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あと数時間でWindows 11が発表される?Windows 10から何が変わるのか?

コラム

あと数時間でWindows 11が発表される?Windows 10から何が変わるのか?

こんばんは!

今月はとても忙しい月ですね。
WWDC21があったり、Amazon Prime Dayで散財したり、そして、Windows 11の発表があったり。
ちなみに、Windows 11の発表(と思われる)オンラインイベントが日本時間の2021年06月25日 1:00より始まります。
Microsoftがそしてその製品が好きな筆者でありますので、Windows 11の発表はまさにお祭りのようにも感じておりますが、皆様はいかがでしょうか?
今回は、そんなWindows 11のまたWindowsの行く道を一緒に考えていきたいと思います。

Windows 10の登場からのMicrosoft

Windows 10は米サンフランシスコで現地時間2014年9月30日に「what’s next for Windows」と題したプレス向けのイベントを開催、正式に発表されました。

正式発表以前のサンフランシスコで現地時間2014年4月2日に行われた開発者向けイベント「Build 2014」でも開発段階のWindows 10の画面が公開されましたが、発表直前まで「次期Windows の名称はWindows 9だと」囁かれ続けました。
Windows 8/8.1の不評さも追い風になり、期待を背負って、2015年07月29日に一般リリースされました。
この際、今までなら有償でのアップグレードとなっていたものを1年限定とはいえ無償でWindows 7やWindows 8.1からアップデートができるということから乗り換えをした方も多かったことと思います。

また、この頃になると、盛んにWaaS(Windows as a Service)という言葉が出現します。
これは、米国時間2015年1月21日にWindows 7、Windows 8.1から無償アップグレードを提供するという発表の中で、Terry Myerson氏より「Windows 10とは、Windows as a Serviceであると考えている」という文脈で出現しています。

Windows 10以前からも「Windows 8.1 with Bing」のようなOEMベンダに対し無償で提供されていた製品もありましたが、あくまでもOEMベンダのみに提供されるものであり、一般コンシューマ向けではありませんでした。

(Windows 8.1 with BingはWindows 8.1と機能面では変わらないものの、Internet Explorerのデフォルト検索エンジンをBingに設定されたエディション。Windows 7 Starterのようにネットブック専用のエディションではないものの、9インチ以下の場合には無償、9インチ以上でも格安での提供というOEMベンダにもユーザにもメリットが多いエディション。)

Windows as a Service (WaaS)とは

さて、Windows as a Service(WaaS)という言葉が出てきましたが、そもそもWindows as a Service(WaaS)とは何なのでしょうか?
Windows as a Serviceとは、一般コンシューマと企業ではやや違った見え方になることが多いですが、一般コンシューマ的な側面で見れば、MicrosoftがWindows 10を「製品」として送り出すのではなく、「サービス」のように取り扱うといった部分が大きいと思います。
従来のようにWindows 7やWindows 8を「OS」といった製品として扱うのではなく、常に新しい機能や修正を加えていくようなサービスといった考え方を導入したのです。ある意味ではOSをインフラ化して、他の部分(クラウドサービスやOffice製品)で収益を上げる方向にシフトしたともいえるかもしれません。

Windows 10が最後のOSと言われた所以

ここまで見ていくと、Windows 11なんて出ない気がしてくると思います。
Windows 10をインフラ化していくのにWindows 11なんてブランドをぶち上げる必要はないように思いますし。

それは御もっともで、実際に「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」と聞いたことがある人も少なくないかもしれません。
それは、ただの通説というわけではなくMicrosoft Ignite 2015の中で、Microsoftのデベロッパー・エバンジェリストのJerry Nixon氏も当時、「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」と言っているわけであります。
この言葉はWaaSの考えとも完全に一致しているわけで、人々に浸透していったわけです。

ではなぜ、Windows 11なのか

Microsoftはなぜ、このタイミングでWindows 11という新しく打ち立てようとしているのか?
いくつか理由を考えてみましょう。
一番シンプルに考えれば、Windows 10も公開から長い歳月が流れマンネリ化してきたから、かもしれません。
ただ、反論するのであれば、すっかりと浸透してきたOS、しかも、RTMと比べたら全くの別物になっているこのWindows 10をわざわざ排してまでWindows 11を打ち立てるでしょうか?これが理由ではないような気がします。

では「『Windows 10X』の凍結の余波」と見ることはできないでしょうか?Windows 10Xはデュアルスクリーン向けのOSとして開発が続いていましたが2021年5月にWindows 10Xのプロジェクトが中止されたという報道がありました。2020年の時点ではWindows 10Xの発表の後に「Surface Neo」などのデュアルスクリーンを搭載したデバイスの開発が遅れたなどの理由で、今年公開予定とのことでした。
つまり、もともとはWindows 11ではなかったにせよ、「Windows 10X」というデュアルスクリーン向けのOSの発表そのものは予定されていたこともあって、Windows 10Xのプロジェクトの中止でOSだけをWindows 11という名前で公開するのではないか、という一見ふんわりとした理由です。
ただ、先日流出したWindows 11(と思われるOS)を見てみると、Windows 10XのUIに非常に近いのです。
Microsoft側からすれば開発を続けいていたOSを無駄なく利用できるほかにも、Windows 10Xのプロジェクトがリブートした暁には、市場への抵抗が薄いのでは、と考えた可能性もあります。
Windows 10Xや先日流出したOSも、今のWindows 10の雰囲気とは少し異なるものになるため、Windows 10X(きっと順当にいけばWindows 11X)の公開前に市場のニュアンスを確認できるといったメリットもあるでしょう。

PCメーカへのアピール
もしくはPCメーカー各社やパーツメーカに対するアピールや存在感の強調かもしれません。
常にWindows 10というマンネリ化した市場で、快適に動作するかは別としてWindows 7がインストールできるPCには「基本的には」導入可能なWindows 10。
買い替えを促進するにはWindows のサポートを持ち出すのが手っ取り早いですし、ここでインストール要件を引き上げればWindows 11がインストールできないパソコンが増えますので、パソコンの買い替えが促進されます。
これによりPCメーカは多少なりとも恩恵をあやかることができます。市場に存在感をアピールするにも新しいWindowsの発表は大きなツールになります。
事実、先日流出したOSはHaswell以上の世代を搭載していない限りインストールできないなどの制約があります。
(DISMを利用してイメージを展開すれば起動しますが、多くの場合買い替えという選択になるでしょう。)

Windows Updateの考え方の変更
もしかしたらWindows 11のWindowsアップデートは従来のWindows 10とは大きく異なるのかもしれません。
これによってWindows 11に、というのはやや理由として弱いかもしれませんが、まったくありえなくもないような気もします。

このうちのどれが、もしくはどれも外れているかもしれませんが、MicrosoftがWindows 11という新しいブランドを立ち上げる理由について考えてみました。

Windows 11になっても変わらないであろうこと

Windows 11になってもWaaSについては引き継がれるでしょう。
その為、Windows 10や8からの無償アップグレードには対応するでしょうし、PCがインストール要件に適合さえすれば、Windows 7のPCも無償アップグレードできるでしょう。

Windows 11の懸念点

Microsoftは常にユーザ第一に開発している(?)と思いますが、空回りすることも多々あります。
Windows VistaやWindows 8/8.1はその最たる例です。
Windows 11もそうなる、と言っている訳ではないものの、Windows 11はスタートボタンが中央によるようなUIになるそうですので、混乱も避けられないような気がします。
一般的なWindowsユーザーは意外と「スタートボタン」にアイデンティティーを持っていますが、Microsoftは意外とそうではないようです。

PCで「YouTubeしか見ない」、「とりあえずネットができればいい」というようなユーザ層であれば、あまりにもUIが異なる場合、Windowsにこだわる必要はなくなると思われますので、一定数は安価なChromebookなどに流れそうな気がします。
Microsoftは競合他社をしきりに意識しますが、大抵は寧ろ、自己を貫いていた方が良かったことの方が多い気がします。今回はChromebookに敵意をむき出しにするあまり自らがChromebookに飲まれている気すらします。

まだまだ言いたいことはありますが、ここら辺にしておこうと思います。
なにがともあれ、残り数時間である程度見えてきます。楽しみですね。

では!