「OpenCore Legacy Patcherの最新バージョンを一足先に試したい!」という方にピッタリの記事です。
古いMacに最新のmacOSをインストールすることが可能なOpenCore Legacy Patcherは、熱心な開発者の皆様によって日々進化しています。
この記事ではOpenCore Legacy Patcherの新しいバージョンがリリース(公開)される前に、OpenCore Legacy Patcherを手動でビルドし、いち早く使用する方法について解説します。
目次
- OpenCore Legacy Patcherを手動でビルドするメリット
- OpenCore Legacy Patcherをビルドする方法
- 【手軽】OpenCore Legacy Patcherのナイトリ―ビルドをダウンロードする方法
- まとめ
OpenCore Legacy Patcherを手動でビルドするメリット
OpenCore Legacy Patcherは新しい機能が追加されテストが終了するとOpenCore Legacy PatcherのGitHub上で公開されます。
それなのになぜ手動でOpenCore Legacy Patcherをビルドするのでしょうか?
OpenCore Legacy Patcherは正式リリースの前に「アーリービルド」を配信することがあります。
このOpenCore Legacy Patcherのアーリービルドを使用することで、OpenCore Legacy Patcherの新しいバージョンに含まれる新機能をいち早く利用することが可能になります。
例えば、OpenCore Legacy Patcher 0.5.4では、今までmacOS Venturaをインストールすることが出来なかった(または推奨されなかった)2011年以前のMacのサポートが追加されますが、このリリースは1月の後半とされています。
これを手動でビルドすることで、今から試すことが可能になるのです。
OpenCore Legacy Patcherをビルドする方法
OpenCore Legacy Patcherをビルドするには事前にMacに対しPython 3.6以降をインストールする必要があります。
また、このPython 3.6はpython.orgが提供しているものである必要があるようです。
OpenCore Legacy Patcherの公式Manualはこちらにございます。
Pythonをインストールする
以下の記事の「公式サイトよりインストーラをダウンロードし、インストールする」項を参考にインストールを行ってください。
ちなみに、執筆時点(2023年1月8日)ではOpenCore Legacy PatcherのリリースにはPython 3.9が使用されているという記載があり、Python 3を新規にインストールされる方は、Python 3.9を選択するのがよさそうです。
参考>> MacにインストールされているPythonのバージョンを確認する方法とインストール
OpenCore Legacy Patcherを実行する
Python 3.6以降のインストールが出来たらいよいよOpenCore Legacy Patcherをビルドしていきます。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
# プロジェクトを保存するディレクトリを作成する
mkdir ~/Developer
# プロジェクトを保存するディレクトリに移動する
cd ~/Developer
# リポジトリをクローンする
git clone https://github.com/dortania/OpenCore-Legacy-Patcher
# プロジェクトのディレクトリに移動
cd ./OpenCore-Legacy-Patcher
# プロジェクトで使用される Python 依存関係をインストールする
pip3 install -r requirements.txt
OpenCore Legacy Patcherを立ち上げる
ここまでの作業が出来たら、Python3からOpenCore Legacy Patcherのソースコードを呼びだすだけで利用することが可能です。
GUI版を使用するには「OpenCore-Patcher-GUI.command」を呼びだします。
# Launch GUI
python3 OpenCore-Patcher-GUI.command
TUI版を使用するには「OpenCore-Patcher.command」を使用します。
# Launch TUI
python3 OpenCore-Patcher.command
なお、OpenCore-Patcher.commandはTUIの他、CLIを呼びだす際にも利用できるそうです。
OpenCore-Patcher.commandに対し、引数を渡すとCLIが開始されます。
# Launch CLI
python3 OpenCore-Patcher.command --build --model iMac12,2 --verbose
OpenCore Legacy Patcherのビルド済みバイナリの生成する
以上の操作で、簡単にOpenCore Legacy Patcherを立ち上げることが可能です。
しかし、この方法では別のMacで使用する際には再度Python3のインストールが必要になります。
PythonのインストールをしなくてもOpenCore Legacy Patcherを実行できるようにするにはビルド済みのバイナリを生成します。
ターミナルを立ち上げ、以下のコマンドを実行します。
# Install PyInstaller
pip3 install pyinstaller
# Move into project directory
cd ~/Developer/OpenCore-Legacy-Patcher/
# Create the pyinstaller based Application
# Optional Arguments
# '--build_tui': Create TUI vairant
# '--reset_binaries': Redownload and generate support files
python3 Build-Binary.command
# Open build folder
open ./dist/
ビルドが完了すると、「~/Developer/OpenCore-Legacy-Patcher/dist/」にOpenCore-Patcher.appが作成されます。
お疲れさまでした!
【手軽】OpenCore Legacy Patcherのナイトリ―ビルドをダウンロードする方法
OpenCore Legacy PatcherはPython 3から「OpenCore-Patcher.command」を呼びだすだけで簡単に使用できますが、工数が多く難しい印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。
以下のページではGitHubからOpenCore Legacy Patcherのナイトリ―ビルドをダウンロードする方法と注意点を解説しております。
まとめ
ここまで、OpenCore Legacy Patcherを自前でビルド、またはソースコードからOpenCore Legacy Patcherを立ち上げる方法について紹介しました。
安定を求めるのなら正式リリースをお待ちいただけたらと思いますが、いち早く新しいバージョンのOpenCore Legacy Patcherを試したい方には有効な手段です。
それでは引き続き楽しいMacライフを!
弊ブログ(あのかぼ)含む、Kabocy Mediasグループ内では、引き続きmacOS VenturaとOpenCore Legacy Patcherの最新情報をお届けいたします。
2023.01.16 記事内のリンクを修正しました。(8件)
2023.01.16 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。
2023.01.15 「【手軽】OpenCore Legacy Patcherのナイトリ―ビルドをダウンロードする方法」項を追加しました。
2023.01.14 表記の修正とビルド済みのアプリケーションの出力先などを追記しました。