本稿では、Windows 11以降のコンテキストメニューを従来のコンテキストメニューに戻す方法について紹介します。
目次
この記事でできること
Windows 11では、コンテキストメニュー(右クリックして開くメニュー)のデザインが変更されました。
この変更によりWindows 10以前のコンテキストメニューが廃止されたわけではないものの、マウス操作からコンテキストメニューを開く際には新しいバージョンで開くようになっています。
本稿ではこのコンテキストメニュー(右クリックメニュー)をWindows 10以前のデザインに戻す方法について紹介します。
設定を変更せずに従来のコンテキストメニューを開く方法
従来のコンテキストメニューを開く場合には、新しいコンテキストメニューの最下部、またはその付近に表示される「その他のオプションを表示」をクリックすることで元のデザインを表示できる他、キーボード操作でコンテキストメニューを開くことで、一発でWindows 10までのデザインのコンテキストメニューを開くことができます。
キーボード操作の場合には、コンテキストメニューを開く対象をクリックした後、Shift + F10 キーを押します。
また、アプリケーションキーがキーボードにある場合には、コンテキストメニューを開きたい対象をクリックした後、アプリケーションキーを押しても同様に以前のデザインのコンテキストメニューが開きます。
ただし、近年アプリケーションキーは省略されるケースが多く、アプリケーションキーがあったとしても、別のキー(Ctrl キーなど)に併合されている場合などがあります。
▼ アプリケーションキーのデザイン例
従来のコンテキストメニューに戻す方法
マウス操作でも元のコンテキストメニューに戻したいという場合には以下の操作を行います。
▼ まずWindows + R キーを押下し、「ファイル名をして実行」(Run)を開きます。
▼ ここに、「regedit」と入力し、Enter キー、または「OK」ボタンをクリックします。
レジストリを操作するにはレジストリエディタを管理者で立ち上げる必要があります。
▼ UAC(ユーザーアカウント制御)により操作を求められた場合、「確認済みの発行元」が「Microsoft Windows 」であることを確認し、「はい」をクリックします。
▼ レジストリ エディタが立ち上がったら、次のパスまで移動します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID
▼ パスへの移動は左ペインで順に選択しても良いですが…
▼ レジストリ エディタのアドレスバーに以下のパスを貼り付け、Enter キーを押下しても移動できます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID
▼ パスに移動出来たら、「CLSID」を右クリックします。
▼ そして、コンテキストメニューの「新規(N)」から「キー(K)」を選択します。
▼ すると新しいキーが作成されますので、この名前を以下のものにします。
{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}
「{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}」キーが作成できたら再び新しいキーを作成します。
▼ 今作成した「{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}」キーを右クリックします。
▼ コンテキストメニューの「新規(N)」から「キー(K)」を選択します。
▼ 新しいキーが作成されますので、このキーの名前を以下のものにします。
InprocServer32
▼ これでキーの作成は完了です。
▼ 今作成した「InprocServer32」キーの中には、赤枠で囲った「(既定)」という項目があるはずです。
この「(既定)」をダブルクリックします。
▼ そして、「値のデータ(V):」のテキストボックスは操作せず、「OK」ボタンをクリックします
▼ この操作によって、「(既定)」のデータが空白になれば作業完了です。
ここまでの作業ができたらパソコンを一度再起動し、コンテキストメニューが従来のデザインになっているかどうかを確認してください。
▼ マウスを使用して右クリックしてもWindows 10以前のデザインのコンテキストメニューが開かれるはずです。
Windows 11のコンテキストメニューに戻す方法
Windows 11の新しいコンテキストメニューに戻したい場合には、作成した{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}キーを削除するだけです。
▼ レジストリ エディターを開き、以下のパスまで移動します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}
▼ そして、作成した{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}キーを右クリックし、「削除(D)」を選択します。
▼ キーを削除した後、コンテキストメニューがWindows 11以降のデザインに戻っていることを確認してください。
まとめ
ここまで、Windows 11で変更されたコンテキストメニューのデザインと挙動をWindows 10以前のものに戻す方法について紹介しました。
Windows 11のコンテキストメニューではコピーや貼り付け、切り取りなどがアイコンで表示されるなど、モダンなデザインになったものの、Windows 7やWindows 10から乗り換えた方ではこの変更になれない方も多いのではないでしょうか?
また、7-zipなどを使用する際も「その他のオプションを表示」などをクリックする必要があるなど、ワンクッションあるため生産性や利便性が損なわれるケースも少なくありません。
やや面倒な作業だったかもしれませんが、快適にご利用いただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
ここまで、かぼしーがお伝えしました。
またお会いしましょう!
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2024.05.27 タグ「Windows Tips」を追加しました。
2023.07.01 記事公開時、未完成だった部分を追加及び、補足画像を追加しました。