さて、今回の記事で、このグラフィックボードのシリーズは完結となります。
ちょっと長めですが、お付き合いください。
目次
- 取り付けの準備
- 注意!iMac 27インチの液晶やガラスはデカくて重い
- iMac (27-inch, Mid 2011)を分解する!
- iMac (27-inch, Mid 2011)からGPUを取り外す
- 新旧のグラボを見比べる
- 組み立てとテスト
- 起動テストとOSのインストール
なお、今回の作業は4つの記事に分けられておりますので、併せてご覧ください。
- iMac 2011をMetal対応GPUにアップグレードして最新macOSをインストールする(準備編)
- iMac 2011をMetal対応GPUにアップグレードして最新macOSをインストールする(ヒートシンク加工編)
- iMac 2011をMetal対応GPUにアップグレードして最新macOSをインストールする(VBIOS書き込み編)
- iMac 2011をMetal対応GPUにアップグレードして最新macOSをインストールする(取り付け編) ← この記事
取り付けの準備
前回までの作業でGPUに特別な作業が出てくることはないはずです。
順当にいけば、このグラボをiMacに挿入すれば完成の予定です。
中々様になっています。
心配な場合には、Xクランプは絶縁テープ(ビニールテープ)で絶縁しておきましょう。
ヒートシンク側の温度計センサーが取れていないことを確認します。
さて、このグラボをiMacに取り付けていきましょう。
注意!iMac 27インチの液晶やガラスはデカくて重い
さて、ここからiMac 2011の分解が始まりますが、ここで、注意です。
iMac 27インチの画面は非常に大きく、重いです。
その為、取り外す際に気を付けて作業しないと、思わぬ事故やパーツの破損につながります。
と、そんなことをこのブログでは何度か書いておりますが、実際どれくらいの大きさなのか、写真を用意してみました。(暇か?)
実際に取り外してみた様子です。
これだとどれくらいの大きさなのか、想像が付きませんので・・・。
手近にありました、SSDさんをLCDさんの上に乗っけてみました。
2.5インチのSSDと比較してみると・・・。なんだか画面、小さく見えますね。
でも、大きいのです。それに、重いので…。注意して作業しましょう。
iMac (27-inch, Mid 2011)を分解する!
分解の方法は前の時に紹介した方法と同じです。
iMacの電源切り放電した後、メモリを抜き、下図白く囲ったあたりに吸盤を付けます。
iMac (27-inch, Mid 2011)からGPUを取り外す
このGPU(AMD Radeon HD 6770M (512MB GDDR5))を取り出します。
慎重に作業しましょう。
メモリを取り出せたら実際にマザーボードを取り外して(今回の作業では浮かべるまでにとどめました。)グラボを抜いてみましょう。
トルクスネジを外していきます。
赤い丸で囲ったトルクスネジを8本、黄色で囲ったトルクスネジをドライバーで抜きます。この時、ネジを無くさないのはもちろんのこと、ネジの配置なども記録し、保管しましょう。長さが違ったりします。
なお、スーパードライブ部分のトルクスネジ(青丸で囲ったねじ)を取るのは必須ではありません。
ロジックボードが干渉してしまう場合に取れば大丈夫かと思います。
ちょっと拡大してみました。
なお、この時、緑色の枠で囲いましたケーブルも形状に注意して取ってしまいましょう。
場合によっては画像と違う場合もあるかもしれません。
注意しながら取り外していきましょう。
また、Appleのロゴの後ろにある赤外線レシーバーも取っておきます。
グラフィックボードの後ろ側にもトルクスネジでロジックボードで留められていますので、外します。(画像撮れてないです。)
という訳で、外れましたね!(どういう訳?)
新旧のGPUを見比べる
せっかくなので、取り外したグラボと取り付けるグラボを見比べてみましょう。
PCBの色のせいか、イメージが変わりますね。
NVIDIA GeForce GTX 765M (2GB GDDR5)はMXM BでAMD Radeon HD 6770M (512MB GDDR5)はMXM Aです。
ちなみに、前の時(グラボ修理の時)にAMD Radeon HD 6970M (2GB GDDR5)とAMD Radeon HD 6770M (512MB GDDR5)を比較したときの画像はこんな感じでしたね。
組み立てとテスト
いよいよ、組み上げていきます。
間違っても、元のGPUを取り付けないで下さいね。
新しいGPUを取り付けつつ、組み上げていきましょう。
なお、完全に組み上げる前に、テストすることもできます。(オススメはできませんが・・・。)
(オススメはしませんが)各種ケーブル(最低限電源スイッチのケーブル)を繋ぎ、メモリを入れて、スイッチオン!
LEDが3つまで付けばGPUを認識しています。なお、デバッグLEDの意味はこちらをご覧ください。
また、組み立て作業を継続する場合には、よく放電をするようにしてください。
無事に取り付けが完了しました。
あとは、LCDを取り外しとは逆の手順で取り付ければ完成です。
起動テストとOSのインストール
ここまで来たら、OSをインストールしてみましょう。
起動させたときに、ややいつもより時間がかかる場合がありますが、これは正常です。
今回は、直接macOS Catalina Patcherでインストール、ではなく、macOS High Sierraをテストでインストール(& Boot ROMのアップデート)をしてCatalinaをインストールする戦法で行きます。
なんせ、例のこのiMacは例の4台目の物で、今までまともに起動させたことがなかったのです。
さて、OSを新規にインストールする際、別のMacでインストールメディアを作るのも手ですが、今回はこの一台しか使わないと思いますので、インターネットリカバリーを利用します。
option + command (⌘) + R を押しながら起動をして、
インストーラが立ち上がったら手順に従って。インストールを完了させましょう。
OSのインストールが完了しました。
キチンと、GeForce GTX 765Mの文字が確認できます。
@Nick [D]vB さんに感謝です。
現時点(2020年6月14日)では、画面の明るさを変えられないという問題はあります。
さて、ブートROMのバージョンを確認してみると、やはり古いバージョンが入っているようです。macOS CatalinaをインストールするときにはブートROMバージョンだけ挙げておきましょう。
ソフトウェア・アップデートから「セキュリティーアップデート」を選択してアップデートしましょう。
ブートROMを書き換えている最中は絶対に電源を切らないようにしましょう。
これで、準備完了です。
あとは、macOS Catalina Patcherを利用してmacOS Catalinaをインストールをすれば完了です。ちょっと長くなるので、過去記事をご覧ください。
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(メディア作成編)
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(インストール編)
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(パッチ適用編)
- macOS Catalina Patcherのよくあるトラブルと解決方法
終わりに
無事にインストールが完了しました。
これで、グラフィックアクセラレーションが有効となり、HD 6xxxシリーズで利用していた時に生じていた著しいパフォーマンスの低下を避けることが出来ました。
この調子でいけばまだまだiMacを使い続けていくことが出来そうです。
現時点で気になるのは、AirDropとApple Watch利用時の自動ロック解除が使えないこと。
これについても、また別の機会に紹介したいと思います。
それにしても、大半の時間はヒートシンクを削る作業に取られてしまいました。
この次に予定している、Wi-Fiモジュールの交換もやや面倒な部分はありますが、こちらを先に作業してしまえば、気持ち的には楽だと思います。
お疲れさまでした。
では、快適なMacライフを!
2022.02.10 タグの追加を行いました。