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さよならブルースクリーン──40年の歴史に幕、新時代の「ブラックスクリーン・オブ・デス」へ

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さよならブルースクリーン──40年の歴史に幕、新時代の「ブラックスクリーン・オブ・デス」へ

Windows ユーザーにとって“恐怖の象徴”だった青いエラー画面 BSOD(Blue Screen of Death) が、この夏、ブラックスクリーンへと生まれ変わります。
Microsoft が 2025 年 6 月 26 日に発表した Windows Resiliency Initiative(WRI) の一環で、Windows 11 Version 24H2 以降に順次導入される予定です。

BSODの終焉、そして「ブラック」へ

紆余曲折はあったものの、従来の BSOD は Windows NT 系列(1993 年)からほぼ不変で、停止コードや QR コード、顔文字を表示(日本語版では表示されない)していました。

しかし、Microsoftは2025年6月26日、「Windows Resiliency Initiative(WRI)」の一環として、この歴史あるBSODを刷新することを正式発表。Windows 11 バージョン24H2以降では、ブルーではなくブラックスクリーンが表示されるようになります。

新デザインでは背景色を 黒 に統一し、QR コード・顔文字(日本語版では表示されず)を廃止し情報を簡潔化。そして停止コード と 問題ドライバーの一覧 を明示するように変更するとし、クラッシュ原因の特定を容易にするとのこと。

The Verge の取材に対し、Microsoft の David Weston 副社長は「IT 管理者が WinDbg でダンプ解析せずとも原因にたどり着けるようにした」と説明しています。

“見た目”だけではない ー 復旧時間は最短 2 秒へ

ブラックスクリーン化は、Microsoftが取り組む「レジリエンス(回復力)」強化の一環でもあります。
Windows 11 Version 24H2では、加えて Windows RE が自動修復を行うQuick Machine Recovery(QMR)という新機能も実装され、PCが起動しない状態から最短2秒で自動復旧できるようになる予定です。

これにより、クラッシュ後にユーザーが感じるストレスや業務への影響を最小限に抑えることができます。

Windows 11 Version 24H2 以降のHome / Pro / Enterprise すべて対応します。( ProとEnterpriseはIT管理者が有効化・無効化を制御可能)

なぜ今、BSODを変えるのか?

2024年、CrowdStrikeの更新が原因で世界中のWindowsデバイスがBSODで停止するという大規模障害が発生しました。
これを機にMicrosoftは、「止まらないOS」への設計思想を明確にし、Windowsそのものに「自己修復力(レジリエンス)」を持たせる方針を加速。

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今回のブラックスクリーン化は、ユーザーに不安や混乱を与えるインターフェースの排除と、トラブルの迅速解決という2つの目的を兼ねた変更なのです。

ちなみに…元々ブルースクリーンは青だけではない

蛇足ですが、ブルースクリーンはこれまでも「青」だけでなく、Windows Insider Preview向けの緑(GSOD)や黒もありました。

今回の変更は「色」の変更より「Quick Machine Recovery (QMR)」が追加されることこそが大きな変更です。