5万円台から作れる!デュアルCPUで20コア40スレッドのモンスターPC(格安HEDT)

自作パソコン

去年どや顔でくみ上げた18コア/36スレッドのCore i9 10980XEよりも2コア4スレッドも多い癖に、価格が10分の1以下で組み立てられる鬼コスパの怪しいPCの作り方をご紹介したいと思います。組み立て自体は一般的な「自作パソコン」ができる方なら問題なく組み上げることができるものと思いますが、所々、このマザボ固有の癖が存在しています。この夏休みの暇つぶしに是非挑戦してみてはいかがでしょうか?なお、この記事は情報共有を目的に執筆しております。この記事を実践して生じた損害について当ブログは一切の保証をしかねますことをご了承ください。

このPCを組み上げたのは実は今年の1月の始め頃でございます。ちょうど今年の2月頃くらいからマイニング需要でグラボの価格が高騰し始めました影響により、グラボにこだわり始めると5万円は優に超えます!

時はHEDT戦国時代

AMDがRyzenシリーズの発売を開始した2017年からIntel一強だった時代は一変し、AMDが市場へ与える影響は確かなものになりました。第一世代 Ryzen、第二世代 Ryzen については、「Intelに軍配が上がる」という記事も多かったように記憶しておりましたが、第三世代 Ryzen 以降については地位を確立したように思います。
Intel教を掲げてる筆者でも、Ryzen のコスパの良さには驚かされます。これはAMDの開発、ジム・ケラー氏の力によるものと思いますが、Intelのプロセスルールの微細化が遅々として進まなかったこともAMDの台頭を許してしまった要因であることは周知の事実でしょう。

特にIntelはHaswellの粗悪さ…と話を戻しましょう。AMD Ryzenが当時のIntelに突き付けたのはズバリ、「メニーコア」。
当時のIntel Core i7(i7-7700K)が4コア8スレッドだったのに対し、AMD Ryzen 7 1800Xは8コア16スレッドという圧倒的な数の力を見せつけました。その割にクロックもコアの数と比較すれば優秀という、メモリ周りやシングルコアパフォーマンスを除けば非の打ち所がない製品でした。またAMD Threadripper 1950Xでは16コア、32スレッドとモンスター級のコア数。一足遅れてIntelのCore i9 7980XEの登場し、Intelも18コア36スレッドの製品を有することとなりましたし、性能としても AMD Threadripper 1950X を引き離すことに成功しましたが、価格ではAMDが圧勝。
16コア32スレッドのThreadripper 1950Xは$999だったのに対して、同じ16コア32スレッドのCore i9 7960Xでは$1699でした。この後も、IntelはAMDに振り回され続け、急遽コア数を増やして発売する事態になったりと混迷が続きました。

このように、現在のCPUの争いの1つのキーとして「コアの数」が関わっているのは否定できない事実でしょう。

そうはいっても「メニーコア」っちゅうもんは高い!

そうですね。
これでも価格は落ち着いてきているとはいえ、例えば(執筆時点で)最新の64コア128スレッドののRyzen Threadripper PRO 3995WXについては執筆時(2021年8月6日時点)の最安値でも714,999円。さすがにこのモデルは「PRO」と冠されているだけあって特殊用途(OCができない反面メモリチャンネルは8)だろう、と同じ64コア128スレッドのRyzen Threadripper 3990Xを見てみても527,999円。ずいぶん安くなったとはいえ結構いいお値段。Intelでも28コア56スレッドのXeon Gold 6238R BOXで316,100円ですから、高いものは高いです。まだ、これにマザーボードや電源、メモリやケースの値段が追加されていく訳ですから、完成時にはグレードによってはトヨタのピクシス エポックが買えちゃう金額になります。

ダイハツ工業から発売されているミライースのOEM車であるトヨタ・ピクシスエポック

去年18コア36スレッドのi9 10980XEで組んだ時も随分といい金額になりましたし、メニーコアとやらはお金がかかります。
と、そこに終止符を打とうというのがこの企画!
憧れのデュアルCPUで20コア、40スレッドというPCをなんと5万円台から作れてしまうという圧倒的なコスパ!
工夫によっては24コア48スレッド24コア48スレッドという怪物も6, 7万円台から作れる計算です。
では、作り方を見ていきましょう!(前振りが長い)

用意するもの

やや複雑な購入リストになりましたが、購入するマザーボードによりCPUやメモリが変わりますのでご注意ください。またCPUの入手先は某オークションサイトやフリーマーケットアプリなどをご活用いただくとサクッと見つかります。

CPUにはサーバやワークステーション向けのXeonシリーズを使用します。本来Xeonシリーズは一般コンシューマ向けのシリーズと異なり、最先端技術を盛り込んだりシステムの可用性や信頼性を重視する設計になっていたりします。
そのため、一般コンシューマ向けのシリーズよりも非常に高価になります。

Xeonの価格

ただし、中古に目を向けてみると話は変わってきます。Xeonは前述のとおりサーバやワークステーションなど、企業向けの色が強いため、サーバの改修やリースのタイミングになると市場にパーツが出回ります。やや使い込まれた感じはしますが、背に腹は代えられません。とはいっても、CPU自体の故障率はさほど高くない(もちろん壊れるときは壊れますが)ということと、Xeon自体の品質も相まって、中古で出回るXeonは対価格でみると非常に優秀な製品です。注意すべきはES品出ないことをよく確認するということでしょうか。

また、使用するマザーボードも一癖も二癖もあるものを使用しています。これは次章で説明しましょう。

PCケースはE-ATX対応のものを購入しましょう。
とはいってもケースによってはATXのものでも使用できるものがあります。
E-ATXという規格自体、サイズにバリエーションが多いこともあり、「すべてのE-ATX対応できない」ために、E-ATX対応ケースと書けない製品や、そもそもE-ATXは対応させる気はなかったけど、なんか入っちゃうケースなどまちまちです。
たとえばハイコストパフォーマンスの神PCケースの異名を持つ(?) Thermaltake Versa H26 Black は本来ATXのケースですが、今回使用したようにE-ATXの今回使用したマザーボードが利用できました。また、NZXT H510 Elite も前にi9 10980XEの時に「ASUS ROG RAMPAGE VI EXTREME ENCORE」というE-ATXのマザーボードが格納できましたので、利用できるはずです。ただ、いずれもメーカ公式の対応ではないため、入らなかったとしてもメーカさんには問い合わせないでください…。あくまでも非公式ですので!

いざ、組み立てる

紆余曲折はありながらも集まったパーツたち。
いよいよ組み立てていきます。

思いのほかコンパクトに収まった箱の山

こちらは・・・

マザーボード。恐ろしくコンパクトな箱です。

説明書の類はありませんでした。

おお!2つCPUのソケットがありますね!
…?おかしくないですか?おかしいんですよ。こちらのマザーボードはX99と謳っていますが、そもそもX99というチップセット自体デュアルCPUに対応していないはずでして。まあ、ここら辺はグレーにしておきましょう。そもそもX99かどうかも怪しいのに。

メモリは満足の8スロットあります。

NVMe対応のM.2スロットが2つあります。
PCIe x16は2スロットです。

そしてCPUはこちら!
10コア20スレッド、Intel XEON E5-2650V3です。2つ入れたら20コア40スレッド!
予算の問題でIntel XEON E5-2650V3を選びましたが、Intel XEON E5-2670V3などを選べば12コア24スレッドになります。2つ入れれば24コア48スレッドに!ワクワクしますね。

CPUをのっけて。

カチャっとな。

メモリはTEAM DELTA RGBシリーズの16GB Kit(8GB×2本)です。
公称スペックではDDR4 2666までの対応でしたがDDR4 3000のこちらのメモリも動作しました。

メモリもしっかり差し込んで。

CPUファンは簡易水冷のCORSAIR(コルセア)H60をチョイスしました。
安いうえに簡単に取り付けられる扱いやすいモデルです。

続いては電源。玄人志向の750W。組んでいるPCにしてはカツカツな感じが否めませんが、とりあえずこれで行きました。

フルプラグインのこちらの電源はケーブルの硬さや長さが(筆者には)ちょうどいい感じです。急遽PCを組む時などはたびたび使用します。

ここまでをThermaltake Versa H26 Blackに入れるとこんな感じに。だいぶ完成が近くなってきました。
写真を見て気づいたのですが、ATX24Pinの電源延長ケーブルを使用していますね。おそらく長さが足りなかったみたいです。(なんせ今年の1月に組み立てたもので、ややうろ覚え)
これは、i9 10980XEを組んだ時に、使うのをやめた例のチンアナゴですね。
例えば、この商品で代替可能です。

そして、グラフィックボード。今回使用したのは MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO 8GB です。

なかなかかっこいいです。大きさもビッグな感じでいいですね!

最後にストレージを組み込みます。この時使用したのはCableModのSATAケーブルとKLEVVのN400です。
どっちも家に転がっていたやつです。特にSSDについてはこの商品はあまりお勧めできません。
すごく安い反面、他のSSDよりも故障率が高めです。(この後BX500に換装しました。)
SATAケーブルについては、これは例のi9 10980XEの時の余りものです。新規で購入するならアイネックスのラウンドタイプのものが扱いやすいです。

ということで完成です。グラフィックボード取り付けの前に各種スイッチなどを接続するといいのですが、筆者が購入したマザーボードは芯線が細いのか、やたら抜ける。これには困りました。

何がともあれ、無事に組みあがればばっちりです。

お疲れさまでした。
以上までが「デュアルCPUで20コア40スレッドのモンスターPC」の作り方でした。いかがだったでしょうか?
ひと夏の思い出にぜひ作ってきませんか?(自己責任で)
ちなみに、怪しいマザーボードを使っているので、安定性が気になる方もいらっしゃると思いますが、筆者が使用しているものについては非常に安定して稼働しています。ちょっと特殊な用途で使用していますが、かれこれ組み上げてから、この記事を執筆している間も月に1回程度再起動しているにしても24時間365日(まだ365日じゃないけど)きちんと稼働しています。
ただ、こういった製品は、同じものを買っても、当たり前のように仕様が変更されていたりします。仕様というより品質もまちまちです。当たりはずれもありますので、実践は自己責任で!

では!