非対応MacでもUniversal Controlを有効にする方法: OpenCoreとSMBIOSスプーフィングの利用法

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非対応MacでもUniversal Controlを有効にする方法: OpenCoreとSMBIOSスプーフィングの利用法

前のページではユニバーサルコントロールを使用するための要件やSMBIOSのスプーフィング(偽装)方法を紹介し、ユニバーサルコントロールやSideCarを利用できないMacでも利用できるようにする設定などについて詳しく見てきました。

このページでは設定した内容をMacに適用するための操作を紹介し、設定適用後のApple IDの設定やユニバーサルコントロールの設定方法についてみていきたいと思います。

設定の適用: OpenCoreのビルドとインストール

ここまでの操作が完了したらOpenCoreをビルドし、ESPにインストールします。

▼ OpenCore Legacy Patcherのメインメニューから「Build and Install OpenCore」とあるボタンをクリックします。

▼ ビルドが終わると、下図のように「今すぐOpenCore をインストールしますか?」という旨、表示されますので、「Install to disk」というボタンをクリックします。

▼ Macに取り付けられているストレージを確認が始まります。

▼ ストレージの調査が終わると、インストール先を選択できるようになります。

▼ Macに複数のストレージが取り付けられている場合には複数のストレージが表示されます。
OpenCore をインストールしたいディスクを選択します。

▼ 内蔵ストレージ内のESPに書き込みたいので、「disk0s1 – EFI – 209.7 MB」を選択しました。

▼ パスワードを求められたら、Macのパスワードを入力してOKを押します。

▼ インストールが成功すると、再起動するか確認されます。
再起動をして、ここまでの作業が正しく行えているかを確認したい場合には「Reboot」をクリックします。

SMBIOSのスプーフィング適用後の操作と注意点

正しく操作が完了すると、Macの再起動後にApple IDの設定を見直すようアラームが表示されます。
Apple IDのパスワードを再度入力して設定を完了します。

※ もし、Macの再起動後にApple IDの設定を見直すようなアラートが表示されない場合にはここまでの作業に問題があった可能性があります。

macOS VenturaでのApple ID再設定方法

▼ 「”{メールアドレス}”に問題があるため、このMacをiCloudに接続できません。」と表示されたら「Apple ID設定…」をクリックします。

▼ Apple IDのパスワードを入力し、「次へ」をクリックします。

▼ Apple ID の 2 ファクタ認証が有効な場合、既に2ファクタ認証でサインインを済ませているApple デバイスに確認コードが送信されます。Apple デバイスが利用できない場合には事前に登録した信頼できる電話番号に確認コードが送信されます。
これを入力し、「確認」ボタンをクリックします。

▼ これで完了です。

macOS MontereyでのApple ID再設定方法

▼ 「”{メールアドレス}”に問題があるため、このMacをiCloudに接続できません。」と表示されたら「Apple ID 環境設定…」をクリックします。

▼ Apple IDのパスワードを入力し、「次へ」をクリックします。

▼ Apple ID の 2 ファクタ認証が有効な場合、既に2ファクタ認証でサインインを済ませているApple デバイスに確認コードが送信されます。Apple デバイスが利用できない場合には事前に登録した信頼できる電話番号に確認コードが送信されます。
これを入力し、「確認」ボタンをクリックします。

▼ これでApple IDの再設定は完了です。

Universal Controlの有効化

最後にUniversal Controlが利用できるように設定を確認し、必要に応じて設定を変更します。

macOS VenturaでのUniversal Control設定方法

▼ Apple メニューから「システム設定」をクリックし、「システム設定」を開きます。
そして、右ペインをスクロールし、「ディスプレイ」を見つけます。

▼ 右ペインから「ディスプレイ」をクリックします。

▼ 赤枠で囲った「詳細設定…」ボタンをクリックします。

▼ ここでユニバーサルコントロールの設定を行うことができます。

▼ 設定を変更したら「完了」をクリックし、設定を確定します。

macOS Monterey以前でのUniversal Control設定方法

▼ Apple メニューから「システム環境設定」を順にクリックし、「システム環境設定」を開きます。
そして、「ディスプレイ」を見つけ、クリックします。

▼ 赤枠で囲った「ユニバーサルコントロール…」ボタンをクリックします。

まとめ

ここまで非対応のMacでもUniversal Controlを有効にする方法についてみてきました。

Universal ControlはmacOS 12 Montereyで導入された機能で、1台のMacから他のMacやiPadを制御し、入力デバイスを共有し、同時に複数のデバイス間でファイルを共有することが可能です。しかし、一部のMacモデルではこの機能が制限されています。

OpenCoreとFeatureUnlockを利用すれば、多くの非対応MacでUniversal Controlを有効にすることが可能になります。そのためには、特定の技術的要件を満たす必要があります。要件はWi-Fi 4 (802.11n)、Bluetooth 4.0、macOS Monterey 12.4以上、iPadOS 15.4以上、OpenCore Legacy Patcher 0.4.3以上となります。また、すべてのデバイスが同じiCloudアカウントにログインしていること、2要素認証がApple IDで有効になっていることなど、その他の要件もあります。

しかし、一部のモデルは上記の要件を満たしていてもAppleによりUniversal Controlの使用を制限されています。これらのモデルでは、SMBIOSのスプーフィング(偽装)を行うことでUniversal Controlを有効にすることができます。SMBIOSスプーフィングは、異なるマシンで実行されていると思わせるものです。この方法により、Universal Controlのハンドシェイクが異なるSMBIOSを認識し、制限されたMacが他のMacやiPadとUniversal Controlで接続することが可能になります。

やや複雑な作業で気を付けるべきポイントが沢山ありましたが、作業自体は難しくはありません。
ユニバーサルコントロールを有効にしたい方は、ぜひ慎重に作業をしていただき快適にご利用いただけたらと思います。

引き続き#あのかぼ#おんかぼではmacOS VenturaやOpenCore Legacy Patcherの最新情報をお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!

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