前回までに最新macOSが非対応のMacにmacOS Montereyをインストールすること自体は完了したと思います。既に何ら問題がないという方は、特にこのステップを行うことはありませんが、「描画」や「パフォーマンス」に問題がある方はGPU Acceleration Patchなどの適用が必要です。
目次
前回までの目次
この記事の目次
パッチを当てる
「パッチを当てる」という事ですが、必ずしもパッチを当てる必要もありません。
もしも、この時点で何ら問題なく動作している場合にはパッチを導入しなくても問題ありません。
この「問題」は例えば些細なアニメーションでも、再生されると一瞬フリーズしてしまう場合やその他のトラブルがあるなどが主な事象となります。
この場合にはmacOS MontereyがサポートしているMetal GPUへ取り換えてしまうのがベストですが、Mac ProやiMacの一部のモデルを除いては現実的なオプションとは言えません。
そこで、OpenCore Legacy Patcher(0.1.1以上)に追加されたGPU Acceleration Patchをインストールします。
なお、このパッチを適用すると、デルタアップデート(差分アップデート)が利用できなくなります。もしも、Mac ProやiMac 2009~2011をご利用いただいてるユーザであれば、GPUをMetal対応のものに換装することをご検討ください。(ただしハードウェアに直接手をかけるので、リスクもありますが…。)
方法> iMac 2011をMetal対応GPUにアップグレードして最新macOSをインストールする(準備編)
ボリュームパッチの注意点について見てみましょう。
WARNING: Root Volume Patching is still in active development, please
have all important user data backed up. Note when the system volume
is patched, you can no longer have Delta updates.
「警告:Root Volume Patchingは現在も開発中です。
すべての重要なユーザーデータをバックアップしてください。
システムボリュームにパッチが適用されると、デルタアップデートができなくなります。」という旨が記載されています。
OpenCore Legacy Patcher v0.25 以上ではこのパッチをインストールしてもFileVaultがサポートされるようになりました。ただし、引き続き差分アップデートについては利用できないようです。
GUI版をダウンロードされた方
OpenCore Legacy Patcherのメインメニューが立ち上がったら「Post Install Root Patch」をクリックします。
Post-Install Menuに画面が遷移したら「Start Root Patching」をクリックします。
「続行するにはOpenCoreLegacyPatcherを管理者として再起動する必要があります。」という旨のポップアップが表示されます。
「Yes」をクリックして続行します。
Macのパスワードを入力して、「OK」をクリックします。
裏では15秒のカウントダウンが行われています。
このカウントが0になると、一度OpenCore Legacy Patcherは閉じて、再び立ち上がります。
(このウィンドウは閉じてしまっても自動的にOCLPが立ち上がります。)
メインメニューが立ち上がったら「Post Install Root Patch」をクリックします。
Post-Install Menuに画面が遷移したら、再び「Start Root Patching」をクリックします。
▼ するとパッチのインストールが始まります。
途中で「- Rebuilding Kernel Cache (This may take some time)」で止まりますがしばらく待ちます。
「Please reboot the machine for patches to take effect」と表示されたら完了です。
一度お使いのMacを再起動して効果を実感してください。
TUI版をダウンロードされた方
さて、パッチを適用する場合には再びOpenCore-Patcher.app を立ち上げます。
今回は「Post-Install Volume Patch」を選択したいので、「3」と入力し、Enterキーを押します。
問題がなさそう、もしくは妥協できるようであれば、「1」を入力してEnterキーを押します。
続けるには「y」と入力し、Enterキーを押します。
時折Enterキーを求められます。
「Password:🔑」と表示されたらMacのパスワードを入力しEnterキーを押します。
「Press [Enter] to continue with cache rebuild: 」と表示されたらEnterキーを押します。
「Rebuilding Kernel Cache (This my take some time)」と出力されてから暫くこのままですが、ちょっと待ちます。
「Press [Enter] to continue with snapshotting」と表示されたらEnterキーを押下します。
「Please reboot the machine for patches to take effect
Press [Enter] to continue」と表示されたら完了です。Enterキーを押してメインメニューに戻りましょう。
一度お使いのMacを再起動して効果を実感してください。
再起動が完了すると、その瞬間から違いを体感することができると思います。
透明効果やブラーなど、デザインはもちろんのことパフォーマンスも段違いです。
Legacy GPU Acceleration Patchesを開発されているチーム/方は非常に慎重に作業されているように感じます。
非常に頭が下がる思いです。
既知のトラブル
当ブログでは最新OSのインストールがサポートされないMacに対し、macOS MontereyやmacOS Big Surのインストールを行い、順次この記事や新しい記事に結果を掲載する予定です。自分のMacで試すのはちょっと怖い、という方は、時々遊びに来てくださると幸いです。(ただし、あくまでも筆者個人の微力での作業となりますし、当然資金にも限りがありますので遅々としていることをお許しください。また結果について何ら保証するものではありません。)
ちなみに、そんな筆者を支援して方はこちらまで! >> 欲しいものリスト << 非常に助かります!ありがとうございます!
かぼしーがテストした機種
日付 | モデル名 | OS | OCLP*1 | HW変更点 | Install+動作 |
---|---|---|---|---|---|
21/10/28 | MacBook Pro (13-inch, Mid 2012) MacBookPro9,2 | 12.0.1 21A559 | 0.3.1 TUI | RAM 16GB SSD 480GB | 成功 (インプレースアップグレード) GPUアクセラレータにトラブル ただし、Volume Patchで改善 |
21/11/19 | MacBook Pro (13-inch, Mid 2010) MacBookPro7,1 | 12.01 21A559 | 0.3.1 O-TUI | SSD 120GB RAM 6GB | 成功 GPUアクセラレータとWi-Fiにトラブルあり ただし、Volume Patchで改善 (Offline版利用) |
*1: OCLP = OpenCore Legacy Patcher バージョン
さらに詳しいトラブル内容や解決方法は次回の記事に掲載いたします。
かぼしーがテスト予定の機種
- MacBook
- MacBook (13-inch, Late 2009) :MacBook6,1
- MacBook Pro
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2010) :MacBookPro7,1
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2012) :MacBookPro9,2 (済)
- MacBook Air
- MacBook Air (Mid 2009) :MacBookAir2,1
- iMac
- iMac (27-inch, Mid 2011) :iMac12,2
- iMac (21.5-inch, Mid 2011) :iMac12,1
- iMac (21.5-inch, Mid 2010) :iMac11,2
- Mac mini
- Mac Pro
すでに報告されているトラブル
- 現在調査中
各問題の解決策については次回以降の記事でまとめたいと思います。
トラブルの解決方法
次の記事に掲載いたします。
(11/3 追記: 当面の間はmacOS Big Surの際のこちらの記事が参考になるかもしれません。
>> OpenCore Legacy PatcherでBig Surを動かす際によくあるトラブルと解決方法)
(11/24 追記)
よくあるトラブルと解決方法につきましてはこちらの記事に掲載いたしました。
>>> OpenCore Legacy PatcherでMontereyを動かす際によくあるトラブルと解決方法
ただし、日本語入力についてはIntel AVXが利用できないCPUを搭載したすべてのMacで利用できません。
日本語入力ができないであろうMac
- iMac (21.5-inch, Mid 2011) と iMac (27-inch, Mid 2011) 以外のすべてのiMac
- MacBook Pro (Early 2011) 以前のすべてのMacBook Proシリーズ
- MacBook シリーズ
- 他、Sandy Bridge以前のCPUを搭載したMac
FrameworkやDynamic Library、JapaneseIM.appなどを移植する方法もありますが、アップデートのタイミングで利用できなくなったり、安定しないため、ここはGoogle 日本語入力や (Mozc) かATOKを利用することをお勧めします。
Google 日本語入力の導入方法につきましては、こちらをご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ストレージがHDDだと激重だったりしますが、SSDだと思いのほかスイスイ動くかと思います。
バグやその他のトラブルについては、次回以降の記事にまとめたいと思います。
この記事の内容を終えられた方は、こんな記事もいかがでしょうか?
古いMacにも新しいOSのパワーを!
iMac 2011にWindows 11とBig Surをインストールする(前編)
それでは、引き続き素敵なMacライフを!
では!
弊ブログでは引き続き、OpenCore Legacy PatcherとmacOS Montereyの最新情報をお伝えいたします。
2023.01.16 記事内のリンクを修正しました。(18件)
2023.01.16 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。
2023.01.05 一部表記の改善と広告リンクを追加しました。
2022.03.18 目次の修正とGUI版を利用したボリュームパッチのインストール法を追加しました。
2021.11.24 「OpenCore Legacy PatcherでMontereyを動かす際によくあるトラブルと解決方法」のリンクを掲載しました。
2021.11.07 日本語入力入力について追記しました。
2021.11.03 「トラブル解決」項に参考になりそうな記事を追加しました。
2021.10.29 テストした機種を更新しました。