米Appleは次期macOSである「macOS Ventura」のリリースを2022年10月24日(現地時間)と告知しており、問題が生じない限り日本時間では10月25日の2時ごろから公開される予定です。
この記事ではmacOS Venturaの公開に先立ち、macOS Ventura (macOS 13)の新機能や特徴を紹介します。
- macOS Venturaのテーマ
- macOS Venturaの新機能
- M1を搭載したMacしか利用できない新機能
- macOS Venturaのデザイン
- 一方で「お預け」の機能も
- macOS Venturaの対応機種
- macOS Venturaの入手方法
macOS Venturaのテーマ
macOS Montereyでは「パフォーマンスは高く。つながりは強く。」をコンセプトに、「SharePlay」や「ユニバーサルコントロール」が目玉機能とされました。
時勢も相まって、Appleのメッセージとしては「人々の繋がり」だったように思われ、「つながり」を意識した機能が多く搭載されました。
今回登場するmacOS Venturaでは「はたらく。遊ぶ。つながる。すべてをアップグレード。」と、ややポップなコピーになりましたが、macOS Venturaでも引き続き「つながる」が大きなテーマになっているようです。
macOS Venturaの新機能
macOS Venturaの目玉機能としては「ステージマネージャー」や「連携カメラ」が挙げられます。
その他、地味な機能かもしれませんが、「メール」や「Spotlight」の検索機能の強化、文脈に沿った操作の提案機能が加わりました。
ステージマネージャー
ごちゃついたウィンドウを効率的に整理!
ステージマネージャは開いているアプリケーションとウインドウを自動的に整理して、ユーザーが作業に集中しながらも、一目ですべてのものを確認できるようにする機能です。
Mission ControlやSpacesなどのウインドウ管理ツールと連係して機能し、ユーザーは1回クリックするだけで簡単に自分のデスクトップに移動できます。
ウィンドウをタスクやプロジェクトごとにグループ化することで、タスクをすばやく簡単に切り替えられるようになります。
ごちゃごちゃしがちなウィンドウを効率的に管理できるようになることから、作業に集中しやすくなりそうです。
連携カメラ
連携カメラ機能は、iPhoneをウェブカメラとして利用できる機能です。
iPhoneのスリープ解除や選択をしなくても、MacはiPhoneのカメラを自動的に認識して使うことができます。
Macとの接続はUSB接続のほかワイヤレス(BluetoothとWi-Fiを使用)でも接続できます。
連携カメラでは「ポートレートモード」や背景を暗くしてユーザーの顔を美しく照らすエフェクトである新しいスタジオ照明などの機能が利用できるほか、「センターフレーム」も利用可能です。
センターフレームを利用すれば、ビデオ通話中やミーティング中に動き回っても、ユーザを追従し常にカメラフレームの中央にユーザが映し出されます。
さらに、iPhoneが超広角カメラを利用できるモデルなら、ユーザーの顔とデスクを上から見たところを同時に表示するデスクビューを実現します。
MacにiPhoneを取り付けるマウンターはBelkinなど複数のサードパーティから販売されます。
Handoff
macOS VenturaではHandoffをFaceTimeでも利用可能になりました。
例えば、Macで開始したFacetime通話を開始しiPhoneやiPadに転送したり、iPhoneやiPadで開始した通話をMacに移動したりできます。
メール
メールに「後で送信」と「送信の取り消し」が追加されました!
macOS Venturaは近年で最大規模の検索機能の見直しにより、メールは最先端のテクノロジーを使って、より関連性が高く、正確で完全な検索結果を提示します。ユーザーはクリックして検索に入るだけで、入力を始める前でも、最近のメール、連絡先、書類、写真など、探しているものをすばやく見つけられるそうです。
メールの送信を予約したり、送信を押した後30秒以内ならすぐにメールの送信を取り消すこともできます。
また、メッセージに添付ファイルやCCの受信者などの項目が不足していると、メールが検出してくれます。(ただし、この機能は英語のみ。)
Spotlight
macOS VenturaではSpotlightも進化しました。
Spotlightには、ナビゲーションがより簡単になる新しいデザイン、Appleデバイス全体でより一貫した体験を提供する新機能、ファイルをすばやくプレビューできるクイックルックが搭載されます。
場所、人々、風景、被写体で写真を検索することもでき、「テキスト認識表示」により、画像の中のテキストを検索できます。
タイマーを開始する、新しい書類を作成する、ショートカットを実行するといった操作をSpotlightから行うことができます。また、Spotlightの検索結果に、アーティスト、映画、俳優、テレビ番組、ビジネスやスポーツに関する豊富な情報が含まれます。
Safariとパスキー
macOS Venturaに搭載されているSafariはタブやブックマークを共有したり、メッセージを送信したり、FaceTime通話を始めらるようになりました。
共有スタートページでブックマークのリストを作成したり、Safariからメッセージでの会話やFaceTime通話を開始することもできるので、複数の人と計画や作業を行う際には便利な機能かもしれません。
macOS VenturaやiOS 16では新しい認証方式、「パスキー」(Passkeys)が利用できるようになりました。
パスキーはパスワードを入力することなくTouch IDやFace IDの生体認証を利用したサインインが可能なFIDO標準ベースのアカウント認証機能です。
WindowsユーザならMicrosoftで提供している「Windows Hello」のApple版という方が分かりやすいかもしれません。
メッセージ
macOS Venturaのメッセージは、よくある「うっかり」もフォローしてくれます。
最近送信したメッセージの編集や取り消しをしたり、メッセージを未開封にしたり、誤って削除したメッセージを復元したりできる機能が加わります。
また、ユーザーが共有シートやドラッグ&ドロップを使ってメッセージでファイルを共有する際に、コピーを共有するか共同作業を行うかを選択できるようになります。
その他、メッセージでもSharePlayが利用できるなど、パワーアップしました。
写真
iCloud共有写真ライブラリでは、ユーザーは最大6人の家族メンバーと一緒に別の写真ライブラリを作成して共有できるので、全員が家族のすべての写真を楽しめます。
家族の写真やビデオが一か所にまとめることができ、メンバーなら誰でも追加、編集、削除できます。
ゲーム
一新されたGame Centerダッシュボードで友達のプレイしているゲームを見たり、その結果をチェックしたりすることができます。
また、SharePlayで一緒にプレイも可能です。
M1を搭載したMacしか利用できない新機能
macOS Venturaの新機能の中でM1以降のMacでしか利用できないという機能は多くありませんが、「音声入力」はIntel Macでは利用できません。
新しい音声入力
ユーザが話す通りにテキストに句点や読点、疑問符を追加したり、声だけで絵文字を入力するといった機能はIntel Macでは使用できません。
macOS Venturaのデザイン
macOS VenturaのデザインはmacOS Big SurやmacOS Montereyとさほど大きく変わった訳ではありません。
しかし、長いこと慣れ親しんだ「システム環境設定」が「システム設定」に生まれ変わりました。
デザイン的にはiPadの「設定」に近いデザインになりました。
更に、iPhoneとiPadにあった「時計」アプリや「天気」アプリがmacOS Venturaに追加されたり、Siriのデザインが一新しました。
この他、「このMacについて」(About this Mac)や「Font Book」に関しても刷新されました。
一方で「お預け」の機能も
こんな楽しいmacOS Venturaですが、しばらく利用できない機能もあるようです。
フリーボード
フリーボードは作業効率化アプリで、共同作業の仲間と一緒にアイデアを形にできる場所です。
プロジェクトの計画を立てたり、友達と一緒に絵を描いたり、ファイルを共有したり、ビデオやオーディオも挿入できるそうです。
この機能を使用すれば、離れている友人や同僚とプランニングや自由な議論が出来そうです。
でも、この機能は少しの間お預け。年内中には利用できるそうです。
macOS Venturaの対応機種
macOS Venturaの公開後に「あれ!macOS Venturaのインストールできないじゃん!」とならないように、macOS Venturaの対応機種を確認しておきましょう。
- iMac 2017以降
- iMac Pro 2017以降
- Mac mini 2018以降
- Mac Pro 2019以降
- Mac Studio 2022
- MacBook Air 2018以降
- MacBook 2017以降
- MacBook Pro 2017以降
相変わらずiOSのサポートと対照的にシビアです。
次期macOS、macOS Venturaでは原則としてKaby Lake以前のCPUを搭載したMacでは動作しないようです。
詳しいmacOS Ventura の対応機種の情報はこちらの記事をご覧ください。
macOS Venturaの入手方法
macOS VenturaのインストールができるMacは2022年10月25日、2時以降から「ソフトウェア・アップデート」または「App Store」を使用してアップグレードすることが可能です。
画面の左上隅にある Apple メニュー から「システム環境設定」>「ソフトウェア・アップデート」を更新を確認するか、App Storeの検索ボックスに「macOS Ventura」と検索をかけ、「入手」をクリックするとインストーラをダウンロードできます。
macOS Venturaのインストールには数時間かかる場合もありますので、アップグレードをしたい方は十分にお時間のあるタイミングで作業いただけたらと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ステージマネージャー」や「連携カメラ」など、すぐにでも使いたい機能がmacOS Venturaには沢山追加されています。
また、macOS Montereyでも「つながり」を意識した機能が多く追加されましたが、macOS Venturaでも同じ傾向にあると思います。
刷新された機能やデザインを見ていくと、iPhoneやiPadではおなじみの「天気アプリ」や「時計アプリ」を追加したり、「システム環境設定」をiPhone、iPadライクな「システム設定」に刷新したりとmacOS VenturaはさらにiOSやiPadOSとの融合が進んだ印象を受けます。
macOS Venturaの対応機種はM1、M2などのApple SiliconとKaby Lake世代以降のIntel Macをサポートします。macOS Montereyでも多数のモデルが最新のmacOSをインストールできなくなりましたが、macOS Venturaでも2013年から2017年までの多数のモデルがmacOS Venturaのインストールできなくなりました。
当ブログではmacOS Venturaの情報を引き続き発信していきます。