OpenCore Legacy Patcher ユーザの皆様、3月7日にリリースされたmacOS Sonoma 14.4へのアップグレード/新規インストールには注意が必要かもしれません。OpenCore Legacy Patcher (OCLP)を開発するドルタニアはGitHub上でmacOS Sonoma 14.4にアップグレードする際の注意点などを公開しました。
この記事では現在までに判明しているOCLPとmacOS Sonoma 14.4に関連した問題点や注意点をまとめました。
目次
- 非Metal MacはmacOS Sonoma 14.4以降へのアップグレード/インストールに要注意
- macOS Sonoma 14.4以降へのアップグレード/インストールには必ずOCLP 1.4.0以上を使用する
- macOS Sonoma 14.4ではWi-Fiの自動接続に問題が発生する可能性も
- もしかしたら2009年~2011年モデルでWi-Fiが利用できなくなる問題があるかも
- OpenCore Legacy Patcher のダウンロードするには
非Metal MacはmacOS Sonoma 14.4以降へのアップグレード/インストールに要注意
執筆時点で最新のOpenCore Legacy Patcher 1.4.1 (1.4.0) はmacOS Sonoma 14.4で変更されたハードウェアサポートを目的としてリリースされました。
これにより、多数のMetal GPU、Wi-Fiモジュール、T1 セキュリティチップのサポートが復活し、macOS Sonoma 14.4でも多くのMacが引き続き快適に利用できます。
ただし、OpenCore Legacy Patcher 1.4.1 (および1.4.0)ではmacOS Sonoma 14.4でのMetal APIを利用できないGPUを搭載したMacのサポートがされていません。そのため、当面の間、これらのMetal APIが利用できないGPUを搭載したMacではmacOS 14.4へのアップデートやインストールはお控えください。
ただし、OpenCore Legacy Patcherを開発するドルタニアは非Metal GPUのサポートを再度提供するため開発に取り組んでおり、恒久的にサポートされないわけではありません。
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macOS Sonoma 14.4へのアップデート/インストールを控えるべきMac
OpenCore Legacy PatcherがmacOS 14.4以降で非Metal MacをサポートするまではmacOS Sonoma 14.4の導入はお控えください。
▼ この問題に該当するMacは以下の通りです。※ 注意1, ※ 注意2
- MacBook5,1 – MacBook7,1 (Early 2008 – Mid 2010)
- MacBookAir2,1 – MacBookAir4,x (Mid 2008 – Mid 2011)
- MacBookPro4,1 – MacBookPro8,x (Late 2008 – Late 2011)
- iMac7,1 – iMac12,x (Mid 2007 – Mid 2011)
- Macmini3,1 – Macmini5,x (Early 2009 – Mid 2011)
- MacPro3,1 – MacPro5,1 (Early 2008 – Mid 2012)
※ 注意1: 上記以外のMacでも非Metal GPUを搭載しているMacの場合にはmacOS 14.4へのインストールをお控えください。
※ 注意2: 上記のMacでもMetal 対応GPU に換装している場合にはmacOS 14.4をインストールできます。
上記のMacではGPUにMetal APIが利用できないモデルが搭載されている可能性があります。
ただし、Mac ProやiMacでGPUをMetal API対応GPUに換装している場合にはmacOS Sonoma 14.4へアップデートすることができます。
影響を受けるGPU
ベンダー | アーキテクチャ | 世代 |
---|---|---|
AMD | TeraScale 1 / TeraScale 2 | 2000 – 6000 シリーズ |
Nvidia | Tesla | 8000 – 200 シリーズ |
Nvidia | Maxwell / Pascal | 900 – 1000 シリーズ |
Intel | Iron Lake | HD シリーズ |
Intel | Sandy Bridge | HD 3000 シリーズ |
macOS Sonoma 14.4以降へのアップグレード/インストールには必ずOCLP 1.4.0以上を使用する
非Metal Macを使用しているユーザ以外でmacOS Sonoma 14.4へアップデートする場合には、事前にOpenCore Legacy Patcher 1.4.0以上にアップデートしてから作業に当たってください。
OCLP 1.4.0ではmacOS Sonoma 14.4向けの多くのハードウェアへのパッチや、Macの動作を安定化させる変更 (OpenCorePkgの更新)などが含まれています。
予期せぬトラブルを防止するためにも、macOS をアップデートする前に、OCLPのアップデートを先に行ってください。
OpenCore Legacy Patcher 1.4.1のダウンロードはこちら
macOS Sonoma 14.4ではWi-Fiの自動接続に問題が発生する可能性も
OpenCore Legacy Patcher 1.4.0ではmacOS Sonoma 14.4以降に対処するべく開発されており、非Metal Mac以外では多くのモデルで快適に利用できます。特にOpenCore Legacy Patcher 1.4.0ではWi-Fiモジュールへの更新が含まれており、Wi-Fiが利用できるすべてのMacでこの恩恵を受けることができます。
しかし、OCLPを開発するドルタニアはmacOS Sonoma 14.4へのアップデート後、Wi-Fiの自動接続に問題が発生する可能性について言及。場合によってアップデート後にアクセスポイントとの自動接続が行えない可能性を発表しました。
この場合には一度Wi-Fiの接続設定を削除し、再度Wi-Fiの接続を行うように求めています。
もしかしたら2009年~2011年モデルでWi-Fiが利用できなくなる問題があるかも
Wi-Fiの自動接続に関する問題の他にも特定のMacでWi-Fiに関する問題が発生しているかもしれません。
今回のAppleからリリースされたmacOS 14.4やmacOS Ventura 13.6.5、macOS Monterey 12.7.4で含まれているCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)の修正により、2011年、2010年、2009年頃の古いMacにおいてレガシーWi-Fiパッチが機能しなくなっている可能性がOpenCore Legacy Patcherのコミュニティ内で複数のユーザが指摘しています。
既にOpenCore Legacy Patcherを開発するドルタニアはこの問題について認識しており、対策を検討しているとのことですが、Wi-Fiのみしか利用できない環境下では当面の間、macOS の更新は控えた方がよさそうです。
また、これに関連してか、別のユーザはmacOS のアップデートをしていないにも関わらず、OCLP 1.4.0へアップデートしたところWi-Fiが利用できなくなったと報告しています。このユーザはMacBookPro7,1: MacBook Pro (13-inch, Mid 2010)を使用しており、OSはmacOS Monterey 12.7.3を使用していると詳細なスペックを掲載しています。この例がエッジケースであるのか、他のユーザにも再現する可能性があるのかについては不明ですが、同構成のMacを使用しているユーザは注意が必要かもしれません。
OpenCore Legacy Patcher のダウンロードするには
OpenCore Legacy PatcherのダウンロードはOCLPプロジェクトのGitHubで配信されています。
執筆時点ではGitHubが唯一の公式配信元となっており、それ以外のミラーサイトなどからの入手は非推奨となっています。昨年、OpenCore Legacy Patcherの偽サイトができたことで、今後も偽サイトが出現する可能性があります。