MacではOS X 10.7からPythonが同梱されていますが、古いMac OS向けのソフトウェアと互換性を持たせるために、OS X 10.7(Lion)からmacOS 11(Big Sur)までPython 2.7がインストールされています。
Python Software FoundationはすでにPython 2のサポートを2020年4月に終了している他、2021年7月15日にAWS Lambdaでもサポートを終了することが決定されました。本記事では、現在MacにインストールされているPythonのバージョンを確認する方法とPython 3のインストール方法をまとめました。
目次
MacにインストールされているPythonのバージョンを確認する
Pythonをインストールする前に、現在MacにインストールされているPythonのバージョンなどを調べてみましょう。
Launchpadより「ターミナル」を立ち上げます。
無事にTerminalが立ち上がったら、
python --version
と入力し、Enterキーを押します。
ここで、下図のように「Python x.y.z」のように出力された部分にバージョンの記載があります。
下図の場合はPython 2.7.10が導入されていることがわかりました。
さらに、Python 3のバージョンを確認します。上記の作業で「Python 3.x.y」と表示された方はこの作業は不要です。
python3 --version
と入力し「Enterキー」を入力します。先ほどのコードに対して、「3」を付与しただけのコードですね。
先ほどと同様に、「Python 3.9.6」などと出力されればよいのですが、
-bash: python3: command not found
と表示された場合、Python 3がインストールされていません。
Pythonのインストール方法
では実際にPythonをインストールしていきましょう。MacにはPythonをインストールする方法が複数用意されていますが、今回はそのうち2通り見ていきます。
Homebrewを使用してPythonをインストールする
まずはHomebrew(ホームブリュー)を使用したPythonのインストール方法を見ていきます。HomebrewはmacOS向けのパッケージ管理ソフトウェアで、Debian系のAPT (Advanced Packaging Tool)に似たソフトです。
MacにHomebrewをインストールする
まずは、HomebrewがMacにインストールされているかをチェックします。ターミナルに下記のコマンドを入力し、Enterキー(Returnキー)を押します。
brew -v
下図のように、「brew: command not found 」と表示された場合はMacにHomebrewがインストールされていません。
なお、「Homebrew 3.2.0」のように表示された方はHomebrewがインストールされています。仮にバージョンが古い下記のコードを入力し、場合にはHomebrewをアップデートします。
brew update
Homebrewがインストールされていなかった方は、下記のコードをターミナルに入力し実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
スクリプトの実行中、パスワードやReturnキー(Enterキー)を求められることがあります。
無事にインストールができたら、再度下記のコードをターミナルに入力して実行します。
brew -v
「Homebrew 3.2.0」のように表示された場合、正常にインストールが完了しました。
Homebrewを使用してpyenvをインストールする
次に、Homebrewを使用してPythonをインストールするために使用するツール、pyenv(パイエンブ)をインストールします。
ひとまず、先ほどと同様に、pyenvが導入されているかをチェックしてみます。
pyenv -v
下図のように、「pyenv: command not found」と表示された場合はMacにpyenvがインストールされていません。
なお、「pyenv 2.0.3」というようにバージョンが表示された方はMacにpyenvがインストールされています。
インストールされていなかった方は下記のコードをターミナルに入力して実行します。
brew install pyenv
インストールが完了したら、バージョンを確認するなどして、正しくインストールされたかどうかを確認してみます。
pyenv -v
下図のように「pyenv 2.0.3」などとバージョンが表示されればインストールは成功です。
次に、pyenvの設定を行います。下記のコードをターミナルに入力し、出力結果を確認しましょう。
echo $SHELL
「/bin/bash」と出力された方、「/bin/zsh」と出力された方で作業が異なります。
「/bin/bash」と出力された方は下記のコードをターミナルに入力し、実行します。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bash_profile
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bash_profile
source ~/.bash_profile
「/bin/zsh」と出力された方は下記のコードをターミナルに入力し、実行します。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.zshrc
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
pyenvを使用してPythonをインストールする
いよいよpyenvを使ってMacにPythonをインストールしていきます。
pyenvでは、利用できるPythonのバージョンリストから、任意のバージョンをMacにインストールできます。
まずは、pyenvを使ってインストールできるバージョンのリストを表示させてみます。
pyenv install --list
たくさんのバージョンが表示されました。
このサンプルでは、「3.9.5」をインストールすることにします。
下記のコードをターミナルに入力し、実行します。
pyenv install 3.9.5
「Installed Python-x.y.z to /Users/」…のように出力されればインストール完了です。
きちんとインストールできたか確認してみましょう。
次に示すコードをターミナルに入力し、実行します。
pyenv versions
先ほどインストールしたバージョン、ここでは「3.9.5」という文字が確認できれば無事にインストールができています。ただし、下図のように 「system (set by /Users/」…という文字列の前に「*」(アスタリスク)がついています。この状態ではMacにプリインストールされたPythonを使用してしまうため、今回インストールしたバージョンを使用するように設定を変更します。
下記のコードをターミナルに入力し、実行します。この時、「pyenv global 」に続くバージョンは先ほどインストールしたバージョンを入力します。
pyenv global 3.9.5
ここで、再度下記のコードをターミナルに入力し、実行してみます。ここで、それぞれ、「3.9.5」に「*」がついていたり、「Python 3.9.5」のようになっていれば作業完了です。
pyenv versions
python --version
公式サイトよりインストーラをダウンロードし、インストールする
Pythonの公式ページより、「Downloads」をクリックします。
「Download the latest version for Mac OS X」と表示されているのを確認し、「Download Python 3.9.6」をクリックします。(3.9.6)の部分は順次更新されていきます。
なお、ここで「Download the latest version for Windows」と表示されている場合、「Looking for Python with a different OS? Python for Windows, Linux/UNIX, Mac OS X, Other」より、「Mac OS X」をクリックします。
ダウンロードしたインストーラを実行させ、それぞれ指示に従い、作業を進めていきます。
インストールが終わったら、下記のコードをターミナルに入力し、実行します。
インストールしたバージョンが表示されれば成功です。
python --version
以上、ここまではPythonのインストール方法を見てきました。
では!
2023.01.15 記事のカテゴリーを「Tips」から「Mac」へ変更しました。
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