「あのかぼ」のスピンオフサイト「ゼロかぼ」ができました。 詳しくはこちら>

Appleのデザインチーム、またも人材流出─長年の重鎮、Bart Andre氏が退社

レビュー

Appleのデザインチーム、またも人材流出─長年の重鎮、Bart Andre氏が退社

Appleのデザインチームが新たな節目を迎えています。同社の産業デザインチームの長年のメンバーであるバート・アンドレ (Bart Andre)氏が、30年以上にAppleでのキャリアに区切りをつけ、今年退職することがBloombergの報道により明らかになりました。

バート・アンドレ氏は1992年、ジョナサン・アイブ(Jony Ive) 氏と共にAppleに入社し、ジョナサン・アイブ氏が在籍していた期間中に同社の製品のデザインを確立しました。同氏の退職は、Appleのデザインチームにとって、再び衝撃が走るのは必至です。

人材の流出を止められないApple

この数年間、Appleのデザインチームは人材の流出の危機に瀕しています。2019年には故スティーブ・ジョブズ氏の右腕と言われたジョナサン・アイブが同社を離れ、自身のデザイン会社LoveFromを設立したことに始まり、その後もジョナサン・アイブ氏と共に働いていた多数の重要なデザイナーがAppleを去っています。2022年には、ジョナサン・アイブ氏の後任として産業デザイン部門の副社長を務めていたエヴァンス・ハンキー (Evans Hankey)氏も退職しました。

経営側主導のやり方にデザイナーからは不満の声も

ハンキー氏の退職後、Appleは製品デザインチーフのポジションを廃止し、運営部門の責任者であるジェフ・ウィリアムズ氏(Jeff Williams)の下で製品デザインチームを再編成しました。しかしBloombergによると、この再編成は一部のデザイナーからの不満を招いていると報じています。製品デザインチームは、「運営専門家」ではなくデザイナーによる主導を望んでおり、コスト削減の取り組みがデザインチームの創造性に影響を与えていると感じていると伝えました。

WWDC 2023でのティム・クック氏

Appleはここ数年、Appleを支えた著名なデザイナーの退社を抑えられず、これまでのAppleの製品を設計してきたデザイナーは僅かしか残っていません。これにより、同社のデザイン方針に新たな風をもたらす可能性があり、Apple製品の将来のデザインにおいて新しい方向性が見られるかもしれません。

まとめ

Appleはこれまで、その革新的なデザインで世界中のユーザを魅了してきましたが、Apple車内で一番長くデザイナーを務めたアンドレ氏の退職とデザインチームの再編は、同社が新しい時代に向けてどのようなデザイン哲学を築いていくのか、業界内外で注目されています。

今後、Appleがどのようにデザインチームを強化し、新たな才能を発掘・育成していくか、また、これらの変化が製品デザインにどのような影響を与えるのかが、多くのAppleファンにとって大きな関心事となっています。