macOS のインストーラはそのOSをサポートしているMacしか入手することが出来ません。
その為、別の新しいMac向けにmacOS Venturaの起動可能なUSBインストーラを作成しようにも、古いMacではその作業が出来ません。
この記事ではそんな環境出来もmacOSのブータブルメディアを作成する方法についてまとめました。
目次
- 想定される記事の活用例
- 用意するもの
- OpenCore Legacy Patcherをダウンロードする
- OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOSのインストーラをダウンロードする
- ターミナルを使用して起動可能なmacOSのインストーラを作成する
- トラブルシューティング
- まとめ
想定される記事の活用例
例えば、macOS VenturaをサポートしていないMacBook Pro (13-inch, Mid 2012)などで、macOS VenturaをサポートしているMac用にmacOS Venturaのインストーラを作成しようにも、macOS VenturaをサポートしていないMacではインストーラをダウンロードすることはできません。
つまり、新しいMacで何らかのトラブルが発生しmacOSのブータブルメディアが必要になっても、古いMacではブータブルメディアを作成できないことになります。
この記事では古いMacでも最新のmacOSの起動可能なインストーラを作成する方法についてまとめました。
用意するもの
- 32GB程度のUSBメモリ
- OS X 10.7以上がインストールされたMac
- OpenCore Legacy Patcher
AppleによるとUSBメモリは14 GB 以上のストレージということなので、16GBのUSBメモリでも使用できると思いますが、この記事では32GBのUSBメモリを使用しました。
新しくUSBメモリを購入される方は16GBよりも32GBのUSBメモリの方がコストパフォーマンスに優れているために、32GBのUSBメモリをオススメします。
バッファロー USBメモリ 32GB USB3.2(Gen1)/3.1(Gen 1)/3.0/2.0 充実サポート RUF3-K32GA-BK/N
※ この方法にはmacOSのインストーラーのダウンロードにOpenCore Legacy Patcherを使用しますが、今回の内容はあくまでも「最新macOSに対応したMac」向けのピュアなインストーラーを作成します。
※ USBメモリ内のデータはすべて消去されます。
OpenCore Legacy Patcherをダウンロードする
OpenCore Legacy Patcher Releases よりGUI版のOpenCore Legacy Patcherをダウンロードし、展開します。
▼ まずはOpenCore Legacy Patcher Releasesを開き、下にスクロールします。
▼ Assetsにある「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」をクリックし、ダウンロードします。
▼ ダウンロードする際に許可を求められたら「許可」をクリックします。
OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOSのインストーラをダウンロードする
▼ 先ほどダウンロードしたzipファイルを展開するとOpenCore Patcher.app が出現しますので、実行します。
この時、「”OpenCore-Patcher”はインターネットからダウンロードされた…」と表示されたら「開く」をクリックします。
▼ OpenCore Legacy Patcherが立ち上がったら、「Create macOS Installer」を選択します。
▼ 今回はmacOSのインストーラを新しくダウンロードしたいので「Download macOS Installer」をクリックします。
▼ ダウンロード可能なリストが表示されるまでしばらく待ちます。
▼ すると現在ダウンロード可能なmacOSのバージョンが一覧で出力されます。
ここで出力されたものの中から、ダウンロードしたいバージョンのボタンをクリックすることで入手することができます。この例ではmacOS Venturaをダウンロードしますので、「macOS 13.x.y」から始まるものをクリックします。(ここでは、macOS Venturaでは(執筆時点で)一番最新のmacOS 13.0をクリックしました。)
▼ ダウンロードが始まりました。
環境によってはダウンロードに時間がかかるので、余裕があれば休憩の準備をしておきましょう。
(次のステップはもうちょっと時間がかかるかもしれませんので。)
もしも、まだインストールメディアにしたいUSBメモリを挿入していない場合には、そろそろMacに取り付けておいてもいいかもしれません。
▼ ダウンロードしたデータに誤りがないかの確認作業(ベリファイ)が始まります。
▼ ダウンロードの終盤にMacのパスワードを求められます。パスワードを入力して「OK」をクリックします。
▼ アプリケーションフォルダにInstallAssistant.pkgがコピーされます。
▼ Finished extracting to Applications folder!と表示されればダウンロード完了です。
OpenCore Legacy Patcherを閉じて、macOSのブータブルメディアを作成していきます。
ターミナルを使用して起動可能なmacOSのインストーラを作成する
macOSのインストーラが入手出来たら、ターミナルを使用してUSBメモリに書き込んでいきます。
ダウンロードしたOSに対応したコマンドをコピーしてターミナルに張り付けます。
macOS Ventura
sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/KIOXIA
macOS Monterey
sudo /Applications/Install\ macOS\ Monterey.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/KIOXIA
macOS Big Sur
sudo /Applications/Install\ macOS\ Big\ Sur.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/KIOXIA
▼ コマンドを実行すると、Macのパスワードを求められますので入力します。
この時、入力した内容は画面には反映されませんが、正しく入力を受け付けているはずです。
パスワードの入力が出来たらreturn (Enter)キーを押します。
▼ オプションの引数を使用していない場合にはパスワードの入力の後、「続行するには、ボリュームを消去する必要があります。」という旨が表示され、続けるには「Y」を入力するように求められます。
Yを入力したら、先ほどと同様にreturn (Enter)キーを押します。
▼ 作業が終わるまで暫く待ちます。
▼ 「Install media now available at “/Volumes/Install macOS Ventura”」と出力されたら作業完了です。
お疲れさまでした!
次のページではトラブルが発生した際の解決方法を掲載しています。