Microsoft Surface Pro 4の分解とストレージ換装・増設手順

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Microsoft Surface Pro 4の分解とストレージ換装・増設手順

この記事では2015年10月22日より日本マイクロソフトから発売された「Surface Pro 4」の分解とSSDの換装方法にまとめました。

目次

用意するもの

必要なもの

m.2 SSDの候補

Surface Pro 4にはm.2 SSD (NVMe)が搭載できますが、両面にNANDが乗っているような、いわゆる両面実装のSSDの場合うまく取り付けられない場合があります。

購入の際には片面実装のSSDを選ぶようにしましょう。

なお、パソコンに取り付けられているストレージを新しいSSDにクローンする方法はこちらの記事をご覧ください。<絶対に失敗しない!EaseUS Todo Backupのヘビーユーザーが教えるHDDをSSDに換装する方法>

Surface Pro 4を分解する

※今回はホットガンを使います。身体を傷付けないように細心の注意を払い作業を行ってください。
※Surface Pro 4のガラスは大変割れやすいので、時間のあるタイミングでゆっくりと作業を行ってください。

作業の前にSurface Pro 4を正しくシャットダウンします。

▼ そして、ホットガンを使い画面の淵を温めます。
ホットガンは設定やモデルによっては500度や600度程の熱が出ますが、必ず70度~90度まで熱するようにしましょう。
矢印のように、あまり1ヵ所だけを熱することの無いように動かしながら熱していきます。

▼ なお、画面と本体を取り外していくにはピックを差し込んで作業を行っていますが、場所によってはフレキシブルケーブルやアンテナがシビアな位置にあります。

下図は、そのケーブルの位置などを視覚的に表したものです。このうち、赤枠の部分はLCDのフレキシブルケーブルが外側にあります。赤枠部分はピックを3mm以上挿し込まないようにしましょう。
黄色い枠はアンテナがあります。ピックでアンテナを切断したり傷付けないように慎重に作業を行ってください。

▼ ある程度まで熱したら、スピーカーの部分からピックを差し込み、ゆっくりと、ゆっくりと作業を行います。Surface Pro 4のガラスはとても割れやすいので、こまめに温めながら、とにかくゆっくりとピックを動かしていきます。

▼ もし、吸盤式のオープナーをお持ちなら、画面下部の赤丸で示した部分にくっつけて、画面と本体に隙間を作りピックを差し込み作業を行うのも良いです。

▼ 固いな、と思うことがあればこまめに熱します。

▼ 画面が外れたらゆっくりと持ち上げて、ケーブルが折れ曲がらない位置まで移動させます。

▼ ケーブルの上には電磁波シールドががあります。

▼ 精密ピンセットなどを使って電磁波シールドを取り外します。
この時、小さな穴のような部分にピンセットを差し込み、少しずつシールドを取り外していきます。
非常に変形しやすいので、慎重に作業を行います。

▼ ゆっくりと取り外していきます。

▼ もう一つの電磁波シールドも同じようにピンセットで取り外していきます。

▼ 2つとも取り外すことが出来ました。

▼ 電磁波シールドの下にあったケーブル2本をスパッジャーで跳ね上げるようにゆっくりと取り外します。

▼ 1本目が取り外せました。

▼ そして、2本目も同様に取り外していきます。

▼ 外すことが出来ました。

▼ これで画面と本体が取り外すことが出来ました。

▼ 下図はファンです。特に掲載した意味はないです。

Surface Pro 4のストレージ換装方法

▼ SSDはバッテリー横の細長い電磁波シールドの下にあります。

▼ 先ほどの電磁波シールドと同じようにピンセットで取り外しても良いですし、スパッジャーなどで取り外してもOKです。

▼ 遂にSSDが出てきました。下図の赤丸のネジをトルクスドライバーを使って取り外します。
Surface Pro 4はHP Pavilion 15-cc111TUと同じように、ネジを外してもSSDが立ち上がることはありません。ネジを取ったらSSDを抜き取ります。

なお、今回使用したSSDはIntel社製の660p(512GB)です。
きっと前にパソコンを組んだ時にストックで買っていたものです。

▼ 茶箱を開けると化粧箱が出てきました。

ではSSDを差し込んでいきます。

新しいSSDを取り付けたら、電磁波シールドを取り付けて換装は終了です。

▼ もしも不安なら、画面を本体と接着させる前に画面と本体を繋いで、BIOSでSSDを認識しているかテストしても良いでしょう。

▼ 動作確認が出来たら、確実に電源を消したことを確認し、作業を再開します。

Surface Pro 4メモリの増設方法について

Surface Pro 4のメモリはマザーボードに組み込まれているために交換・増設はできません。

作業を完了する

▼ 後は接着のテープを――。と思いますが、先に残留している古いテープをきれいに取り除きましょう。テープの端をピンセットでつかみ、ゆっくりと回していくと…。

▼ クルクルときれいに取れていきます。
もし、べたべたと、テープが残るようであれば、IPAや無水エタノールを綿棒に含ませてきれいにしましょう。

▼ きれいになったらOKです!

専用のテープが用意できればよいですが、できない場合には3Mのテープなどを用意します。

▼ テープを貼っていきます。

▼ そして、画面を貼り合わせていきます。
この時、位置合わせをしっかりと行いましょう。もしも、思わぬところに張り付いてしまっても、焦らずにゆっくりと作業しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

Surface Pro 4はメモリの増設ができませんし、画面を取り外すのに非常に神経を使いますが、CPUには第6世代のIntel Core iシリーズ(Skylake)を搭載し、Windows Hello(顔認証)が利用でき1024段階の筆圧検出が可能なデジタイザを有している、整備次第ではまだまだ活躍する機種です。

作業のポイントになるのは画面を取り外す際の熱し方やピックの動かし方です。
どちらも「ゆっくり」、「慎重に」作業を行えば必ず、画面を割らずに取り外すことができます。

ケガには十分に気を付けて、ぜひ安全にカスタマイズをして、さらに快適にご利用いただけたらと思います。

なお、Surface Pro 4はWindows 11の最小システム要件を満たしていませんが、こちらの記事を参考に作業を行うとWindows 10からWindows 11へアップグレードすることが可能です。

では、引き続き楽しいPCライフを!

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