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【最新ガイド】MISTを使ってmacOSの起動可能なUSBインストーラを簡単に作成する方法

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【最新ガイド】MISTを使ってmacOSの起動可能なUSBインストーラを簡単に作成する方法

macOSのインストーラをダウンロードしたいという経験はありますか?
この記事ではmacOS ファームウェア/インストーラーを「Mist」を使用して、簡単に現在ダウンロード可能なmacOSのインストーラのダウンロードから、起動可能なインストールメディアの作成する方法について紹介していきたいと思います。

MacのメンテナンスのためにmacOSのブータブルインストールメディアを用意しておきたい方、macOSのISOをダウンロードしたい方、コレクションを作りたいといった方はぜひこの記事を参考に作業してみてください。

目次

手軽にmacOSのインストーラをダウンロード/ブータブルメディアを作成したい

これまで「あのかぼ」ではOpenCore Legacy PatchermacOS Catalina Patcherの使い方などを取り上げてきました。ただ、もし環境に問題が生じmacOSを古いバージョンに戻したいといったとき、任意のバージョンに素早く戻すのは意外と面倒です。

また、macOS起動可能なISOが欲しい場合や、インストールメディアを作成したい場合にはmacOSのインストールパッケージをダウンロードしターミナルで作成することは可能ですが、「MIST」(macOS Installer Super Tool)を使えばこれらの作業がもっと簡単に行えます。

MISTとは?

MISTはSwift言語で開発されたツールで、macOSのファームウェアやインストーラを自動でダウンロードする機能を備えています。
元々はコマンドラインツールとして開発された「Mist/mist-cli」をGUI化したもので、誰でも簡単に操作できるのが特徴です。

このMISTはニンディ・ギル(Nindi Gill :ninxsoft)氏によって開発されたオープンソースのツールです。
氏はApple認定Mac技術者としての経歴があり、現在はDropboxのエンジニアとして活躍しています​​。

MISTの主な特徴

MIST(とMist/mist-cli)は、Intel Macだけでなく、Apple Silicon Macの両方に対応しています。
一般的なインストーラ(.app)の形式だけでなく、ディスクイメージ(.dmg)の生成や起動可能なディスク イメージ (.iso)、macOS インストーラー パッケージ (.pkg) を生成することも可能で、多様なファイル形式をサポートしており、あらゆるシチュエーションや場面で利用が可能です。

対応しているファイル形式

  • .app (アプリケーション バンドル)
  • .pkg (macOS インストーラー パッケージ)
  • .dmg (ディスクイメージ)
  • .iso (ブートが可能なディスクイメージ)
  • .ipsw (Apple Silicon Mac向けの復元ファイル)

MISTは利用可能なmacOSファームウェア/インストーラのリスト表示機能があり、名前、バージョン、ビルド、サイズ、リリース日を表示することが可能です。

MISTを実行しているMacと互換のあるmacOS バージョンのみを表示させることもできる他、オプションで macOS のベータ版を一覧に表示させることも可能です。

これだけのことが「MIST」たった一つで可能です。それでは、MISTの使い方を見ていきましょう。

MISTを使ってmacOSのブータブルインストールメディアを作成する

MISTを使用してmacOSのブータブルインストールメディアを作成していきます。

用意するもの

  • macOSのブータブルインストールメディア(起動可能なインストーラ)を作成する場合
    • USBメモリ (Mac OS拡張(ジャーナリング)でフォーマットされたもの)

macOSのインストーラをダウンロードするだけであれば、特に用意するものはありませんが、ブータブルインストールメディアを作成する場合にはUSBメモリが必要です。

容量はインストーラを作成したいmacOS によって左右されますが、Mac OS X Lion 10.7~macOS Mojave 10.4 までは8GB以上、macOS Catalina 以降は16GB以上の空き容量を持つUSBメモリを用意するとよいでしょう。

またmacOSのバージョンによってはファイルサイズが12GB以上を超えることがあります。そのため、Macのストレージ自体もそれなりに空き容量が必要になります。
不要なファイルがMacに保存されている場合には可能な限り必要ないファイルを削除したり、外部ストレージに移動したりして空き容量を増やすようにしてください。

MISTをダウンロード

用意するものを確認したところで、次に「MIST」ダウンロードしていきます。

▼ まずはMISTのGitHubのリリースページから最新のMISTをダウンロードします。
Assetsにある「Mist.x.y.z.pkg」または「Mist.x.y.z.dmg」をクリックし、ダウンロードします。

.pkgを選ぶべきか.dmgを選ぶべきか

執筆時点で最新のMist 0.9.1には.pkg(パッケージ インストーラ)と.dmg(読み出し/書き込みディスクイメージ)が用意されています。

どちらも簡単にMacにMISTをインストールできますが、.pkgのものは、Mistのインストールにインストーラ(ウィザード)が用意されており、その指示に従ってインストール作業が行えます。

対して、.dmgは、ダウンロードしマウントした後、アプリケーションフォルダにドラッグアンドドロップをするだけでMISTのインストールは完了しますが、Mistのヘルパー(Privileged Helper Tool)を別途インストールする必要が出てくるかもしれません。

▼ 「Assets」が展開されていない場合には、赤枠で囲った「Assets」とある部分をクリックし、利用可能なファイルをダウンロードします。

▼ ダウンロードする際に許可を求められたら「許可」をクリックしダウンロードを続行します。

▼ ダウンロードが完了するとMist.x.y.z.pkg が出現しますので、実行します。

MISTをMacにインストールする

.pkgをダウンロードした方は、以下の操作で簡単にMistをMacにインストールすることができます。

▼ Mistのインストーラが立ち上がったら「続ける」をクリックします。

▼ Mistのインストールに必要な容量と共に、インストールされるディスクが表示されます。
インストール先を変更する必要がなければ「インストール」をクリックします。

▼ 「インストール」をクリックするとMacの管理者ユーザのパスワードが求められます。

▼ インストールが始まりました。インストールが完了するまで暫く待ちます。

▼ 「インストールが完了しました。」と表示されたら、指定したディスクにMistがインストールされました。「完了」をクリックします。

▼ 「”Mist.x.y.z”のインストーラをゴミ箱に入れますか?」と聞かれた場合には、どちらかをクリックします。

これでインストール作業は完了です!
続いて、インストールした「Mist」を使用してmacOSのブータブルインストールメディアを作成していきます。

MISTを使ってインストールメディアを作成する

まずはMacにインストールしたMistを起動させてみましょう。

▼ Macの「Launchpad」または「アプリケーションフォルダ」からMistを見つけ起動させます。

▼ Mistが立ち上がると、利用可能なmacOSのファームウェアとmacOSのインストーラのチェックが始まります。

この時、「Check for updates automatically?」(自動的にアップデートをチェックしますか?)というウィンドウが表示されることがあります。

これはMistの更新を自動的に確認するか問うもので、必要がなければ「Don’t Check」というボタンをクリックします。

自動的にMistのアップデートをチェックし、アップデートのダウンロードとインストールを行う場合には「Automatically download and install updates」とあるチェックボックスをオンにし、「Check Automatically」というボタンをクリックします。

▼ 利用可能なmacOSのファームウェアとmacOSのインストーラのチェックが完了するとダウンロードできるmacOSの一覧が表示されます。

▼ Mistの大まかな使い方です。
各機能は必要なところで詳しく紹介します。

▼ 今回はIntel Mac向けのブータブルインストールメディアを作成するので「Installers」タブをクリックします。

Mistでベータ版のmacOSを表示させる場合

▼ Mistでベータ版のmacOSを表示させたい時にはウィンドウ下部にある「Include Betas」とあるチェックボックスをオンにします。

▼ ただし、デフォルトの場合「Include Betas」をオンにしてもベータ版のmacOSがリストアップされない場合があります。

その場合には、Mistの設定から表示する内容を変更します。

▼ Macのメニューバーから「Mist」をクリックし、「Settings…」を選択します。

▼ 設定画面が表示されたら赤枠で囲った「Installers」をクリックします。

▼ 画面が切り替わったら「Software Update Catalogs」を確認します。
ここで、表示したいベータ版のチャンネルに応じて、「Customer」列、「Developer」列、「Public」列のチェックボックスをオンにします。

Mistでの表示リストに表示される内容
Customer列Customer Seed Program
Developer列Apple Developer Program
Public列Apple Beta Software Program

▼ チェックボックスをオンにすることができたらウィンドウを閉じます。

▼ そして、赤枠で囲ったリロードボタンをクリックします。

▼ すると再度、利用可能なmacOSのリストの取得が開始されます。

▼ リストにベータ版のmacOS が表示されるようになりました。

現在起動しているMacに対応したmacOSのみを表示させるには

▼ 現在Mistを立ち上げているMacに対応したmacOSのみを表示させるには、「Only show compatible versions」とあるチェックボックスをオンにします。

▼ これでMistは、Mistを起動しているMacに対応したmacOSのみをリストに表示するようになります。

▼ インストーラを作成するmacOS を見つけたら、その横にある赤枠で囲ったボタンをクリックします。

「macOS Installer not compatible!」と表示された場合

現在操作を行っているMacと選択したmacOSに互換がない場合、「macOS Installer not compatible!」 (macOS インストーラーは互換性がありません。)という警告が表示されます。

▼ 問題がない場合には「Continue」ボタンをクリックし作業を続行します。

▼ そして赤枠で囲ったセレクトボックスをクリックします。

▼ macOSのブータブルインストールメディアにしたいUSBメモリを選択します。
複数のUSBメモリやその他ストレージが取り付けられている場合には誤って別のストレージを選択しないように注意しましょう。

ここで選択されたストレージは作業開始後に自動ですべてのデータが消去されます。
選択したUSBメモリ内に必要なデータが格納されていないか、作業前に必ず確認してください。

ブータブルメディアにするUSBメモリが表示されない場合

執筆時点で最新版のMist 0.9.1ではブータブルメディアの作成時に認識できるUSBメモリのフォーマット形式は「Mac OS拡張(ジャーナリング)」のみです。

MistにブータブルメディアにするUSBメモリが表示されない場合にはMacに挿入したストレージがMac OS拡張(ジャーナリング)であるか確認してください。

Mac OS拡張(ジャーナリング)でない場合にはディスクユーティリティを使用してUSBメモリをフォーマットしなおします。
「ディスクユーティリティ」を利用してUSBメモリを「Mac OS拡張(ジャーナリング)」でフォーマットする方法はこちらをご覧ください。

▼ macOSのブータブルインストールメディアにしたいUSBメモリの選択が完了したら、「Select」ボタンをクリックします。

▼ あとは自動的に処理が行われます。
Mistが行っている作業をリアルタイムで確認することができますので、作業が完了するまで時々様子を確認しながらMacの電源を切らないようにそのまま暫く待ちます。

▼ なお、「Creating Bootable Installer…」という項目では、USBメモリに対し、macOSのインストーラの書き込みを行います。この作業には30分から1時間程度の時間を要する場合があります。

▼ すべての項目にチェックマークが付き、「Close」ボタンが表示されたらすべての作業が完了しました。
「Close」ボタンをクリックし、Mistを閉じます。

お疲れさまでした!

まとめ

ここまでMISTを使ってmacOSの起動可能なインストールメディアを作成する方法についてみてきました。

起動可能なインストールメディアを作成しておくことで、MacのOSインストールやトラブルが発生した際にも素早くmacOSのインストールが行るようになります。

Macの突然のトラブルの際にも素早くmacOSをインストールすることができ、Macのメンテナンスが今まで以上にシームレスに行えると思います。

macOSのブータブルインストールメディアを作成したい方は、このガイドを参考にサクッと作業いただければ幸いです。

弊サイトと「おんかぼ!」では引き続きmacOS SonomaやMacの最新情報をお届けします。
記事の更新については、かぼしーのTwitterアカウントHumin.meで紹介しますので、ぜひフォローいただけると幸いです!

それでは引き続き素敵なMacライフを!

MISTに関するよくある質問

MISTを使ってmacOSのISOをダウンロードすることは可能ですか?

MISTを使用して起動可能なmacOSのISOファイルを生成することが可能です。具体的には、Intel CPUを搭載したMac向けにブータブルディスクイメージ (.iso)を生成する機能がMISTに備わっています。
この機能を使用することで仮想化ソフトウェア (例: Parallels Desktop, VMware Fusion, VirtualBoxなど)にmacOSを簡単に導入できるようになります。

MISTを使用して起動可能なmacOSのISOファイルを自動で生成する方法は「MISTを使って簡単に歴代のmacOSのISOやインストーラをダウンロード・作成する方法」で詳しく解説しています。

MISTは何の略ですか?

macOSのファームウェアやインストーラを自動でダウンロードするユーティリティの「MIST」は「macOS Installer Super Tool」の略称です。

ブータブルメディア作成時にUSBメモリがMISTに表示されません

ブータブルメディアの作成時、MISTにUSBメモリが表示されない場合にはUSBメモリのフォーマット形式を確認してください。
執筆時点最新版であるMist 0.9.1ではMistで認識できるUSBメモリのフォーマット形式は「Mac OS拡張(ジャーナリング)」のみです。
フォーマット形式がMac OS拡張(ジャーナリング)以外の場合にはディスクユーティリティを使用してフォーマットしなおして再度試してみてください。

ディスクユーティリティを使用してMac OS拡張(ジャーナリング)としてフォーマットする方法はこちらをご覧ください。

2023.11.09 追加の記事を2件記事に挿入しました。