OpenCore Legacy Patcher (OCLP)のプロジェクトリーダであるMykola Grymalyuk氏は自身のX (Twitter)を更新し、6月10日 (米国現地時間)から開催されたWWDC24で発表されたmacOS 15 Sequoiaに搭載される「iPhoneミラーリング」にT2チップやApple Siliconが要件に含まれている理由を説明しました。
同投稿内ではOpenCore Legacy Patcher (OCLP)やHackintoshについても言及し、T2チップによる認証が行えないハードウェア構成では「iPhoneミラーリング」を利用することができないという見解を示しました。
目次
- 「iPhoneミラーリング」について言及したミコラ氏の投稿の中身
- 「iPhoneミラーリング」はT2チップやApple Siliconでのハードウェア認証が必須
- macOS 15 Sequoiaは非対応なもののT2チップを搭載したMacBook Air 2018と2019は
- まとめ
「iPhoneミラーリング」について言及したミコラ氏の投稿の中身
AppleがmacOS 15 Sequoiaで搭載する新機能の「iPhoneミラーリング」はmacOS 15 Sequoiaを搭載する多くのモデルで動作する注目の新機能です。iPhoneミラーリング機能は、iPhoneの画面をMacに表示し操作できることからますますMacとiPhoneが使いやすくなりますが、この機能はすべてのMacで利用できるわけではありません。
これについてOCLP のプロジェクトリーダであるミコラ(Mykola)氏は27日にXを更新し、この「iPhoneミラーリング」の技術的な制約についてスクリーンショット付きを添付した上で説明しました。
iPhoneミラーリングがT2チップやApple Siliconの機能である理由(つまり、2019年のiMacでは動作しない理由)を知りたい方へ、Appleがペアリングのためにハードウェアデバイスアテステーションを使用しているようです。
そのため、OpenCore Legacy Patcherを使用した古いマシン(またはHackintosh)では、この機能は残念ながら動作しません。
ミコラ氏は「Appleがペアリングのためにハードウェアデバイスアテステーションを使用している」と投稿内で明かし、これがiPhoneミラーリングを使用する際にT2チップやApple Siliconが必要な理由としました。
「iPhoneミラーリング」はT2チップやApple Siliconでのハードウェア認証が必須
ミコラ氏は「Appleがペアリングのためにハードウェアデバイスアテステーションを使用している」と投稿内で説明していますが、そもそも「ハードウェアデバイスアテステーション」(ハードウェアデバイス認証)とは何なんでしょうか?
このセクションではハードウェアデバイスアテステーションと添付されたスクリーンショットについて詳しく見ていきます。
ハードウェアデバイスアテステーションとは?
iPhoneミラーリング機能が特定のMacでしか動作しない理由の一つは、「ハードウェアデバイスアテステーション」(ハードウェアデバイス認証)にあります。これは、デバイスが正当なハードウェアであることを証明するためのセキュリティ機能です。AppleのT2チップやApple Siliconを搭載したMacは、このアテステーション機能を持っています。
このアテステーション機能により、Macは接続するデバイスの信頼性を検証し、正当なデバイスであることを確認します。これにより、セキュリティが強化され、認証されたデバイス間でのみ特定の機能が利用できるようになります。
AppleはmacOS Sonoma 14.0以降で、エンタープライズ向けの新機能として管理対象デバイスの認証 (Managed Device Attestation)のデバイスアテステーション機能をmacOSにも提供するようになりました。これにはT2チップやApple Siliconが必要になります。技術的にはこれらの機能を利用してる可能性があるかもしれません。
投稿内に添付されたスクリーンショットの中身は
同投稿にはT2チップを搭載していないMacでmacOS 15 Sequoiaが動作しているらしいスクリーンショットが添付されていました。
このスクリーンショットには「コンソール」と「iPhoneミラーリング」が立ち上がっており、デバイスがiPhoneとペアリングしようとする過程で発生したエラーが詳細に記録されています。
右側に映る「iPhoneミラーリング」にはiPhoneをMacに接続しようとした際のエラーメッセージが表示されています。「Unable to Connect to iPhone」(iPhoneに接続できません)というメッセージとともに、BluetoothとWi-Fiが有効であることを確認するように指示されています。
左側の「コンソール」には「MobileActivationMacOSDaemon issueDCRT:withCompletionBlock:」というエラーが「Not supported on this device」として記録されています。これにより、使用しているMacが必要なハードウェア機能をサポートしていないことが明確に示されています。この他にも「DCRT retrieval failed」「Invalidating」などのメッセージから、認証プロセスが正常に完了しなかったことがわかります。
macOS 15 Sequoiaは非対応なもののT2チップを搭載したMacBook Air 2018と2019は
一方でT2チップを搭載しているものの、今回macOS 15 Sequoiaのサポートから外されたMacもあります。
このようなMacではOCLPがmacOS 15 Sequoiaをサポートした際に、iPhoneミラーリングが使用できるのか疑問に思うかもしれません。ミコラ氏は現時点でこの件についてコメントはしていません。
OCLP自体がmacOS 15 Sequoiaをサポートする大きな動きはまだあまりなく、これからmacOS 15 Sequoiaの調査をしていく上で、発表されるものと思われます。
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まとめ
ここまで、iPhoneミラーリングにT2チップかApple Siliconが必要な理由についてミコラ氏のXでの投稿を基に考察しました。
ミコラ氏のiPhoneミラーリングについて解説する投稿内ではHackintoshの他、OpenCore Legacy Patcherについても言及がありました。OCLPやHackintosh環境下では利用できないとされていますが、T2チップを搭載しているもののmacOS SequoiaをサポートしないMacBook Air 2018やMacBook Air 2019ではiPhoneミラーリングがOCLPに搭載されているFeatureUnlockのような機能を使用して、利用できるようにある見込みはあるのかについてはコメントはありません。
macOS 15 SequoiaのIntel Macで使える数少ない魅力的な機能なだけに、OCLPで利用できないことは寂しく思う方もいらっしゃるかもしれません。
今後のOpenCore Legacy Patcherの開発に期待がかかります。
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