2024年4月のWindows 11とWindows 10のアップデート後、多くのユーザがパフォーマンスの低下やエラーコードに関する問題を報告しており、問題の詳細が明らかになっています。
これらはNeowinやWindows Latestが詳細をまとめており、この記事では主な問題と解決方法について紹介します。
Windows 11アップデートKB5036893の主な問題点
1. 応答速度の低下
特にHP Dragonfly G1を使用しているユーザからは、PCの動作が非常に遅くなったとの報告が寄せられています。lsass.exeプロセスがCPUの処理を占有し、ディスクへの書き込みも異常に多いという問題が発生しています。さらに、このアップデートによってVPN接続やOutlook 365の起動にも障害が出ています。
KB5036893 Windows 11 April 2024 renders HP Dragonfly G1 unsuasble slow:
Since the latest update, two HP Dragonfly G1 users reported issues:
- machine is horrible slow:
- lsass.exe high cpu
- lsass.exe causes excessive disk writes:
- VPNs with TPM backed certificates won’t work anymore:
- A certificate could not be found that can be used with this Extensible Authentication Protocol.
- Outlook 365 doesn’t start with “Something went wrong. [1001]”
- Error Tag: 86q85 Error Code: -2146892987
- Cannot start Microsoft Outlook. Cannot open the Outlook window. The set of folders cannot be opened. The file C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Microsoft\Outlook\USERNAME@DOMAIN.com.ost cannot be accessed. You must connect to Microsoft Exchange at least once before you can use your Outlook data file (ost).
2. Microsoft Edgeのアンインストールに関する問題
EU (欧州連合)のデジタル市場法に基づき、EU圏に在住しているユーザはMicrosoft EdgeやBing検索エンジンをアンインストールできる機能が設けられました。しかしEUに在住しているユーザはアンインストールオプションが表示されない、または機能しないという問題を報告しています。
Windows Latestはこれらの問題の他、KB5036893のインストール時に以下のエラーが発生し、インストールに失敗する問題や、インストール後にボタンなどが表示されない、白いOOBEのような画面が表示される問題も紹介しています。
▼ KB5036893のインストール時に発生する可能性があるというエラーコード
- 0x800705b9
- 0x800f0823
- 0x8007007e
- 0x800f081f
- 0x8000ffff
- 0x800f0984
- 0x80073701
前出のWindows Latestは白いOOBEのような画面が表示される問題について、「OOBE プロセスが遅いことであり、Microsoft Edge または同様のプロモーションに関連している可能性があります。」と指摘してます。
解決として、メディア作成ツールを実行してWindows 11をインプレースインストールするか、設定やコマンド プロンプト、または PowerShell を使用して更新プログラムを手動でアンインストールする方法などが紹介されていました。
Windows 10 KB5036892ではインストールが失敗する問題が
Windows 10ユーザからは、KB5036892アップデートのインストールがエラーコード 「0x8007000d」が発生し失敗するという報告が寄せられています。
一部の更新ファイルが見つからないか、更新ファイルに問題があります。後で更新プログラムのダウンロードが再試行されます。エラー コード: (0x8007000d)
表示されるエラー
現時点で解決策はない?
Chuck Zmudzinski 氏はMicrosoftのコミュニティーサイト内で多くのユーザがWindows Updateトラブルシューティング ツールの利用、Microsoft Update Catalogからの手動インストール、システムファイルチェッカー(sfc /scannow)の実行、Windows Updateコンポーネントをリセットするスクリプトの使用など、様々な解決策を試みたものの、問題は解決しなかったと報告しました。
まとめ
ここまで、Windows 11 (KB5036893)とWindows 10 (KB5036892)の更新プログラムで発生する問題を中心に見てきました。特にWindows 11のKB5036893に関してはPCの快適性に影響する問題が発生しており、PCを使用した業務を行うユーザにとってはクリティカルな問題になる可能性があります。
今後、Microsoftがこれらの問題にどう対応するかが注目されています。