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macOS 12.7.4と13.6.5へのアップデートでOCLPユーザのうち一部の環境でWi-Fiが利用できなくなるトラブルが発生

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macOS 12.7.4と13.6.5へのアップデートでOCLPユーザのうち一部の環境でWi-Fiが利用できなくなるトラブルが発生

米Appleは3月7日、macOS Sonoma 14.4とともに複数の脆弱性に対処したmacOS Monterey 12.7.4とmacOS Ventura 13.6.5をリリースしました。これらの更新はAirportやKernel、Intel グラフィックスドライバーなど広域に及ぶセキュリティ的な問題点の解決を目的としていますが、この変更がOpenCore Legacy Patcher (OCLP)を使用してmacOS をインストールしている方に影響を及ぼす可能性をOCLPを開発するドルタニアが発表してます。

macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5をインストールするとWi-Fiが利用できなくなる?

3月7日に公開されたmacOS Sonoma 14.4ではMetal APIを利用できないGPUを搭載したMacのサポートがOCLP 1.4.0やそれに続いて公開されたOCLP 1.4.1で提供されず、OCLPで非Metal Macのサポートが完了するまでアップデートを見合わせるようにドルタニアはGitHub上で発表しました。

そして、OCLP 1.4.0のリリース後、直後にリリースされた特定のモデルへのサポートを強化したOCLP 1.4.1ではユーザへの警告の範囲が拡大。Appleより同日にリリースされたmacOS Monterey 12.7.4とmacOS Ventura 13.6.5の変更により、古いWi-Fiモジュールに対するパッチ、レガシー ワイヤレス パッチ (Legacy Wireless patches) が利用できなくなると発表し、ユーザに対して同パッチが必要なMacの場合、アップデートを見合わせるように要請しました。

App Storeで表示されたmacOS Montereyの詳細

macOS Monterey 12.7.4とmacOS Ventura 13.6.5で発生する問題の他、3月7日に公開されたmacOS Sonoma 14.4でもWi-Fiの自動接続に関する問題などがあります。

macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5へのアップデートで影響を受けるWi-Fiモジュール

レガシー ワイヤレス パッチが利用できなくなったために影響を受けるWi-Fiモジュールは以下の通りです。主に、macOS Montereyで利用できなくなったワイヤレスモジュールが中心です。

  • Atheros 全モデル
  • Broadcom BCM94322, BCM94328

上記のWi-FiモジュールはOpenCore Legacy Patcher 1.4.0、1.4.1ではmacOS Monterey 12.7.4とmacOS Ventura 13.6.5での変更を受けてレガシー ワイヤレス パッチが利用できなくなったため、macOS を更新するとWi-Fiが利用できなくなります。

macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5へのアップデートを見合わせる必要があるMac

リストからも分かるようにこの影響を受けるのは主に2009~2011年モデルのMacです。

  • iMac (Mid 2011): iMac12,x 以前
  • Mac mini (Late 2009): Macmini3,1 以前
  • Mac Pro (Mid 2010): MacPro5,1 以前
  • Mac Pro Server (Mid 2010): MacPro5,1 以前
  • MacBook (Early 2009): MacBook5,x 以前
  • MacBook Air (Mid 2009): MacBookAir2,1 以前
  • MacBook Pro (13-inch, Mid 2010): MacBookPro7,1 以前

ただし、macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5にはセキュリティ的な脆弱性に対処する多数の変更が盛り込まれており、更新の適用や延期に関してはそれぞれの重要性に照らし合わせて判断いただきたいと思います。

また、macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5への更新を見合わせるようにドルタニアが要請しているのは、上記のWi-Fiモジュールを搭載したMacに限られます。上記以外のMacや上のリストにあるMacでもWi-Fiモジュールを換装している場合にはこの限りではありません。

別の見分け方

一般的には使用しているモデルや搭載しているWi-FiモジュールからmacOS 12.7.4とmacOS 13.6.5へアップデートするかを判定することがベストかと思いますが、OpenCore Legacy Patcherのルートパッチをアップデート/インストールする際に表示される適用されるパッチからも確認することが可能です。

▼ 利用できるパッチのリストのうち、「Legacy Wireless」が含まれる場合にはmacOS 12.7.4とmacOS 13.6.5へアップデートするとWi-Fiが利用できなくなります。

MacBookPro7,1: MacBook Pro (13-inch, Mid 2010)の例

▼ 利用できるパッチのリストに、「Modern Wireless」が含まれる場合「Legacy Wireless」がない場合にはこの問題に該当しません。

Macmini7,1: Mac mini (Late 2014)の例

ただし、既にOpenCore Legacy Patcher 1.4.1など、最新のOCLPのルートパッチを適用している場合には「All applicable patches already installed」と表示され、識別ができません。上のMacのモデルや搭載されるWi-Fiモジュールから判断するようにしてください。

今後「Legacy Wireless patches」はOCLPでサポートされるのか?

macOS 12.7.4とmacOS 13.6.5で加えられた変更により比較的広域でWi-Fiに関するトラブルが発生しています。特にmacOS 14.4で発生している非Metal Macに関する問題も含めると、今回のAppleの更新により2011年以前のMacではOCLPのサポートの欠如が多く思います。

この一連のトラブルは果たして今後解決され、従来通り古いMacでも最新の状態で使い続けることは可能なのでしょうか?

OpenCore Legacy Patcherはこの問題に対し、次回の更新で修正すると発表しており、この問題を解決するべく開発を続けています。

特に、執筆時点では「macOS 12.7.4 および 13.6.5 でのレガシー ワイヤレスの Wi-Fi サポートを解決する」というものが次期OpenCore Legacy Patcherのチェンジログから確認できます。

現時点で次期OCLPのリリース時期は不明なものの、今発生している問題に対し、OpenCore Legacy Patcherはサポートを復活させるべく作業を続けています。

なお、次期OpenCore Legacy Patcherの正式リリース前に、ナイトリ―ビルドで最新のOCLPを試したい方はこちらの記事 (【正式リリース前に新機能を試したい!】OpenCore Legacy Patcherのナイトリ―バージョンをダウンロードする方法)をぜひご覧ください。

まとめ

ここまでmacOS 12.7.4と13.6.5へのアップデートやインストールで発生する可能性のあるWi-Fiが利用できなくなる問題について詳しく解説してきました。この問題は2009年から2011年モデルで主に発生します。

既にこの問題に関してOpenCore Legacy Patcherは対処するべく開発を進めており、次期バージョン以降で解決するものと思われます。

▶ OpenCore Legacy Patcher に関するニュースや更新は弊ブログ(あのかぼ)と「おんかぼ」、筆者X (旧Twitter)でお知らせいたします。

各種リンク

以下はこの記事の執筆のために参照したサイトと、OpenCore Legacy Patcherを使用する際に便利なページです。

▼ 以下はApple より公開されている今回のリリースのセキュリティコンテンツの詳細です。

▼ OpenCore Legacy Patcherのダウンロードや詳細

▼ OpenCore Legacy Patcherの使い方や技術的な解説