古いMacも新しいmacOSで蘇る!OpenCore Legacy Patcherの特徴と使い方(メディア作成編)

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古いMacも新しいmacOSで蘇る!OpenCore Legacy Patcherの特徴と使い方(メディア作成編)

前のページではOpenCore Legacy Patcherの特徴や対応機種と用意するもの、安全性と注意点などを見てきました。
このページでは実際にOpenCore Legacy Patcherをダウンロードし、macOSのインストールメディアをUSBメモリやSDカードに作成していきます。

インストールメディアを作成する

では、いよいよ作業に移ります。
まずはOpenCore Legacy Patcherのインストールされたブート可能なmacOSのインストーラを作成していきます。

ブート可能なmacOSのインストーラを作成する

まずは、16GB以上の容量を持つUSBメモリを手元に用意します。

USBメモリに保存されているデータはこの作業により全て消えます。
大切なデータが入っている場合には必ずバックアップをしてください。
(また、ここで作成したインストールメディアはトラブル発生時に利用しますので、インストール完了後もフォーマットなどをせずに保管をおすすめします。)

USBメモリの準備ができたら忘れないうちにMacに取り付けましょう。

Macに別のストレージ(USBメモリや外付けHDDやSSD、SDカードなど)が取り付けられている場合には、安全に取り外すことをおすすめします。
これは操作や選択を誤ってデータの損失を防ぐ目的があります。

MacにUSBメモリを挿入した様子
MacにUSBメモリを挿入した様子

OpenCore Legacy Patcherをダウンロードする

次にOpenCore Legacy Patcherをダウンロードします。
OpenCore Legacy Patcherは使用するバージョンによりUI(ユーザインタフェース≒デザイン)が異なります。この記事では0.6.6以降を使用していきます。

まずはGitHubより、最新のOpenCore Legacy Patcherをダウンロードします。

こちらのページ(Releases · dortania/OpenCore-Legacy-Patcher · GitHub)を開き、下にスクロールします。

▼ Assetsにある「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」をクリックし、ダウンロードします。

▼ 「Assets」が展開されていない場合には、赤枠で囲った部分をクリックし、利用可能なファイルをダウンロードします。

▼ ダウンロードする際に許可を求められたら「許可」をクリックします。

▼ ダウンロードが完了するとOpenCore Patcher.app が出現しますので、実行します。
この時、「”OpenCore-Patcher”はインターネットからダウンロードされた…」と表示されたら「開く」をクリックします。

※ ZIPファイルが自動的に展開されない時はダウンロードした「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」を手動で展開してください。


▼ OpenCore Legacy Patcherが立ち上がったら、「Create macOS Installer」を選択します。

作業を行っているMacとインストールするMacが異なる場合

この作業を行っているMacとインストールするMacが異なる場合(例えば、macOS VenturaをMacBook Pro 2013にインストール予定で、この作業はMacBook Pro 2020で行っている、等)にはこちらの記事を参考に、インストール予定のMacをOpenCore Legacy Patcherに指定してください

現在、OpenCore Legacy Patcherで操作を行っているMacがインストールするMacと異なる場合には、「OpenCore Legacy Patcherで別のMac向けのブータブルメディアを作成する」を参考に、インストール先のMacのモデルをOpenCore Legacy Patcherに指定してください。

例)
インストール先 -> MacBook Pro (13-inch, Mid 2012) :MacBookPro9,2
現在作業中のMac -> MacBook Pro (13-inch, 2020, Four Thunderbolt 3 ports) :MacBookPro16,2

▼ 今回はmacOSのインストーラを新しくダウンロードしたいので「Download macOS Installer」をクリックします。

既にインストールしたいmacOSのダウンロードが完了している場合

既にインストールしたいmacOSのフルインストーラがダウンロードされており、それがアプリケーションフォルダに格納されている場合には、次の手順でインストーラのダウンロードをスキップできます。

▼ OpenCore Legacy Patcherのメインメニューで「Create macOS Installer」を選択した後「Use existing macOS Installer」ボタンをクリックします。

▼ アプリケーションフォルダにあるフルインストーラがスキャンされ、使用できるmacOSのバージョンが表示されますので、インストールメディアを作成したいバージョンをクリックします。

▼ アプリケーションフォルダ内に複数のバージョンが保存されている場合には複数のバージョンが表示されますので、選択する際はバージョンをご確認の上選択してください。

なお、ここで、なにも表示されない場合には、OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOSのフルインストーラをダウンロードする必要があります。

▼ ダウンロード可能なリストが表示されるまでしばらく待ちます。

▼ ダウンロード可能なリストの準備が完了すると、OpenCore Legacy PatcherがサポートしているmacOSのうち、それぞれの最新のバージョンが表示されます。

  • macOS Big Surをインストールしたい方は 「macOS 11」から始まるボタン
  • macOS Montereyをインストールしたい方は 「macOS 12」から始まるボタン
  • macOS Venturaをインストールしたい方は 「macOS 13」から始まるボタン
  • macOS Sonomaをインストールしたい方は 「macOS 14」から始まるボタン

をクリックしてください。

「Potential Issues」と表示される場合

macOS Ventura以降をダウンロードされる方のうち、2011年以前(Mac Proは2012以前)のモデルをご利用される場合には「Potential Issues」(潜在的な問題)と表示されます。

これは、macOS VenturaでUSB 1.1のサポートが終了したためで、macOSのインストール時はUSB1.1のポートや、内部的にUSB 1.1で接続されたデバイス(トラックパッドやキーボード)などが動作しません。
インストール完了後、ルートパッチをインストールすることで、これらの機能を回復させることが可能ですが、macOSのインストール時にはUSBマウスやUSBキーボード(Mac Pro 2012以前の場合で、前面のポートを使用する場合にはUSB 2.0のハブを用意する)などの準備が必要です。

詳しくは「【暫定版】2012以前の古いMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaをインストールする方法」をご覧ください。

▼ このままダウンロードを行うには「Download Anyways」をクリックします。

なお、表示されている内容は次の通りです。

Your model (MacBookPro7,1) may not be fully supported by this installer. You may encounter the following issues:
Lack of internal Keyboard/Trackpad in macOS installer.
For more information, see associated page. Otherwise, we recommend using macOS Monterey

お使いのモデル(MacBookPro7,1)は、このインストーラーで完全にサポートされていない可能性があります。以下の問題が発生する可能性があります:
macOSインストーラに内蔵キーボード/トラックパッドがない。
詳しくは関連ページをご覧ください。それ以外の場合は、macOS Montereyの使用をお勧めします。

その他のバージョンをダウンロードしたい方は

通常上記の操作ではOpenCore Legacy Patcherがサポートしている各macOSの最新バージョンのみを表示しています。

現在入手可能な別のバージョンをダウンロードしたい場合には以下の以下の操作を行ってください。

▼ 赤枠で囲った「Show all available installers」ボタンをクリックします。

▼ すると、ベータ版含む利用可能なバージョンが表示されます。

▼ ダウンロードが始まりました。

およそ12GB程度のデータをダウンロードすることもあり、環境によってはダウンロード完了までに時間が掛かる場合があります。

この後のUSBメモリにmacOSのイメージを書き込む際にはさらに多くの時間が必要です。
その為、この時間を利用して、余裕があれば休憩の準備や、次のステップを確認することをおすすめします。

まだインストールメディアにしたいUSBメモリを挿入していない場合には、そろそろMacに取り付けておいてもいいかもしれません。

▼ ダウンロードしたデータに誤りがないかの確認作業(ベリファイ)が始まります。

▼ ダウンロードの終盤にMacのパスワードを求められます。パスワードを入力して「OK」をクリックします。

▼ macOSインストーラの展開が始まり、アプリケーションフォルダにInstallAssistant.pkgがコピーされます。

▼ 「Create macOS Installer?」と表示されたらダウンロード完了です。
このまま作業を続行しますので、「Yes」をクリックします。

すると、アプリケーションフォルダにあるmacOSのフルインストーラの探索が始まります。

▼ 画面が切り替わり、今ダウンロードしたバージョンのボタンが表示されますのでクリックします。(この例だとmacOS Ventura 13.5)

▼ 既にアプリケーションフォルダに別のバージョンのmacOSのインストーラがある場合には、それも表示されるので、インストールメディアを作成したいmacOSのバージョンを選びます。

インストーラが複数あると、それも表示される

▼ そして今回ブータブルメディアを作成するUSBメモリを選択します。
(USBメモリの中に入っているデータ消えますので、必ずデータはバックアップしておいてください。)

下図のように複数のストレージが表示されている場合には、誤って別のストレージを選択しないように注意します。

▼ 「Confirmation」(確認)と表示されます。

Are you sure you want to erase ‘USB DISK 3.0’?
All data will be lost, this cannot be undone.

本当に「USB DISK 3.0」を消去しますか?
すべてのデータが失われます。元に戻すことはできません。

問題がなければ「Yes」をクリックします。

▼ USBメモリやSDカードにmacOSのインストーラが書き込まれる直前に、Macのパスワードを求められます。入力して「OK」をクリックします。

▼ ここまでお疲れ様です!素晴らしいです!
この作業か完了するまで暫く時間が掛かるので、軽く休憩をしましょう。

ちなみにかぼしー(筆者)、Twitterやってます。フォローいただけるとOpenCore Legacy Patcher関連のアップデートやPlats.appの開発の最新情報をいち早くチェックいただけます!

▼ USBメモリやSDカードへの作業の終盤には書き込んだファイルに破損がないか確認作業(ベリファイ)が行われます。Macがスリープにならないように注意しながら今しばらくお待ちください。

Successfully created the macOS installer!」と表示されたらUSBインストールメディアの作成が完了です。まだ最後のステップが残っています!

次のページではUSBメモリにOpenCore Legacy Patcherをインストールする方法を紹介しています。