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FMV LIFEBOOK A553/Hのメモリ、ストレージ換装・増設手順

修理・カスタマイズ

FMV LIFEBOOK A553/Hのメモリ、ストレージ換装・増設手順

この記事では2014年6月に富士通株式会社より発売された法人向けPCのFUJITSU LIFEBOOK A553/Hのストレージの換装とメモリの増設・交換方法などを見ていきたいと思います。

なお、この記事はLIFEBOOK A553/Hの他、A553/GA573/GA573/Hでも同様の作業でメモリやストレージの増設、換装が行えます。

※この投稿ではLIFEBOOK A553/HとLIFEBOOK A553/Bを用意し執筆しました。

目次

用意するもの

必要なもの

ストレージの換装の場合

メモリを増設する場合

バッテリーを交換する場合

なお、パソコンに取り付けられているストレージを新しいSSDにクローンする方法はこちらの記事をご覧ください。

LIFEBOOK A553/Hのバッテリー交換方法

▼ 作業の前にLIFEBOOK A553/Hを正しくシャットダウンします。

▼ PC本体をひっくり返し、平らで水平な場所に置きます。

▼ バッテリーの左右にあるラッチを、それぞれ解除方向に移動させながら、バッテリーを矢印の方向から跳ね上げるように取り除きます。

▼ バッテリーが取り除けました。

LIFEBOOK A553/Hのメモリ増設方法

LIFEBOOK A553/Hには2本のS.O.DIMMを取り付けることができます。
なお、このLIFEBOOK A553/HにはSamsung社製のM471B5674EB0-YK0 (2GB)とSK hynix社製のHMT425S6AFR6A-PB (2GB)が取り付けられていました。

増設例としては下記のようになるかと思います。

バッテリーを取り外したら、スパッジャーなどで中央部分(赤く囲った)のラッチを矢印方向に押しながら、メモリカバーを開けます。

▼ メモリを取り外すときは、ロックアームをそれぞれ外側へと動かします。

▼ ロックアームを移動させるとメモリが30度くらい起き上がるので、メモリをゆっくりと引き抜きます。

▼ もう一枚も同じように取り外します。

▼ 先ほどと同様にロックアームをそれぞれ外側へと動かします。

▼ メモリが30度くらい起き上がるので、メモリをゆっくりと引き抜きます。

▼ メモリを取り外すことが出来ました。
あとは新しいメモリを装着したら完了です。

▼ 別の富士通系のPCのメモリを増設したのか、DIMM1という表記のメモリが2枚取り付けられていました。1枚目はSamsung社製のM471B5674EB0-YK0 (2GB)と2枚目はSK hynix社製のHMT425S6AFR6A-PB (2GB)でした。

LIFEBOOK A553/Hを分解する

法人向けPCのLIFEBOOK Aシリーズを分解するには3枚おろしにする必要があります。工数こそ多いですが、着実に作業を行っていけば難しくはありません。

▼ 以下の丸のついた17本のネジを取り除きます。

▼ ネジを外すことが出来たら、一度パソコンを開きます。
赤枠で囲った部分を取り外していきます。

▼ スパッジャーなどを筐体とカバーの隙間に挿し込み、ゆっくりと取り外していきます。

この時、カバーが取れない場合には無理に取ろうとせず、ネジが全て外れているかを調べてください。

▼ カバーが取り外せたら、キーボードを取り外していきます。
テンキーがないLIFEBOOKは両面テープで固定されていますので、キーボードの上部をつかみ、キーボードを起こしていきます。(ケーブルが繋がったままなので、あくまでも「起こす」程度です。)

▼ キーボードにテンキーがあるLIFEBOOKのキーボードは2本のネジで固定されています。
下図中の赤丸で囲った2本のネジを取り外します。

▼ キーボードを取り外していきますが、フレキシブルケーブルが付いているままなので、まずはケーブルに負荷が掛からない程度に持ち上げます。

スライドロック式になっているので、赤枠で囲ったスライダーをスパッジャーなどで下に移動させます。

テンキーが付いていないキーボードは、テンキーが付いているキーボードに比べフレキシブルケーブルの長さが短いです。
作業の際はケーブルに損傷を与えないように作業をしましょう。

▼ スライダーが下に移動したら、フレキシブルケーブルをゆっくりと抜き取ります。

▼ これでキーボードを取り外すことが出来ました。

▼ 続いては赤丸で囲った4ヵ所のケーブルを取り外していきます。

なお、LIFEBOOK A573/GやA574/H、Wi-Fiが搭載されているA553/GやA553/HではWi-Fiモジュールのケーブルも取り外す必要があります。

▼ まずは2か所のケーブルを取り外していきましょう。
手前側のケーブルを取り外す際には、樹脂(白いTになっている)部分をスパッジャーなど押し出すように取り外します。

奥のケーブルはフロントフリップ式になっています。
赤枠で囲ったロックレバーをスパッジャーなどで起こします。

▼ ロックレバーが起き上がったら、フレキシブルケーブルを抜き取るように取り外します。

▼ マザーボードと液晶を繋ぐケーブルを取り外していきます。
スパッジャーなどで水平に持ち上げるように取り外します。

▼ Wi-Fiのアンテナ(MHF1)を取り外します。
U.FL式で無理に作業すると破損します。
スパッジャーなどで垂直に持ち上げるように取り外します。

▼ こちらもフロントフリップ式になっています。
ロックレバーをスパッジャーなどで起こします。

▼ 起き上がったら、フレキシブルケーブルを抜き取ります。

▼ ケーブルが外れたら作業完了です。

▼ ここまでの作業が完了したら、丸で囲った5本のネジを取り外しましょう。

▼ そしてヒンジ付近にある赤枠で囲った左右3本ずつ、計6本のネジを取り外します。
なお、この作業でFMV LIFEBOOK A553/Hの画面が取れます。手で画面を支えながら作業しましょう。

▼ Wi-Fiアンテナのケーブルを傷つけないように作業します。(アンテナはWi-Fi搭載モデルのみ)

▼ そして、画面とメインカバーを取り外します。
これでストレージやWi-Fiモジュールにアクセスが出来ます。

LIFEBOOK A553/Hのストレージ換装方法

いよいよストレージを交換していきます

換装例としては以下の製品が挙げられます。

▼ ストレージは黒いカバーに覆われています。
そして、黒いカバーの上にはフレキシブルケーブルがあります。

▼ まずはフレキシブルケーブルから取り外していきましょう。
バックフリップ式のコネクタになっています。赤枠で囲ったロックレバーをスパッジャーなどで持ち上げます。

▼ ロックレバーが起き上がったら、フレキシブルケーブルを抜き取ります。

▼ フレキシブルケーブルが取り外せたら、ストレージを覆う黒いカバーを取り外します。
赤く示したレバーを上に押し上げるようにしながら取り外します。

▼ 別のアングルから。

▼ ストレージが出てきました。
ストレージをSATAコネクタから抜き取ります。

▼ ストレージを取り外せたら、ゴム製のマウンタを取り外しましょう。

なお、このLIFEBOOK A553/Hに使用されていたハードディスクはSeagateのST320LT012 (320GB)でした。

▼ これでストレージを取り外すことが出来ました。
あとは、新しいストレージを取り付け、逆の手順で組み上げていきます。

▼ ちなみに、今回使用したのは「あのかぼ」ではおなじみのKIOXIA社製のSSDです。
(今回作業したうち、A553/GにはKLEVV N400を使用しました。)

▼ 新しいSSDにマウンターを取り付けます。

LIFEBOOK A553/HのWi-Fiモジュールの交換

LIFEBOOK A553/Gに搭載されていたWi-FiモジュールはQualcomm Atheros AR5B22でした。
miniPCIeなので、もしもWi-Fiモジュールが故障したなどの場合には換装することができます。

ただし、Wi-Fi非搭載モデルの場合には、miniPCIeのスロットこそありますが、アンテナがありません。

作業を完了する

コネクターやケーブルの位置、異物の混入がないことを確認したら、ボトムカバーを取り付けて、先ほどと逆の手順で組み上げていきます。

LIFEBOOK A553/Hを見てみる

せっかくなので、少しだけLIFEBOOK A553/Hを見ていきたいと思います。

このLIFEBOOK A553/Hに使われていた基板はCP631521-Z2でした。

A553/Hが発表された前年、2013年4月に発表されたA553/Gのマザーボードも同じCP631521-Z2でした。

▼ マザーボードはいくつかの生産国があるようで、A553/Hのマザーボードには「MADE IN VIETNAM」、A553/Gのマザーボードには「MADE IN CHINA」という表記が確認できました。

バッテリーはA553/HとA553/Gは両方とも「FMVNBP229」が使用されていましたが、ベンダが違うのかPSEの届け出をしている事業者が異なります。

A553/Gでは「サムスンSDIジャパン株式会社」でしたが、A553/Hでは「トーカドエナジー」(TOCAD ENERGY ELECTRONICS)に変更されていました。

▼ A553/HとA553/Gです。

A553/Hに搭載されていたHDDはSeagateのST320LT012 (320GB)でした。

対して、A553/GではWD製のWD3200LPVX (320GB)が使用されていました。

▼ Wi-Fi搭載モデルにはWi-Fiのアンテナがありますが、Wi-Fi非搭載モデルではWi-Fiのアンテナが用意されていません。

▼ 別の富士通系のPCのメモリを増設したのか、DIMM1という表記のメモリが2枚取り付けられていました。1枚目はSamsung社製のM471B5674EB0-YK0 (2GB)と2枚目はSK hynix社製のHMT425S6AFR6A-PB (2GB)でした。

▼ A553/GにはMicron社製のMT8KTF25664HZ-1G6M1 (2GB)が搭載されていました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここまで、LIFEBOOK A553/Hのストレージ換装やメモリの増設方法についてみてきました。
なかなかめんどくさい作業だったと感じた方も多かったのではないでしょうか?
取り外すケーブルも多く慎重な作業が求められました。

CPUがCeleronのA553/HやA553/Gではスペック的に動作に不満を感じることがあると思いますが、ストレージやメモリの増設を行って少しでも快適にご利用いただけたらと思います。

またA553/HとA553/Gは共通しているパーツが多く、修理をする際にはパーツを流用することが出来そうです。

お疲れ様でした!

A553/HやA573/Hでは、Windows 11のシステム要件を満たしていませんが、こちらの記事を参考に作業を行うとWindows 10からWindows 11へアップグレードすることが可能です。

では、引き続き楽しいPCライフを!