macOS Catalina Patcherを利用した際に発生する不具合やトラブルと、その解決策についてまとめてみました。
目次
なお実際のインストールなどについては、各セクションをご覧ください。
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(メディア作成編)
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(インストール編)
- サポートの外れたMacにmac OS Catalinaをインストールする方法(パッチ適用編)
インストール後に快適に利用できるか、まとめた記事は下記になります。
インストールする前にご一読いただければ幸いです。
日本語入力ができない
きっと日本国内で利用されている方の多くは、この問題に直面するかと思います。
これは、CatalinaからJapaneseIM.app が Intel AVX (Intel Advanced Vector Extensions) を利用するため、Sandy Bridge以前のCPUでは日本語入力ができません。
Mojaveから特定のFrameworkやDynamic Library、JapaneseIM.appなどを移植する方法もありますが、いまいち安定しませんでした。
Google 日本語入力 (Mozc) かATOKを利用することをお勧めします。
Google 日本語入力の導入方法につきましては、こちらをご覧ください。
この問題に該当するMac
- iMac (21.5-inch, Mid 2011) と iMac (27-inch, Mid 2011) 以外のすべてのiMac
- MacBook Pro (Early 2011) 以前のすべてのMacBook Proシリーズ
- MacBook シリーズ
- 他、Sandy Bridge以前のCPUを搭載したMac
インストールまではできたものの起動ができない
APFSからの起動に失敗している場合があります。
Boot ROMのバージョンを上げるか「APFS Patch」を当てることによって解決する場合があります。
「APFS Patch」を当てる
一度、電源を切り、Optionキーを押下しながら起動させます。
再びStartup Managerが立ち上がりますので、先ほど使用したしたインストーラを指定しましょう。
インストールに利用する言語を選択し、「→」をクリックします。
今回は、リストの一番下にある、「macOS Post Install」を選択し、「続ける」をクリックします。
既に、起動中のMacに最適化された選択肢が設定されています。
リストの中から「APFS Patch」を探し、チェックを入れます。
「Apply Patches」と記載されたラベルの上の(三角形の)ボタンをクリックします。
問題なくインストールが終わると、「Restart」というボタンができます。
クリックして、Macを再起動させましょう。
自動的に再起動します。
無事に起動すれば作業完了です。
ただし、この方法だと起動毎にEFI Shellが表示されます。
ファームウェア(Boot ROMバージョン)をアップデートする
High Sierraまでアップグレードできる場合は、High Sierraをインストールしましょう。
ただし、Boot ROMを書き換え中には絶対に電源を落とさないように注意しましょう。
なお、High Sierraからは最新のEFIファームウェアの更新を「ソフトウェアアップデート」経由でインストールすることができます。
アップデート手順
画面の左上にある Apple メニュー から「この Mac について」をクリックします。
「ソフトウェア・アップデート…」と書かれたボタンをクリックします。
利用可能なアップデートが表示されますので、「アップデート」というボタンを押します。下の画像で言えば、「セキュリティアップデート2020-002 10.13.6」に当たります。
インストールの準備ができると、再起動を促されます。
なお、この再起動の後に、プーっという聞きなれないビープ音が流れます。
この時、5秒程度画面が表示されない場合があります。
不安になりますが、絶対に電源を切らずにお待ちください。
その後、いつもより太めのプログレスバーが表示されますので、しばらく待ちます。
無事にアップデートが終わると、再起動します。
ここまでの作業が完了したら、再度macOS Catalina Patcherでインストールを試みましょう。
DockやFinderなどの色がおかしい
透過やブラーの処理に失敗している可能性があります。
この問題が顕著に表れるのは、iMac 2010やiMac 2011、MacBook Pro 2011 15インチ、17インチをはじめとするRadeon HD 5xxxまたは6xxxシリーズを搭載したモデルです。
お使いのMacがiMacやMac Proの場合はGPUの交換を検討するようにしましょう。MacBook Proの場合にはdGPUを無効にするか、Catalinaのインストールについて再検討をお勧めします。
この問題に該当するMac
- MacBook Pro (15-inch, Early 2011)
- MacBook Pro (17-inch, Early 2011)
- MacBook Pro (15-inch, Late 2011)
- MacBook Pro (17-inch, Late 2011)
- iMac (21.5-inch, Mid 2010)
- iMac (27-inch, Mid 2010)
- iMac (21.5-inch, Mid 2011)
- iMac (27-inch, Mid 2011)
- HD 5xxxまたは6xxxシリーズを搭載したMac Pro
MacBook Pro 2011の15インチ、17インチの場合にはdGPUを無効にできますので、チャレンジされるといいかもしれません。
また、iMac 2011をご利用の方は、GPUを換装することによってCatalinaを快適に利用できます。(ただし、2020年6月12日現在、画面の輝度が変更できない、などの不具合はあります。)
アニメーションの挙動やパフォーマンスが著しく悪い
上の「DockやFinderなどの色がおかしい」ど同じ問題の可能性がありますので、DockやFinderの色合いも併せてご確認ください。
上記に当てはまらない場合には、ストレージがHDDのでしたらSSDへ換装されるか、メモリの増設を行うことをお勧めします。
ストレージの換装はとメモリの増設につきましては、以下をご覧ください。
- iMac (21.5-inch, Mid 2011) のメモリ増設
- iMac (21.5-inch, Mid 2011) のSSD換装
- iMac (27-inch, Mid 2011) のメモリ増設
- iMac (27-inch, Mid 2011) のSSD換装
全体的に動作がもっさりとしている、動きが悪い
ストレージの換装(SSD化)やメモリの増設ができる場合には検討しましょう。
方法につきましては、「アニメーションの挙動やパフォーマンスが著しく悪い」項をご覧いただければと思います。
2023.01.15 記事を2件追加しました。
2023.01.15 記事内のリンクを修正しました。(11件)
2023.01.15 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。
2021.10.10 記事の一部を修正しました。
2021.07.15 目次のリンクミスを修正しました。