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Microsoft、Windows 11に導入されるDirectSRについて説明

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Microsoft、Windows 11に導入されるDirectSRについて説明

Microsoftはサンフランシスコのモスコーニセンターで2024年3月18日から22日まで開催されたGame Developers Conference (GDC) 2024でWindows 11 24H2に搭載される「DirectSR」について紹介しました。「DirectSR」はゲームやアプリケーションのグラフィックスを向上させる機能でDeep Learning Super Sampling (DLSS)、FidelityFX Super Resolution (FSR)、Xe Super Sampling (XeSS)と各社乱立する超解像技術に対応しています。

DirectSRの概要

DirectSR (Direct Super Resolution)は、MicrosoftがDirectXの一環として新たに開発した超解像技術の新しいAPIです。NVIDIAのDLSS、AMDのFSR、IntelのXeSSなど、異なる超解像技術を統合し、ゲーム開発者がこれらを簡単に実装できるように設計されています。

DirectSRを使用することで低解像度でレンダリングされた画像を高解像度のディスプレイに合わせて、質を落とさずに拡大することができます。特にゲーム開発では、反射や影、間接照明などの要素を低解像度で描画し、最終的に高解像度にアップスケールして表示することが一般的です。DirectSRを使用しこのアップスケールに関する処理が大幅に改善され、よりリアルなグラフィック表現が可能になります。

開発者とユーザにもたらす利点

DirectSRを使用することで、開発者はGPU各社が独自に開発するアップスケーラにここに対応させたり、超解像技術を独自に実装する必要がなくなります。これにより、開発の手間が削減され、特に小規模チームや小規模な開発者にとって大きなメリットとなります。一方、ユーザは、グラフィックス設定を個別に調整することなく、高品質なゲームを楽しむことができます。

特に近々リリースが噂されているWindows 11 24H2では、「自動超解像」機能が導入され、サポートされるゲームでのグラフィックス自動アップスケーリングが可能になります。

今なぜDirectSRが求められるのか

DirectSRは、MicrosoftがDirectXの一部として開発した新たなAPIです。主な目的は、ゲームやアプリケーションにおけるグラフィックスの超解像度処理を、より簡単かつ効率的に実現することにあります。

近年、GPUメーカ各社はリアルタイムレイトレーシングの導入が進んでおり、最近の話題ではiPhone 15 Proでレイトレーシングがサポートされ話題になりました。しかし、その計算負荷の高さから、一部の要素を低解像度でレンダリングし後から高解像度にアップスケールするという技術が一般的になりました。

Windows 11 24H2で…

Windows 11 24H2では、DirectSRを活用した「自動超解像度」機能が導入されます。これは、対応するゲームやアプリケーションにおいて、ユーザが個別に設定を変更することなく、自動的にグラフィックスが高解像度化されるというものです。例えば、Windowsカメラアプリでは、この機能を有効にすることで、より鮮明な画像になる可能性を示唆しています。

(Microsoftは予期せぬ結果を招く可能性もあるため、この機能の使用には注意を促しています。)

DirectSRは今後…

DirectSRは、Windows 10以降のバージョンで使用できるようになる予定で、幅広いデバイスとGPUで利用可能になることが期待されています。Microsoftは、この技術が将来のAIや今後PCへの搭載モデルが増えることが予想されるNPU (ニューラルプロセッシングユニット)による超解像機能にも対応することを示唆しています。

今後、DirectSRのさらなる開発と共に、より多くのゲームやアプリケーションでこの技術が活用されることを期待されます。