この記事ではOpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS VenturaがサポートされないMacにソフトウェア・アップデートやApp Storeからダウンロードしたインストーラを使用して元のmacOSからmacOS Venturaへアップグレードする方法について紹介します。
この方法でインストールする場合にはUSBメモリなどが用意できなくてもmacOS Venturaをインストールすることができます。
目次
- この記事で使用したMacと検証をしたMac
- OCLPを使用してmacOS Venturaへアップグレードするのは簡単!ただし注意点あり
- OCLPでmacOS Venturaをインストールする際の諸注意
- 用意するもの
- macOS Venturaにアップグレードする前に
- ルートパッチをインストールする
- トラブルシューティング
- まとめ
この記事で使用したMacと検証をしたMac
この記事を執筆するにあたり、検証に使用したMacは次のリストの通りです。
- iMac17,1: iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015)
- MacBookPro9,2: MacBook Pro (13-inch, Mid 2012)
【注意点あり】OCLPを使用してmacOS Venturaへアップグレードするのは簡単!
OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaへアップグレードを行うのは非常に簡単です。
流れとしては、OCLPをインストール > 再起動 (OCLPから起動) > ソフトウェアアップデートからmacOS Venturaをダウンロード > アップグレードの手順で行えます。
問題なく作業が行えればクリーンインストールやインプレース アップグレードと比較しても簡単な作業です。
ただし、特定の世代以前のMacではこの手法でのアップグレードを行うと、予期せぬ不具合や操作が必要になる可能性が考えられます。
関連 > OCLPを使用してインストールしたMacのうち、OTAでアップグレードしない方がいい機種まとめ
例えばMacBook Pro (13-inch, Mid 2010)以前のMacBook Proなどではアップグレード後にWi-FiやBluetoothの他、キーボードやトラックパッドが利用できない可能性があります。
こういった場合にはOpenCore Legacy Patcherのインストールされたブータブルメディアを作成するなど以下の記事を参考に作業いただければと思います。
OCLPでmacOS Venturaをインストールする際の諸注意
この手順によりmacOS のアップグレードやクリーンインストールなど、方法を問わずOpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaをインストールした場合にはモデルによって複数の問題が発生する可能性があります。
例えば、多数のGPUのサポートが終了したためにルートパッチのインストールを行うまで動作が極端に重かったり、フリーズしてしまうなどの問題が発生する可能性や、無線関連が利用できない場合があります。
そういった場合にはルートパッチのインストールを行ってください。
また、あくまでも非公式のインストール手順で、Appleからのサポートは一切受けることはできません。
この記事を参考に作業をし発生した、いかなる損害に対しても当ブログは何ら責任を負わないことをご了承ください。
用意するもの
- OpenCore Legacy Patcher v0.5.0 以上
- OpenCore Legacy PatcherをインストールしたUSBメモリ (必須ではありません)
用意するもの自体は非常にシンプルです。
macOS VenturaへアップグレードしたタイミングでWi-Fiが利用できない場合も考えられますので、最新版のOCLPをMac(または外部ストレージ)に保存しておきましょう。
(USBメモリに対し、OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS のブータブルメディアを作成した上で、そのUSBメモリに使用したOpenCore Legacy Patcherをコピーしておくとなお安心です。)
macOS Venturaにアップグレードする前に
このセクションではmacOS Venturaへアップグレードする前に操作しておくべきことを紹介しています。
OpenCore Legacy Patcherの最新版をインストールしておく
macOS Venturaにアップグレードする前に、OpenCore Legacy Patcherをアップデートしておきましょう。
▼ MacにインストールされたOpenCore Legacy Patcherのアップデート(とインストール)方法は以下の記事をご覧ください。
OpenCore Legacy PatcherをインストールしたUSBメモリを用意する
このステップは任意ですが、OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaのブータブルメディアを作成を作成しておくと少し安心して作業が行えます。
OpenCore Legacy Patcherのブートピッカーを表示しておく
このステップは必ずしも必要な作業ではありませんが、アップデートをしたはずなのに元のOSで起動してしまうなどのトラブルが発生した際にOpenCore Legacy Patcherのブートピッカーを表示しておくと解決が早いです。
こちらの記事を参考にOpenCore Legacy Patcherのブートピッカーを表示するように設定を変更していただけたらと思います。
※ リンク先では「非表示にする方法」が掲載されています。表示するように変更するには「Show Boot Picker」をオンにして再度OpenCore Legacy Patcherをインストールしてください。
macOS Venturaにアップグレードする
準備ができたらいよいよmacOS Venturaへアップグレードします。
▼ Dockにある「システム環境設定」アイコンまたはメニューバーにあるAppleメニューから「システム環境設定…」をクリックします。
▼ 「システム環境設定」が開いたら、「ソフトウェア・アップデート」をクリックします。
▼ macOS Ventura が見つかったら、その横にある「今すぐアップグレード」とあるボタンをクリックします。
▼ macOS Venturaのソフトウェア使用許諾契約です。
▼ 同意するとmacOS Ventura のダウンロードが始まります。
▼ 11.28GBと大きなファイルサイズのため、環境によってはダウンロードが完了するまでに時間が掛かります。
▼ ダウンロードが完了するとアップグレードが始まります。
作業が完了するまで暫く待ちます。
▼ ここまでの作業が無事に終わるとMacの再起動を促されます。
▼ Macが再起動し、アップグレードの処理が継続されます。
▼ 再起動後には「macOS Installer」から起動します。
▼ モデルによっては「残り1分 …」でフリーズしたかのようにプログレスバーが動かなくなることがありますが、内部では処理が続いています。
ルートパッチをインストールする
macOS Venturaにアップグレードした後、Wi-FiやBluetoothが利用できない場合や動作が極端に遅い、カクつくといった場合にはルートパッチをインストールする必要があります。
ルートパッチのインストール方法はこちらの記事をご覧ください。
作業お疲れさまでした。
次のページではこの作業中に起こる可能性のあるトラブルとその解決策についてまとめています。
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