Appleのサポートが終了した古いMacでも最新のmacOSをインストールできるツール「OpenCore Legacy Patcher」(OCLP)の最新バージョン2.0.0がリリースされました。
OCLP2.0.0はセマンティックバージョニングに切り替わって以来初のメジャーアップデートで、今回のリリースでは、特にmacOS Sequoiaへの対応が注目され、83種類の非サポートMacモデルがAppleの最新OSを利用可能となります。この記事では、新機能や改善点、そしてmacOS Sequoiaの対応に関する詳細について解説します。
macOS Sequoia対応で83モデルがサポート外から復活
「OpenCore Legacy Patcher 2.0.0」は、多くの古いMacに最新のmacOS Sequoiaをインストールできるようにするため、多くの新機能や最適化が行われました。このリリースによって、2008年から2012年に発売されたMacBookやMac Proをはじめ、83種類のモデルが再び最新のmacOSを利用できるようになります。
主なサポート対象モデル:
- MacBookシリーズ: MacBook5,1からMacBook10,1まで
- MacBook Airシリーズ: MacBookAir2,1からMacBookAir7,xまで
- MacBook Proシリーズ: MacBookPro4,1からMacBookPro14,xまで
- iMacシリーズ: iMac7,1からiMac18,xまで
- Mac miniシリーズ: Macmini3,1からMacmini7,1まで
- Mac Proシリーズ: MacPro3,1からMacPro6,1まで
これにより、従来のmacOSアップデートの対象外となっていた数多くのMacが、最新のmacOS環境を手に入れることができるようになります。
macOS Sequoiaでの制限事項
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0では、macOS Sequoiaのサポートを大幅に強化した一方で、執筆時点ではいくつかの制限事項が存在します。以下は、特に注意が必要な点です。
- T2チップを搭載した2018年のMacBook Air(MacBookAir8,x)の非対応
- MacBookAir8.xは、macOS Sequoiaのサポートから除外されています。サポートの追加時期については現時点で未定です。
- 2008年製のMac Pro(MacPro3,1)およびXserve(Xserve2,1)のCPU制限
- 現在、これらのモデルでは最大4コアでのみmacOS Sequoiaが動作します。4コア以上で使用するとシステムが不安定になるため、OpenCore Legacy Patcherが自動でコアを無効化します。ただし、古いOSではこの制限を解除可能です。
- 非MetalグラフィックスカードによるPhotosアプリの非対応
- 非MetalベースのGPUを搭載したMacでは、写真(Photos)アプリが機能しません。この問題は主に2012年以前のMacに影響しますが、解決時期は未定です。
関連> OpenCore Legacy Patcher、ナイトリ―ビルドのOCLP 2.0.0でmacOS 15 Sequoiaの早期アクセスを提供開始 サポートに向けた大きな前進
関連> OpenCore Legacy Patcher、2024年冬までにmacOS 15 Sequoia対応を目指す
非Metalグラフィックスを搭載するMacのモデル
非Metalグラフィックスを搭載する以下のモデルでは、写真アプリが機能しないほか、一部のグラフィックス関連の機能が制限されます。
- MacBookシリーズ: MacBook5,1 から MacBook7,1 まで(2008年〜2010年)
- MacBook Airシリーズ: MacBookAir2,1 から MacBookAir4,x まで(2008年〜2011年)
- MacBook Proシリーズ: MacBookPro4,1 から MacBookPro8,x まで(2008年〜2011年)
- iMacシリーズ: iMac7,1 から iMac12,x まで(2007年〜2011年)
- Mac miniシリーズ: Macmini3,1 から Macmini5,x まで(2009年〜2011年)
- Mac Proシリーズ: MacPro3,1 から MacPro5,1 まで(2008年〜2012年)
OCLP2.0.0の新機能とパフォーマンス
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0では、単にmacOS Sequoiaをサポートするだけでなく、パフォーマンスの向上や安定性の改善が施されています。特に以下の機能が追加されました。
- gktoolサポートの追加
macOS Sonoma以降のシステムでは、Gatekeeperの「確認」プロンプトがPKGインストール後に表示されることがありますが、新たにgktoolを活用することでこれを回避できます。 - ファイルコピー処理の高速化
「Copy on Write」検出機構が導入され、特にAPFSボリュームでのファイルコピー操作が効率化されました。 - 新しいパッチセット検出アーキテクチャ
新たにパッチセットの検出システムが実装され、システムの安定性と信頼性が向上しました。 - Metal 3802ベースのGPU向けの新しいサポート
Metal 3802ベースのGPUに対するmacOS Sequoiaサポートを強化するために、「MetallibSupportPkg」システムが導入されました。
今後の展望と開発
OpenCore Legacy Patcherはオープンソースコミュニティによるプロジェクトであり、開発は継続的に進められています。今後も未解決の問題や新しい機能の追加が期待されますが、現時点では一部の機能に制限が残ることが予想されます。利用者には、特定の問題に直面した場合は、必要に応じて古いmacOSの使用を検討することが推奨されています。
OpenCore Legacy Patcher のダウンロード方法
OpenCore Legacy PatcherのダウンロードはOCLPのGitHubリポジトリから行うことが可能です。
▼ こちらのページを開き、「Assets」欄が表示されるまで下にスクロールします。
▼ 「Assets」欄から利用可能なパッケージを確認し、リストの中から「OpenCore-Patcher.pkg」をクリックします。
▼ ダウンロードする際に、”github.com”でのダウンロードを許可するように求められたら「許可」をクリックします。
するとOpenCore Legacy Patcherのダウンロードが始まります。
OpenCore Legacy Patcher の使い方をもっと知りたい方は
OpenCore Legacy Patcher (OCLP)の使い方や特徴についてさらに知りたい方は弊サイト (あのかぼ)のガイドや「おんかぼ」内のクイックガイド、OpenCore Legacy Patcher専門サイトの「OCLP.net」で掲載されている各ガイドをぜひご覧ください。
これらのOpenCore Legacy Patcherのガイドでは、1操作ずつ分かりやすくスクリーンショット付きで解説しています。
あのかぼ
- OCLPでmacOS Sonoma 14 をインストールする方法をまとめたガイド
- OCLPでmacOS Big Sur 11 ~ Ventura 13をインストールする方法をまとめたガイド
まとめ
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0は、最新のmacOS Sequoiaをサポートし、古いMacユーザーに新たな可能性を提供します。非サポートモデルでも最新OSを使いたいユーザーにとって、非常に価値のあるツールとなっています。とはいえ、一部の機能には制限があるため、問題が発生した場合は適切な対策を講じる必要があります。