポートしているCPU、つまりCore 2 Duo T9300やCore 2 Duo T9500などのIntel Penrynファミリーに換装することでOpenCore Legacy Patcherを使用することが可能です。
用意するもの
OpenCore Legacy Patcherを使用する上で用意するべきものをまとめました。
- 16GB以上のUSBメモリ(またはSDカード)
- インターネット環境
- インストーラを作成するMac
必要となるものは非常にシンプルです。
USBメモリは16GB以上の空き容量を持つものを使用してください。
もし、USBメモリを新しく用意される方は16GBのUSBメモリより、32GBのUSBメモリの方がコストパフォーマンスに優れているためお勧めです。
なお、ここで作成したUSBメモリ(インストールメディア)はトラブルが発生した際に利用しますので、フォーマットや初期化をせず保管しておきましょう。
いよいよ次のページからインストールメディアの作成を開始します。