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Microsoft、レジストリ改変によるデフォルトアプリ変更をブロックするUCPDドライバーを密かに追加

Windows

Microsoft、レジストリ改変によるデフォルトアプリ変更をブロックするUCPDドライバーを密かに追加

Microsoftは毎月第二火曜にWindows向けの定期アップデート「Patch Tuesday (パッチチューズデー)」を実施しています。これらのアップデートは主にセキュリティ強化を目的としていますが、時には新たな問題を引き起こすこともあります。
2024年の2月と3月のアップデートでは、レジストリ経由でのデフォルトアプリの切り替えをブロックする、ある変更が行われたとNeowinが報じています。

ユーザからの指摘が問題の発見の糸口に

この変更は、ITコンサルタントであるクリストフ・コルビッチ (Christoph Kolbicz)氏によって指摘されました。Kolbicz氏が開発したSetUserFTAとSetDefaultBrowserというコマンドラインユーティリティが、最新のWindows 10アップデート後に機能しなくなったというユーザからの報告を受けたことがきっかけです。

最新のWindows 10アップデートの後、#SetUserFTA と #SetDefaultBrowser の http/s 関連付けが機能しなくなったと複数の報告を受けました。自分ではまだ再現できていませんが、問題の原因はわかっています。Microsoftがこのような措置を取ることは予想していました。対応中ですので、続報をお待ちください。

Kolbicz氏の投稿を和訳したもの

UCPDドライバーの解析

Kolbicz氏の調査により、Microsoftが導入した新しいフィルタドライバー「UCPD.sys (User Choice Protection Driver)」が、UserChoiceレジストリキーへの書き込みを阻止していることが明らかになりました。このキーは、ユーザーが自分で設定したプログラムがデフォルトのアプリケーションとして使用されることを保証するためのものです。

「UserChoice」レジストリキーとは

Windows 8から導入されたUserChoiceレジストリキーは、OSのセキュリティを向上させるために設計されました。このキーに格納されたハッシュ値は、デフォルトプログラムの設定がユーザによって行われたことを証明します。

なぜこの変更が行われたのか?

この変更の影響で、IT管理者やシステム管理者は、SetUserFTAやSetDefaultBrowserといったツールを用いて、Windowsファイルタイプの関連付けを簡単に設定できなくなりました。この措置は、欧州連合 (EU)のデジタル市場法 (DMA)に準拠するための一環であるとも考えられています。

まとめ

現在のところ、Windowsの設定アプリを通じてデフォルトブラウザを変更することは可能ですが、スクリプトやその他のツールを使用した変更はブロックされています。この問題を発見したKolbicz氏をはじめ、多くの関係者が解決策や回避策を探っています。