アップルが後継者計画を加速との報道、最有力はジョン・ターナス氏。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、米Appleがティム・クックCEOの退任を見据え、早ければ来年にもトップ交代が実現し得るシナリオを前提に、後継者計画を本格化させていると報じました。(MacRumors)
取締役会と経営幹部がここ最近、クック氏から次期CEOへの「バトンの受け渡し」に向けた準備を強化しているといいます。
早期発表ならWWDC・iPhoneイベント前に体制固め
FTの報道内容を整理すると、Appleは少なくとも来年1月下旬に予定される次回決算発表までは新CEOを指名しない見通しとされています。
一方で、年明け早い段階で退任と新体制を発表できれば、6月の開発者会議「WWDC」や9月のiPhone発表イベントといった大型イベントの前に、経営陣の移行をスムーズに完了できると関係者は見ているようです。

もっとも、最終的な決定はまだ下されておらず、タイミングは状況次第で変わる可能性が高いとも伝えられています。
ロイター通信によれば、Appleはこうした報道に対して求められたコメントに対して回答はなかったとしています。
後継最有力候補はハードウェア統括のジョン・ターナス氏
後継候補として複数の報道で名前が挙がっているのが、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナス氏です。
ターナス氏は2001年にAppleに入社し、iPhoneやiPad、Mac、AirPodsなど主要ハードウェア製品の開発を統括してきた人物で、現在はハードウェア全体を束ねるポジションにあります。

年齢は50歳前後とされ、クック氏が2011年にCEOに就任した際とほぼ同じ世代。報道各社は、長期的な経営を任せられる「若い世代」の幹部として、ターナス氏が取締役会から高い信頼を得ていると伝えています。
ティム・クックの14年と“65歳”という区切り
クック氏は2011年8月、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏からバトンを受け継ぐ形でAppleのCEOに就任しました。以来14年以上にわたり同社を率い、時価総額を数千億ドル規模から世界初の3兆ドル企業へと押し上げた立役者とされています。
クック氏は今年11月に65歳の誕生日を迎えており、米国企業の経営者にとって一般的な「引退年齢」に差し掛かったことから、以前から退任時期を巡る観測は根強く存在していました。直近の決算では9月期に過去最高売上を記録し、続く12月期(ホリデーシーズン)も同社史上最高の四半期になるとの見通しを示しており、業績面は極めて好調とされています。株価も史上最高値圏で推移していると報じられています。
こうした背景から、今回の後継者報道についても「業績悪化に伴う引責」ではなく、中長期的な世代交代やガバナンス強化の一環として位置づける見方が有力です。
Bloombergマーク・ガーマン氏は「差し迫った動きは感じない」
一方で、このFT報道に対しては慎重な見方も出ています。Apple内部事情に精通することで知られるBloombergの記者、マーク・ガーマン氏はX(旧Twitter)への投稿で、ターナス氏が有力候補である点には同意しつつも、「FTが報じているような差し迫った動きは感じない」とコメント。以前からアップル経営陣の大規模な人事刷新が近いとは述べていたものの、「来年すぐの退任」を示唆する報道には距離を置くスタンスを見せています。
ガーマン氏は過去のニュースレターで、ターナス氏が既に製品ロードマップや戦略決定にも深く関与していること、そしてクック氏が後継者は社内から選びたいと公言していたことなどを指摘しており、「いつかはターナス氏がCEOになる可能性は高いが、そのタイミングはまだ不透明」という見立てです。
AI時代のAppleにとっての意味
Appleは現在、生成AIやクラウドAI基盤の整備で他社に後れを取っているとの指摘もあり、AI投資や人材の強化が急務とされています。
クック体制の下で、同社はプライバシー重視の路線を維持しつつ、Siriの高度化やデバイス上でのAI処理などに取り組んできましたが、競合するBig Techに比べると投資規模が見劣りするとの評価もあります。

もしターナス氏が次期CEOに就任する場合、ハードウェア出身のトップとして、「デバイスの価値をどうAIで再定義するか」が最大のテーマになるとみられます。iPhoneやMacといった既存のハードウェアに、クラウド側のAIサービスをどう組み合わせていくのかは、日本の開発者やスタートアップにとっても大きな関心事となるでしょう。
いま何が「確かな事実」なのか
現時点(2025年11月下旬)で確実に言えるのは、次の3点です。
- Appleの取締役会と経営陣が、クック氏退任後を見据えた後継者計画を加速させていること──これはFT報道を複数のメディアが追認している。
- 最有力候補がジョン・ターナス氏であること──ハードウェア開発を長年率いてきた経歴とクック氏からの信頼が、その理由とされる。
- クック氏の退任時期は依然として確定しておらず、「早ければ来年」というのはあくまで関係者の見立てに基づく観測であること──ガーマン氏を含め、即時の退任は疑問視する見方も強い。
短期的には経営体制が直ちに変わるわけではなく、少なくとも来年1月の決算発表まではクック氏がCEOとして采配を振るう可能性が高いとみられます。
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