この投稿では2020年6月に富士通クライアントコンピューティングより発売されたFMV LIFEBOOK NH90/E2のストレージの交換やメモリの増設方法などを見ていきたいと思います。
用意するもの
- E-Value 精密ドライバーセット
- メモリを増設する場合
- 増設したい容量のメモリ(16GB, 8GB×2) (32GB, 16GB×2)
- M.2 SSDを換装する場合
- 2.5inch ストレージを換装する場合
- SSD (安定/スペック重視の方)
- SSD (コストパフォーマンス重視)
- HDD (修理の場合)
- SSHD (案外安い!)
- Wi-Fiモジュールを交換する場合
- へら (使わなくなったポイントカードや爪でも代用可能です)
FMV LIFEBOOK NH90/E2 にはNVMe接続のM.2 SSD 256GBを搭載しています。
このSSDは(今よりもっとイケイケだった時の)IntelとMicronが共同で開発した「3D XPoint」という次世代不揮発性メモリ技術を利用した高速な「Optane Memory H10 with Solid State Storage」が搭載されています。これを換装する際には、「HBRPEKNX0202A08」や「HBRPEKNX0203A08」あたりがおすすめですが、入手性が悪いのが難点です。
信頼性ではSN850やP5シリーズ、760pシリーズがおすすめです。コスパではP2シリーズがおすすめです。
2.5インチのストレージを換装する場合には選択肢は非常に豊富です。
ただし、メーカーやモデルについては注意して購入してください。
おすすめはMicron(Crucial)やIntel、旧東芝メモリのKIOXIA(キオクシア)です。メモリやストレージはあまり下手なメーカーを選ぶと使用中にパーティションがRAWになってデータにアクセスできなくなったり、プチフリが多発したりと散々な目に合う確率が上がります(→散々な目にあった人)
コストパフォーマンスではBX500や SSD-CK960S/N あたりがおすすめです。過去にはKingston A400シリーズも使用していました。
なお、パソコンに取り付けられているストレージのデータを新しいSSDにクローンする方法はこちらの記事をご覧ください。
ストレージを換装する
PCを安全にシャットダウンしたらNH90/E2 の本体をひっくり返します。
赤丸で囲った、中央付近のねじを開け、ヘラや爪を使ってメインのボトムカバーを開けます。
HDDやM.2 SSDの位置が確認できます。
メインのボトムカバーが開いたら、バッテリーを取り出します。
赤枠の四角形で囲ったレバーを矢印の方向(ロック解除方向)に移動させ、バッテリーのロックを解除します。
この時点でバッテリーの取り外しが可能になりましたので、ヘラなどを使用してゆっくりと取り外します。
2.5インチストレージを取り外す
続いて、2.5インチハードディスクを取り外します。
赤丸で囲った2本のプラスねじを取り外し、HDDを取り外します。この時、HDDをPCをつなぐフレキシブルケーブルに注意してHDDを持ち上げましょう。もしも自信がない場合にはマザーボード側に接続されているケーブルを取り外してもいいでしょう。
HDDに接続されているSATA(フレキシブル)ケーブルを丁寧に取り外したら、HDDの側面にある4本のねじを取り、HDDとマウンタを分離します。(写真撮り忘れちゃいました)
ちなみに、標準で取り付けられていたのはSeagate Mobile HDDシリーズの1TB(ST1000LM035-1RK172)でした。
既に取り扱いが終了しているお店が多いため、修理用途ではST1000LM049やST1000LM048を利用するといいでしょう。またコストパフォーマンスでは東芝デバイス&ストレージのMQ04シリーズ(MQ04ABF100-2YW)あたりやSSHDのMQ02ABD100Hがおすすめです。(SSHDって死語なの…?)
もちろんSSDを取り付けるのもよいですね。取り付けるストレージを選ぶのはとても楽しいです。
ここまで出来たら、あとは逆の手順でSSDを取り付けます。
今回はKIOXIA社製のSSD-CK240S/N(THN-TR20Z2400)をチョイスしました。
ちなみに、このSSDは国内では東芝メモリからKIOXIAに継承された際「SSD-CK240S/N」という名前で販売を開始しましたが、海外では東芝のグループ会社だったOCZの名前を冠したOCZ TR200 Seriesとして発売されていたモデルでした。
M.2 SSD換装方法
続いてはM.2 SSDの換装方法について見ていきます。
LIFEBOOK NH90/E2に標準で取り付けられていたのはIntelのOptane Memory H10 with Solid State Storage 256GB (HBRPEKNX0101AL)でした。
取り外すには、赤丸で囲ったねじを取り外します。
すると、SSDが立ちますので、ゆっくりと引き抜きます。
取り外せました。
今と逆の手順で新しいSSDを取り付けます。
以上、ストレージの換装方法でした。次項はメモリとWi-Fiモジュールの交換方法です。
メモリ、Wi-Fiモジュールの交換方法
このモデルはメモリやWi-Fiモジュールの交換も楽々です。
メモリについては、公称スペック通りのメモリはやや入手しづらいですが、一応32GBまで対応しています。
赤丸で囲ったねじを取り、ボトムカバーを取り除きます。
メモリが確認できますね。あとはロックアームをそれぞれ外側へ動かし、メモリを取り外します。
ロックアームを外側に動かすと、DIMMがおよそ30度立ち上がりますので、ゆっくりとマザーボードから抜き取ります。
メモリはSDRAM DDR4-2933です。標準では4GB×2の8GBとなっていますので、8GB×2の16GBや16GB×2の32GBがおすすめです。
続いてはWi-Fiモジュールです。標準ではIntel製のWi-Fi 6、AX200(AX200NGW)が搭載されていました。
修理ではこちらを使用するといいかもしれません。
赤丸で囲った横に、アンテナが2本ありますので、ヘラなどでゆっくりと真上に引っ張り、丁寧に取り除きます。
アンテナが取り除けたら、赤丸で囲ったねじを取り外し、Wi-Fiモジュールをマザーボードから取り外します。
取り付けの際は逆の手順で取り付けていきますが、アンテナを取り付けるときはより慎重に作業しましょう。
以上、ここまではFMV LIFEBOOK NH90/E2のメモリ、ストレージ換装についてみてきました。
では!
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2022.08.03 元のストレージのデータをクローンする方法をまとめた記事へのリンクを追加しました。
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