今回はDynabook株式会社より2021年秋冬モデルとして発売されたdynabook P1-B2UY-DB (モデル名: B2/U)のSSD換装とメモリの換装、交換手順を紹介します。
このdynabook P1-B2UY-DBはCPUにIntel Celeron 5205U、メモリ4GB、SSD 128GB、Wi-Fi(Bluetooth)モジュールとして、Wireless-AC 9560を使用しており、OSはWindows 11 Homeをプリインストールしています。やや余り物で作った感がありますが、Microsoft Office Home and Business 2021をバンドルしていても6万円台から購入可能だったハイコスパなノートパソコンです。(ただ、Windows 11をプリインストールしておきながらメモリ4GBというのは中々強引な気がします。)
この手順は下記の機種とも殆ど同じ手順で分解ができるかと思います。
- dynabook P1-B2UH-EB
- dynabook P1-B2UY-DB
- dynabook P1-B3UB-DB
- dynabook P1-B3UD-DB
- dynabook P1-B3UJ-EB
- dynabook P1-B3UM-EB
- dynabook P1-B3UN-EB
- dynabook P1-Y6SD-EW
- dynabook P1-Y6SN-EW
- dynabook P1-Y6SP-EW
- dynabook P2-Y6SB-EW
- dynabook P3-Y6SS-EW
- dynabook YZ/MRB(W6YZMR3EAB)
- dynabook YZ/MRB(W6YZMR3FAB)
目次
- 用意するもの
- dynabook B2/ B3/ Y6を分解する
- dynabook B2/ B3/ Y6のストレージ換装方法
- dynabook B2/ B3/ Y6のメモリの増設方法
- Wi-Fiモジュールの交換について
- 作業を完了する
- (おまけ)dynabook P1-B2UY-DBを見てみる
- まとめ
用意するもの
dynabook P1-B2UY-DBの場合
- M.2 SSD 500GB (ストレージを換装する場合)
- SODIMM DDR4 8GB (メモリを増設する場合)
- SODIMM DDR4 16GB (メモリを増設する場合)
- E-Value 精密ドライバーセット
- スパッジャー
SSDについては殆ど同構成となるdynabook Y6がNVMeのSSDを搭載しているため、このモデルでもNVMeが利用できる可能性が高いですが、当方では検証しておりません。
メモリについてはdynabook株式会社の公称スペックによると、8GBまでという事らしいですが、CPU自体は64GBまで対応しているとのことで、32GBまで搭載できそうです。(ただ、CPUボルトネックになるので、16GB以上搭載してもあまり効果は見込めなそうな気もします。)
なお、パソコンに取り付けられているストレージのデータを新しいSSDにクローンする方法はこちらの記事をご覧ください。
dynabook B2/B3/Y6を分解する
dynabookの電源を正しく切った後、画面を閉じて本体をひっくり返します。
そして、丸で囲った11本のプラスネジを取り外します。
11本のネジを取り外すことができたら、ボトムカバーを取り外していきます。
ヒンジ当たりにスパッジャーを差し込むように挿入した後、くり出す様にボトムカバーを持ち上げます。スパッジャーでうまく作業できない時はコーキングへらを使用します。ただし、コーキングへらは筐体を傷つける可能性があるほか、パーツの破損の原因になる恐れがあります。最小限の使用にとどめましょう。
特にUSBコネクタやHDMIコネクタ周りのプラスチックは非常に細くなっています。力加減に注意し作業に当たってください。
無事に分解が完了しました。
なお、パーツの取り外しの際、万が一のケースも考慮しバッテリーとマザーボードをつなぐZIFコネクタを取り外しておくといいかもしれません。
なお、dynabook P1-B2UY-DBのボトムカバーはこのようになっています。
ストレージやメモリが確認できます。
dynabook B2/B3/Y6のストレージ換装方法
では、ここからdynabook P1-B2UY-DBのストレージの交換方法について見ていきます。
まずは下図のうち、赤丸でマークした1つのプラスネジを取り外します。
すると、およそ45度くらいまでSSDが立ち上がるので、静かにSSDをdynabook P1-B3UB-DBの本体から引き抜きます。
この時、もしもSSDが立ち上がらない場合には、絶縁テープ(黄色い半透明のテープ)で固定されていないかどうか確認してください。
dynabook P1-B2UY-DBのスロットにおよそ45度の角度で挿入します。
その後、SSDを倒し、ネジを止めて固定します。
これで、SSDの交換は完了です。
dynabook B2/B3/Y6のメモリの増設方法
dynabook P1-B2UY-DBはDDR4-2400を1枚搭載できます。
▼ メモリを取り外す際は赤枠で囲ったロックアームをそれぞれ外側へと動かします。
そしてメモリが30度くらい起きたところで、メモリを引き抜きます。
なお、搭載されていたのはMicron社製のMTA4ATF51264HZ-3G2J1でした。
dynabook P1-B2UY-DBの公称スペックではDDR4-2400(PC4-19200)のはずで、確かにデータ転送レートは2400MHzで動作しているようですが、搭載されていたメモリモジュールそのものはDDR4-3200 (PC4-25600)でした。
取り付ける際には、取り外しとは逆の手順でスロットに差し込みます。
その後、カチッと言うまでメモリを倒します。
これでメモリの交換は完了です。
dynabook B2/B3/Y6のWi-Fiモジュールの交換について
dynabook P1-B2UY-DBに搭載されていたWi-FiモジュールはIntel Wireless AC 9560でした。
ただ、取り付けられていたのは9560D2Wで、9560NGWのようにm.2 2230ではありません。そのため、通常では取り外しは行えません。
作業を完了する
コネクターやケーブルの位置、異物の混入がないことを確認したら、ボトムカバーを取り付けて、先ほどと逆の手順で組み上げていきます。
ネジをすべて止めます。
お疲れ様でした。
dynabook P1-B2UY-DBを見てみる
さて、ここでもう少しdynabook P1-B2UY-DBを詳しく見ていきたいと思います。
ただ、ちょっと(このブログにしては珍しく)とても厳しいレビューかもしれません。
問題なくご利用頂いている方についてはご一読いただくには及びません。
このdynabook P1-B2UY-DBは恐らくSatellite Pro C50-Eをベースに作られていると思われ、マザーボードの設計に違いがあるものの、筐体や設計の思想自体は酷似しています。
また、dynabook T6/Kとは異なり、このdynabook B2は「dynabookらしさ」に乏しい印象です。
dynabook B2の筐体とキーボード
dynabook P1-B2UY-DBの天板です。全体的な質感は非常にチープです。
東芝dynabook時代にもSatelliteシリーズではチープな筐体がありましたが、それとはちょっと違うチープな雰囲気です。
キーボードも最近の格安パソコンのような質感で、雰囲気は株式会社マウスコンピューターから発売されていたm-Book MB-B503Eとよく似ているように思います。
dynabook P1-B2UY-DBの左側面です。
HDMIの出力ポート、USB 3.1(Gen1) Type-Aコネクタ、USB 3.1(Gen1) Type-Cコネクタがあります。
dynabook P1-B2UY-DBの右側面です。
microSDカードスロット、マイク入力/ヘッドホン出力端子、USB 3.1(Gen1) Type-Aコネクタ、、LAN(RJ45)コネクタ、セキュリティロック・スロットがあります。
そしてシステムインジケーターです。どうしてこうなった…。
Dynabook株式会社はしきりに「キーボードを重視しています」のような宣伝をしていますが、どういう事でしょうか?一応dynabookでスクリーンショットを撮るには「Fnキー+F10キー」で「切り取り&スケッチ」を立ち上げスクリーンショットを保存できます。が、dynabook B2にはシンプルなPrintScreenキー(PrtScキー)が見当たりません。確かにキーのマッピングで無理やり割り当てることはできますが、面倒すぎます。
筐体やキーボードはとても残念です。
dynabook B2のパーツとソフト
dynabook P1-B2UY-DBに使用されていたパーツは次の通りです。
項目名 | パーツ名 |
USB Type-Cコントローラ | SlimPort®ANX7447 |
BIOS chip | 25Q128JVSQ |
udio IC | Realtek ALC256 |
機種名 | dynabook P1-B2UY-DB |
プレインストールOS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Celeron 5205U (2Core/2Thread 1.90GHz) |
メモリ | PC4-19200(DDR4-2400)4GB |
ストレージ | 128GB SSD |
ディスプレイ | 15.6-inch ワイド TFTカラーLED液晶 (ノングレア) (1,366×768) |
グラフィック | Intel UHD Graphics (プロセッサーに内蔵) |
無線LAN | Intel Wireless AC 9560 (9560D2W) (IEEE802.11a/b/g/n/ac) |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
恐らくWindows 11を動作させるにはギリギリのスペックです。
というのも、特にソフトを立ち上げていない状態でも、メモリが70%以上使用されています。
ブラウザでYouTubeを再生したり、Spotifyを起動させながらWordやExcelを使うなどをした場合にはこれだけでギリギリだと思います。これでGoogle ChromeやEdgeを使用して調べものをしながら資料作成を行えば、SSDにスワップしたり圧縮したりしながらやりくりすることになるでしょう。
ただ、CPU自体もそこまでワガママな要求が出来るほどの性能は難しいため、メモリ4GBのままの利用は難しいように思います。
例えば、今回のdynabook P1-B2UY-DBやP1-B2UH-EB、P1-B3UD-DBと言ったメモリが4GBの機種ではメモリの増設がおすすめなような気がします。
ちなみに、リカバリメディア作成ソフトなど、dynabook P1-B2UY-DBにインストールされていたユーティリティソフトは、東芝dynabook時代のUIと非常に似ていました。別に普段の使用には全く関係のないところですが、ちょっと嬉しいです。
また、価格としては6万円台くらいで販売されているにも拘わらず、Microsoft Office Home & Business 2021をバンドルしており、コストパフォーマンスに優れています。
まとめ
いかがでしょうか。
無事に作業は出来ましたか?
dynabook P1-B2UY-DBをチープな筐体と紹介しましたが、コストパフォーマンスに優れており、使用方法によってはとても使いやすいPCだと思います。
また、ボトムカバー自体はやや分解しづらいですが、隠しネジなどはなく、SSDやメモリの交換も簡単でメンテナス性にも優れています。dynabook P1-B2UY-DBやP1-B2UH-EBのようにメモリ4GB、SSDが128GBのモデルであれば、メモリの増設やSSDの換装を行うことで快適にご利用頂けるかと思います。
では、引き続き楽しいPCライフを!
なお、当ブログではWindows 11の最小要件を満たさないPCにWindows 11をインストールする方法はこちらで紹介しております。併せてぜひご覧ください!
2022.08.06 タイトルや本文中に謎な言葉が紛れていたため修正しました。
2022.08.03 元のストレージのデータをクローンする方法をまとめた記事へのリンクを追加しました。
2022.02.10 一部表記の変更と加筆、タグの追加を行いました。