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【23H2対応版】Windows 11をインターネットとMicrosoft アカウントを回避してセットアップする方法

Windows

【23H2対応版】Windows 11をインターネットとMicrosoft アカウントを回避してセットアップする方法

Windows 11ではPC購入時やOSインストール時の初回セットアップの際、インターネット接続やMicrosoft アカウントでのサインインが必要になりました。この記事では、Windows 11をインターネット接続を行わないオフラインでのセットアップ時やMicrosoft アカウントを使用ぜずWindows 11をセットアップする方法について紹介します。

目次

この記事でできること

インターネット接続を切断しMicrosoft アカウントを使用しないローカルアカウントでWindows 11 HomeやProの初期設定を行おうにも「ネットワークに接続しましょう」や「申し訳ございません。インターネット接続が失われました」と表示され、以降の操作が行うことができません。

Windows 11ではネットとMSアカウントが必須に
・ インターネット接続がないと進めない
Windows 11では人向けWindows 11 ProとWindows 11 Home は初期設定時にインターネット接続と Microsoft アカウントが要件として追加されました。インターネット接続がない場所での初期設定が出来ないことに加え、 Microsoft アカウントが要件に追加されている事から、オンラインのアカウントを作成したくないという方には厳しい条件となりました。・ Windows 11 22H2から回避方法が変更に
Windows 11 21H2 では一度インターネットに接続し、作業の途中でインターネット接続を切断することで、実質的にオフラインでも初期設定を完了させることが可能でしたが、Windows 11
22H2 以降ではこの方法が利用できず、操作の途中でインターネット接続を切断すると「申し訳ございません。インターネット接続が失われました」と表示されるように変更されました。

この記事を参考に作業することで、Windows 11のセットアップ時にMicrosoft アカウントを使用せず、従来のローカルアカウントで設定が行えます。また、セットアップ時にインターネット接続が利用できない場合にも初期設定が行えるため、急なセットアップ時にも安心して臨むことができます。

いざ実践!Microsoft アカウントを使用を回避する方法

では早速、Windows 11セットアップ時のMicrosoft アカウントとインターネット接続の回避をする方法についてみていきましょう。

▼ Windowsのセットアップ画面 (OOBE)が表示されたらショートカットキー 「Shift キー+ F10 キー」を押します。

▼ Shift キー + F10 キーを押すことでコマンドプロンプトが立ち上がります。

※ PCのモデルや設定により「ファンクション ロック」が有効な場合、Shift キー + Fn キー + F10 キー になる場合があります。

▼ コマンドプロンプトに「oobe\BypassNRO.cmd」と入力して実行します。

時短技

▼ 入力するのが億劫な方は、「oobe\By」あたりまで入力してTab キー を押下することで、「oobe」フォルダ内の「By」から始まるファイルを見つけ、ファイル名を補完することができます。

▼ BypassNRO.cmd内の処理が完了すると、PCは自動的に再起動します。

▼ PCが起動します。

以後は表示される内容に従ってセットアップを完了させます。

この時、インターネット接続を求められますが、接続しないように注意して操作してください。
誤ってWi-Fiに接続してしまった際にはこちらの記事を参考にWi-Fiモジュールを無効にするなどしてインターネット接続を切断してください。

参考: 「【22H2対応版】Windows 11をローカルアカウントでセットアップする方法 (あのかぼ)

▼ お住まいの国または地域を選択して、「はい」と表示されたボタンをクリックします。

▼ キーボード レイアウトまたは入力方式を選択して「はい」をクリックします。
※ この時、利用したい入力方式やキーボード レイアウトが選択肢にない場合には表示された項目を選択して、「はい」ボタンをクリックします。

▼ 2つ目のキーボード レイアウトを追加するか聞かれます。特に追加する必要がない場合には「スキップ」とあるボタンをクリックします。

▼ 「ネットワークに接続しましょう」という画面に切り替わります。ここまでの作業が無事に完了していると「インタネットに接続していません」というテキストが表示されるはずです。これをクリックしてインターネット接続をスキップします。

Wi-Fiなどに接続してしまった方は、次章の「Wi-Fiに接続してしまったときには」をご覧ください。

▼ 「今すぐ接続して、デバイスを直ぐに使い始めましょう」という画面に切り替わります。「制限された設定で続行」をクリックして設定を続けます。

▼ 「このデバイスを使うのはだれですか?」という画面に切り替わりました。ここで求められているのはアカウント名です。アカウント名を入力したら、「次へ」ボタンをクリックします。

「確実に覚えやすいパスワードを作成します」という画面に切り替わりました。ここでは先ほど入力したアカウントに設定するパスワードを入力します。

▼ パスワードの入力が完了したら「次へ」ボタンをクリックします。

ここでパスワードを入力せず「次へ」というボタンをクリックすることで、パスワードの設定を回避することができます。PCの起動時やスリープからの解除時にパスワードの入力が不要になるため、パソコンにアクセスできるのがPCの所有者のみである場合には問題ないかもしれません。

ただし、初回のセットアップ時では初めに作成するアカウントは「管理者」になります。パスワードを設定しないことによって、PCのセキュリティが脆弱になる可能性があります。

続いては「デバイスのプライバシー設定の選択」という画面に遷移します。ここでは位置情報に関する取扱いや診断データ、品質向上のために使用されるデータの収集などを設定できます。

▼ 各種設定を見直して「同意」ボタンまたは「次へ」ボタンをクリックします。

▼ 設定項目は複数あり、スクロールして確認しない場合には、「次へ」ボタンをクリックすることで、自動的に未確認の場所まで移動します。

▼ すべての項目のチェックが完了すると「同意」ボタンに切り替わります。

▼ ここまでの操作が完了するとPCが利用できように処理を始めます。

▼ 正常に終了するとPCがすぐに使えるようになります。

作業における注意点

この章ではこの作業に当たっての注意点を紹介しています。

Wi-Fiに接続してしまったときには

ローカルアカウントでWindows 11をセットアップしたい場合にはセットアップが完了するまでPCをインターネットに接続せず作業を行う必要があります。

有線LANでインターネットに接続している場合には切断して作業を続行できるものの、無線LANに接続してしまった場合には、PCにWi-Fiモジュールをオフにするスイッチがある場合にはそれを利用して切断してください。

ただし、最近のPCにはWi-Fiモジュールをオフにする物理スイッチはない場合がほとんどです。こちらの記事の「インターネット接続を切断する」項を参考にWi-Fiモジュールをオフすることが可能です。

Windows 11のセットアップが完了したら、Wi-Fiを再度有効にします。

この方法でMicrosoft アカウントの設定回避が利用できる環境

この方法を利用するためにはセットアップ時に管理者権限のコマンドプロンプトを起動させる必要があります。

その為、セットアップ時ににコマンドプロンプトの起動が許可されていないWindows 11 (Sモード)を搭載したPC (例えばmouse B4やMicrosoft Surface Go 3、HP 15s-eqシリーズなど)ではこの方法は利用できません。

この場合には、一度Microsoft アカウントを使用してPCをセットアップした後、Microsoft アカウントを解除して使用するか、Sモードを解除してから初期設定を行うなどする必要があります。

コラム: 「BypassNRO.cmd」を実行すると何が起こるのか

先ほどの「いざ実践!Microsoft アカウントを使用を回避する方法」内で「BypassNRO.cmd」というスクリプトファイルを実行しましたが、このコマンドを実行するとPC内で何が起こるのでしょうか?

実際に「BypassNRO.cmd」の内容を確認してみましょう。

「BypassNRO.cmd」にある記述

▼ 「BypassNRO.cmd」の中身を見てみると、以下のコマンドが確認できます。

@echo off
reg add HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OOBE /v BypassNRO /t REG_DWORD /d 1 /f
shutdown /r /t 0

一行ずつコマンドを見てみましょう。

▼ 「@echo off」は実行するコマンドを表示させないようにするコマンド

@echo off

▼ 指定されたエントリをレジストリに追加するコマンド

reg add HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OOBE /v BypassNRO /t REG_DWORD /d 1 /f

このコマンドでは「HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OOBE」に対して「REG_DWORD」型の「BypassNRO」という名前のレジストリ エントリと追加します。このレジストリエントリには「1」が格納されるように設定されており、このコマンドの最後にある「/f」によりユーザに確認を求めずに、レジストリ エントリを追加するように指定されています。

▼ 再起動を促すコマンド

shutdown /r /t 0

「shutdown」コマンドにより、前の行の処理が完了したら、PCの電源を操作するように指定されています。なお、このコマンドでは「/r」、「/t 0」ということから直ちに再起動するようになっています。
※ Windows PE(RE)環境ではないので「Wpeutil Reboot」ではありません。

「BypassNRO.cmd」を実行した際、PCの内部では上記の処理が行われていました。
これらの処理は2年前に公開した「【22H2対応版】Windows 11をローカルアカウントでセットアップする方法」で行っているものとほとんど同様です。

今回紹介した方法の方が圧倒的に簡単で便利なため、これを使わない手はないと思いますが、以前紹介した方法でも問題なくMicrosoft アカウントの回避は行えそうです。

まとめ

ここまで、Windows 11でMicrosoft アカウントを使用せず、オフラインでもセットアップが行えるようにする方法についてみてきました。

表向きMicrosoftはWindows 11のシステム要件を満たさないPCに対してWindows 11のインストールを制限していますが、「BypassTPMCheck」や「BypassSecureBootCheck」といったエントリを使用することで要件を満たさないPCにもインストールを可能にしています。

Windows 11以降から追加されたセットアップ時のインターネット接続やMicrosoft アカウントといった要件に関しても同様に今回紹介したような回避する方法を用意していたりと、新しく設けた制約や制限をMicrosoftが無効にする手立てを用意するなどしています。

この回避方法が全ての環境で利用できるわけでもありませんし、結局ユーザにとってはひと手間掛かるわけなので、色々ツッコミどころはありますが、Microsoftの面白い部分かなぁと思います。

ぜひ、皆様の作業が無事に終えられることを願っております。

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