今回はmacOS Big Surが非対応のMacに、OpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法を紹介します。
ちなみに、この記事は昨年公開した「macOS Big Sur非対応機種にOpenCore Legacy Patcherを使ってインストールする(メディア作成編)」の改訂版となります。
主な改定個所は、OpenCore Legacy Patcher 0.4.0以降の新しいGUI版を使用して、インストールメディアを作成するという点です。
とはいえ、前の手法も引き続き利用できるので、従来の方法(主にCUIでの操作)でインストールメディアを作成したい方は、ぜひ前の投稿をご覧ください。
(※ OpenCore Legacy Patcher 0.6.6 以降ではUI(画面レイアウト)が変更されました。詳しくはこちら)
目次
この記事の目次
- はじめに-諸注意とサポート-
- macOS Big Surのハードウェア要件
- OpenCore Legacy Patcher の対応機種
- OpenCore Legacy Patcherとは
- 作業の際必要なもの、用意するもの
- インストールの準備をする
次回以降の目次
はじめに-諸注意とサポート-
諸注意
この度は当ブログにアクセス頂きまして誠にありがとうございます。
この記事の本編に行く前に少しだけ注意事項を紹介いたします。
この記事で行っているのは「サポート対象外の機種にmacOS Big Surをインストールする」ことです。つまり、Appleのサポートは受けられません。
またこの記事または当ブログで紹介している全ての記事をもとに生じたあらゆる損害に対して当ブログ及び筆者は何ら責任を負わない旨合わせてご承知おき頂きますようお願いいたします。
サポート
もしインストール作業に躓いてしまったら、「機種」と「トラブルの内容」(失敗してしまった部分など)をつけて、是非お気軽に該当記事のコメント欄やTwitterにてお問い合わせください。
筆者もOpenCore Legacy Patcherは探りながら作業しておりますので、答えられる部分は限られるかもしれませんが、一緒に悩みます。
もし、このブログをご閲覧中の方で「こうすればいいんじゃない?」や「これでうまくいった」など、貴重な体験談やアイディアがあればどうぞお気軽にコメントをお寄せください。併せてよろしくお願いいたします!
そして、ぜひこの記事でインストールが無事に成功された方は、ぜひ「このMacでインストールができたよ!」などお寄せいただけると、筆者はとても喜びます。
詳しくはAbout Usをご覧ください。
是非一緒に楽しみながら頑張りましょう!
一番読み飛ばされそうな部分ですが、お読みいただきありがとうございました。
インストールが無事に完了することを心より祈念申し上げます。ファイトです!
macOS Big Surのハードウェア要件
まずは一応macOS Big Sur が公式にサポートされているMacを確認しておきましょう。
Apple macOS – アップグレード方法より)
・ MacBook(2015以降)
・ MacBook Air(2013以降)
・ MacBook Pro(Late 2013以降)
・ Mac mini(2014以降)
・ iMac(2014以降)
・ iMac Pro(2017以降)
・ Mac Pro(2013以降)
概ねラップトップ型は2013年以降、デスクトップ、一体型については2014年以降に発売されているMacならmacOS Big Surをインストールができるようです。
OpenCore Legacy Patcher の対応機種
OpenCore Legacy Patcher を利用できる機種は下記の通りです。
(Dortania https://dortania.github.io/OpenCore-Legacy-Patcher/MODELS.html より意訳と編集)
- MacBook(Early 2008以降)
- MacBook Air(Late 2008以降)
- MacBook Pro(Early 2008以降)
- Mac mini(Early 2009以降)
- iMac(Mid 2007以降)
- Mac Pro(Early 2008以降)
- Xserve (Early 2008以降)
dosdude1氏が開発していたCatalina Patcherと比べて、MacBook の対応が1つ広くなっている気がします。iMacについてはSSE4.1をサポートしているCPU、つまりT9300やT9500などのPenryn世代のCore 2に換装することによって導入が可能です。これはCatalina Patcherと同じですね。
ちなみに、残念ながらOpenCore Legacy Patcherの対象外のMacをご利用中の方、まだ諦めないでください。
macOSがダメでも、最新のWindows 11をインストールすることができるかもしれません。
OpenCore Legacy Patcherとは
今回有り難く使わせて頂きますのは、OpenCore Legacy Patcherです。
このOpenCore Legacy Patcherの開発の母体はOpenCoreです。
OSSで開発されているブートローダーで、Hackintoshをされている方にはお馴染みですね。
そんなある意味、非常に由緒正しい(?)プロジェクトですが、サポートが切れてしまったMac向けに作られたのが、このOpenCore Legacy Patcherというわけです。
macOS Big Surが対応しないMacにBig SurをインストールするプロジェクトはOpenCore Legacy Patcher以外にもPatched Surなどがありますが、このOpenCore Legacy Patcherはよりセキュアに利用することができるのが特徴です。
作業の際必要なもの、用意するもの
- インストールをするMac
- 16GB以上のUSBメモリ
インストールの準備をする
では、macOS Big Sur の非対応機種にBig Sur をインストールするべく、インストールメディアの準備を行っていきます。
インストールメディアを作成する
まずは、16GB以上の容量を持つUSBメモリを手元に用意します。
このUSBメモリはこの作業によってデータが消えますので、もしも大切なデータが入っている場合にはあらかじめバックアップをお願いします。
せっかくなので、忘れないうちにMacにUSBメモリを挿入しておきましょう。
誤って、別のUSBメモリをフォーマットするとデータの損失に繋がるので、できれば今回の作業に使わないUSBメモリは予め取り外しておくとよいでしょう。
OpenCore Legacy Patcher(GUI版)をダウンロードする
ではOpenCore Legacy Patcher Releases よりGUI版のOpenCore Legacy Patcherをダウンロードし、展開します。
OpenCore Legacy Patcher Releasesを開きます。Assetsにある「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」をクリックし、ダウンロードします。
▼ もしも、ダウンロードする際に許可を求められたら「許可」をクリックします。
そして、先ほどダウンロードしたzipファイルを展開するとOpenCore Patcher.app が出現しますので、実行します。
この時、「”OpenCore-Patcher”はインターネットからダウンロードされた…」と表示されたら「開く」をクリックします。
OpenCore Legacy Patcherが立ち上がったら、「Create macOS Installer」を選択します。
(※ OpenCore Legacy Patcher 0.6.6 以降ではUI(画面レイアウト)が変更されました。詳しくはこちら)
▼ 今回はmacOSのインストーラをダウンロードしたいので「Download macOS Installer」をクリックします。
しばらく待ちます。
すると現在ダウンロード可能なmacOSのバージョンが一覧で出力されます。
ここで出力されたものの中から、ダウンロードしたいバージョンのボタンをクリックすることで入手することができます。この例ではmacOS Big Surをダウンロードしますので、「macOS 11.x.y」から始まるものをクリックします。(ここでは、macOS Big Surでは一番最新のmacOS 11.6.5をクリックしました。)
ダウンロードが始まりました。
環境によっては時間がかかるので、余裕があれば休憩の準備をしておきましょう。
(次のステップはもうちょっと時間がかかるかもしれませんので。)
もしも、まだインストールメディアにしたいUSBメモリを挿入していない場合には、そろそろMacに取り付けておいてもいいかもしれません。
ダウンロードの終わりに、Macのパスワードを求められます。パスワードを入力して「OK」をクリックします。
▼ 「Finished Installing macOS 11.x.y (ビルド番号)」と表示されたらダウンロード完了です。
「Flash Installer」というボタンになっていることを確認してクリックします。
▼ 「Finished Downloading macOS 12.x.y (ビルド番号)」と表示されていても「Return to Main Menu」になっている時は、「Flash Installer」というボタンになるまで待ちます。
画面が切り替わり、今ダウンロードしたバージョンのボタンが表示されますのでクリックします。(この例だとmacOS Big Sur 11.6.1)
もしも既にアプリケーションフォルダに別のバージョンのmacOSのインストーラがある場合には、下図のようにそれも表示されるので、必ずインストールメディアを作成したいmacOSのバージョンを選びます。
そして、今回ブータブルメディアを作成するUSBメモリを選択します。
(USBメモリの中に入っているデータ消えますので、必ずデータはバックアップしておいてください。)
Macのパスワードを求められます。入力して「OK」をクリックします。
ここまでお疲れ様です!素晴らしいです!
少し時間が掛かるので、軽く休憩をしましょう。
そそ、ちなみに筆者、Twitterやってます。「ブログ見てフォローしました!」なんて言われたらすごく喜びます。ぜひフォローしてください!ありがとうございます!
▼ 「Success」と表示されたらインストールメディアの作成が完了です。
「Return to Main Menu」をクリックしてトップメニューに戻ります。
OpenCore Legacy PatcherをUSBメモリにインストールする
無事にインストールメディアが完成したので、次にUSBメモリにOpenCore Legacy Patcherをインストールします。
「Build and Install OpenCore」をクリックします。
そして、「Build OpenCore」と記載のあるボタンをクリックします。
▼ 「Install OpenCore」というボタンに変わったら、「Install OpenCore」をクリックします。
そして、今インストールメディアの作成に使用したUSBメモリをクリックします。
(この例だと、「disk2 – TransMemory – 31.0 GB」です。)
そして、「diskXs1 – EFI」をクリックします。(Xの部分は環境により異なります。)
パスワードを求められたら、Macのパスワードを入力し、「OK」をクリックします。
「- OpenCore transfer complete」と出力されたら「Return to Main Menu」をクリックして作業は完了です。
お疲れさまでした!
ここまでの作業で、インストールに必要な準備が整いました。
現環境のバックアップを見直して、次回、実際にmacOS Big Sur をインストールしていきます。
では!次の記事でお会いしましょう!
お疲れさまでした!
2023.10.19 古い投稿へのリンクを削除しました。
2023.10.12 打消し線の追加、一部表記を修正しました。
2023.08.13「OpenCore Legacy Patcher 0.6.6 以降の新UIに対応した改訂版の記事」について追記しました。
2023.05.26 「OpenCore Legacy Patcher 0.6.6 以降の新UI」について追記しました。
2023.01.16 目次のタグを修正しました。
2023.01.16 記事内のリンクを更新しました。
2023.01.16 記事内のリンクを修正しました。(16件)
2023.01.16 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。
2022.11.11 補足を追加しました。
2022.03.19 画像を追加しました。
2022.03.18 画像の差し替えと、解説を追加しました。