Nvidiaは2024年2月、サポートが終了した旧型グラフィックカードおよびWindowsの旧バージョン向けに重要なセキュリティアップデートをリリースとNeowinが伝えました。このリリースは最新のハードウェアやソフトウェアへのアップグレードが困難なユーザや企業をサポートするためのものです。
Keplerアーキテクチャ向けアップデート
まず、NvidiaはKepler (ケプラー)アーキテクチャを採用した古いグラフィックカード (GeForce 600シリーズ、GeForce 700シリーズ、および一部のGeForce 800Mモデル)向けにドライバー474.82をリリースしました。このアップデートは、これらのカードが最新のゲーム向けには最適化されていないものの、セキュリティ上の脆弱性に対処するために提供されます。Nvidiaによると、これらの更新は「複数のセキュリティ影響につながる問題」に対処するもので、ユーザーのシステムを潜在的な脅威から保護することを目的としています。
Windows 7、8、8.1向けアップデート
また、NvidiaはWindows 7、8、8.1を使用しているユーザ向けにもドライバー474.89をリリースしました。これらのWindowsバージョンは既にMicrosoftからのセキュリティアップデートを受けておらず、多くの開発者によるサポートも終了しています。しかし、Nvidiaはこれらのシステムに対してもセキュリティ上のリスクを軽減するためのアップデートを提供することを選択しました。
なお今回公開されたドライバーはWHQL(Windows Hardware Quality Labs)認証を受けていません。これはMicrosoftが既にWindows 7でのWHQL認証のドライバーの受け入れを停止したためで、一部のユーザは留意すべきかもしれません。
なぜ今セキュリティアップデートなのか
ハードウェアとソフトウェアの両方で常に新しい製品がリリースされています。しかし、すべてのユーザや企業が最新のテクノロジーに迅速にアップグレードできるわけではありません。費用、互換性の問題、または特定のアプリケーションへの依存など、多くの理由で旧システムを使用し続ける必要がある場合があります。Nvidiaはこのようなユーザのニーズを認識し、システムが安全であることを保証するために、これらの重要なセキュリティアップデートをリリースしました。
Nvidiaは現在半導体売上で世界首位など、人工知能関連の関心の高まりもあり、急伸を続けています。息の長いサポートやセキュリティ的なアップデートなどを提供することによりユーザや企業に対してもNVIDIAを選択するメリットを提示できる可能性もあり、こうした対応が他の企業にも波及していくことで、古いハードウェアで学びたいという初学者にとっても優しい世界になるかもしれません。
NVIDIAがリリースしたドライバー 474.82と474.89はNVIDIAの公式サイトからダウンロード可能です。
なお、リリースノートはこちらからダウンロードできます。(474.89のリリースノートはこちら)