この記事では2018年夏Webモデルとして東芝クライアントソリューション株式会社より発売されたdynabook PAZ55GB-SNA (モデル名: AZ55/GB)のSSD換装とメモリの換装、交換手順を紹介します。
今回のガイドは前回までに紹介しました2019年4月モデルとしてDynabook株式会社より発売されたdynabook P1-T6KB-EGのガイドと非常に似ていますが、ネジの様子が少しだけ異なります。
なお、この手順は使用されているパーツこそ違いがありますが、B65シリーズやBZ55シリーズとも殆ど同じ手順で分解ができるかと思います。
- dynabook AZ55/GB
- dynabook AZ35/CB
- dynabook AZ35/MB
- dynabook BZ35/NB
- dynabook BZ55/HB
- dynabook B65/DN
- dynabook B65/ER
- dynabook B65/H
- dynabook B65/M
- dynabook B65/J
目次
- 用意するもの
- dynabook AZ55/GB, B65のバッテリー交換方法
- dynabook AZ55/GB, B65を分解する
- Wi-Fiモジュールの交換について
- 作業を完了する
- (おまけ)dynabook AZ55/GBを見てみる
- まとめ
用意するもの
dynabook AZ55/GBの場合
- SSD 480GB (ストレージを換装する場合)
- SSD 960GB (ストレージを換装する場合)
- SODIMM DDR4 8GB (メモリを増設する場合)
- SODIMM DDR4 16GB (メモリを増設する場合)
- E-Value 精密ドライバーセット
- スパッジャー
ちなみに、既にSSDを搭載しているモデルではm.2 SSDを2.5-inchを変換して搭載している場合があります。
既にストレージにSSDを搭載してるモデルの場合にはパーツご購入の前にご確認ください。
なお、パソコンに取り付けられているストレージのデータを新しいSSDにクローンする方法はこちらの記事をご覧ください。
dynabook AZ55/GB, B65のバッテリー交換方法
dynabookの電源を正しく切った後、画面を閉じて本体をひっくり返します。
バッテリーのロックをそれぞれ外側にして、バッテリーを本体から引き抜きます。
この時、下図の向かって左側のバッテリーのロックはばね式になっています。このロックだけは指で外側に移動させながらバッテリーを引き抜く必要があります。
dynabook AZ55/GB, B65を分解する
バッテリーを取り外せたら、下図の2つのプラスネジをドライバーで取り外します。
dynabook AZ55/GB, B65のメモリの増設方法
メモリはネジを一本外し、カバーを開ければすぐに交換ができます。
なお、dynabook AZ55/GBはDDR4-2400を2枚搭載できます。
▼ メモリを取り外す際は赤枠で囲ったロックアームをそれぞれ外側へと動かします。
するとメモリが30度くらい起き上がりますので、メモリを引き抜きます。
取り付ける際には、取り外しとは逆の手順でスロットに差し込みます。
その後、カチッと言うまでメモリを倒します。
なお、dynabook AZ55/GBに搭載されていたのはSamsung社製のM471A1K43CB1-CRCでした。
これでメモリの交換は完了です。
dynabook AZ55/GB, B65のストレージ換装方法
dynabook AZ55/GB, B65のストレージを換装するためにはボトムカバーを取り外す必要があります。
まずは丸で囲った23本のプラスネジを取り外します。
▼ そして、下図の青い丸で囲ったあたりなど、ボトムカバーとdynabookの筐体の隙間にスパッジャーを差し込むように挿入した後、くり出す様にボトムカバーを持ち上げます。
四辺すべてのツメを外せばdynabookのボトムカバーが外れます。
ストレージの位置が確認できました。
それではいよいよdynabook AZ55/GBのストレージを取り外していきます。
まずはdynabook AZ55/GBのマザーボードとストレージをつなぐZIFコネクタを見つけます。
このロックレバーをスパッジャーなどで、立てればよいのですが、もう少し分かりやすい視点に移って紹介します。
ロックレバーを立たせます。(あれ、結局分かりづらい…?)
そして丁寧にフレキシブルケーブルを取り外します。
そして、ストレージをスパッジャーなどを使ってくり出します。
えい!
dynabookからストレージを取り外すことができました。
ハードディスクを取り外すと、簡単ではありますが、防振対策がみられます。
dynabook AZ55/GBでは東芝デバイス&ストレージ社製の2.5-inch9.5 mm厚の1TBハードディスク、MQ01ABD100が搭載していました。
HDDとマザーボードをつなぐフレキシブルケーブルはG70C0006D310と互換のあるP70C0006D3DAでした。つまりSatellite B35シリーズから使われているケーブルですね。
では、新しいストレージを先ほどのケーブルに繋ぎます。
今回使用したのはKIOXIA(旧東芝メモリ)製のSSD-CK240S/Nです。
過去にはKingston社製のA400やCrucial社製のMX500やBX500を多用していましたが、最近ではKIOXIAを選択することが多いです。
では、逆の手順でストレージを取り付けていきます。
dynabook AZ55/GB, B65のWi-Fiモジュールの交換について
dynabook AZ55/GBに搭載されていたWi-FiモジュールはIntel Wireless AC 3165(3165NGW)でした。
m.2 2230なので、もしもWi-Fiモジュールが故障したなどの場合には取り換えできます。
そういえば2019年4月モデルのdynabook P1-T6KB-EGに取り付けられていたWi-FiモジュールもIntel Wireless AC 3165でしたね。
作業を完了する
コネクターやケーブルの位置、異物の混入がないことを確認したら、ボトムカバーを取り付けて、先ほどと逆の手順で組み上げていきます。
ネジをすべて止めます。
お疲れ様でした!
dynabook AZ55/GB, B65を見てみる
せっかくなのでdynabook AZ55/GBをもう少し詳しく見てみたいと思います。
このdynabook AZ55/GBは2018年夏Webモデルとして東芝子会社である東芝クライアントソリューション株式会社より発売されました。
しかし、同年の2018年にシャープに買収されることが発表され、2018年10月1日付で東芝グループから移動、2019年1月1日に「Dynabook株式会社」となりました。
つまりこの機種は東芝クライアントソリューション株式会社より発売されたほぼ最後のモデルなのです。結局「Dynabook株式会社」となっても、2019年4月モデルのdynabook P1-T6KB-EGのように東芝クライアントソリューション株式会社が設計、製造したモデルもリネームして販売していましたが、BIOSやユーティリティソフトに、「TOSHIBA」という文字が入っている最終当たりの機種です。
dynabook AZ55/GBの筐体
dynabook AZ55/GBの天板です。dynabook、というよりSatelliteっぽい雰囲気です。
東芝時代のdynabookとDynabook株式会社後のdynabookの表記
前述のように、この「dynabook AZ55/GB」という機種は、丁度東芝からSHARPに移動する直前の機種になります。
あのかぼ(当ブログ)では、たまたまその時代の移り変わりが比較できそうな「dynabook P1-T6KB-EG」や「dynabook P1-B2UY-DB」の分解方法を紹介しております。
モデル自体のコンセプトや訴求層こそ違いはありますが、時代の移り変わりを見るにはとても良い冷夏と思います。
まずはバッテリーから。
▼ これは「dynabook AZ55/GB」に搭載されているバッテリーです。
当然、「TOSHIBA」や「TOSHIBA CLIENT SOLUTIONS CO., LTD.」などの表記が散見されます。
▼ こちらは「Dynabook株式会社」設立直後に発表された「dynabook P1-T6KB-EG」(dynabook T6/K)です。
バッテリーの左上には「TOSHIBA」という表記があるものの、「TOSHIBA CLIENT SOLUTIONS CO., LTD.」は「Dynabook Inc.」となっています。
このようにやや表記に違いはあるものの、全体的なレイアウトなどは「dynabook AZ55/GB」と変わりません。
PCBも見てみましょう。
▼ こちらは「dynabook AZ55/GB」です。
そしてこちらは「dynabook P1-T6KB-EG」(dynabook T6/K)です。
パーツとして大きな差はありません。恐らくこの機種は東芝クライアントソリューション時代の「dynabook T45/G」を「Dynabook株式会社」が販売を行っているもので、設計や製造自体は東芝クライアントソリューションが行っていると思われます。
▼ 「dynabook AZ55/GB」と「dynabook P1-T6KB-EG」(dynabook T6/K)のマザーボードです。
参考までに、これはDynabook株式会社より2021年秋冬モデルとして発売されたdynabook P1-B2UY-DB (dynabook B2/U)です。
最後にシステム情報を見てみましょう。
▼ これは「東芝クライアントソリューション」が2018年夏モデルとして販売した「dynabook AZ55/GB」です。
▼ そしてこちらは「Dynabook株式会社」が2019年4月モデルとして販売した「dynabook T6/K」です。
システム製造元やBIOS バージョンといった部分にも「TOSHIBA」という文字が確認できます。
▼ しかし、「Dynabook株式会社」2021年秋モデルのdynabook B2/Uでは「TOSHIBA」という表記が「Dynabook Inc.」となっています。
徐々にTOSHIBAという文字が少なくなっていく様子には悲しい思いもありますが、Dynabook株式会社として、さらに楽しい機種が増えることを期待しています。
この記事ではあくまでも「東芝クライアントソリューション」と「Dynabook株式会社」を中心に見てきました。
(dynabook AZ55/GBのメモリの増設やストレージの換装の記事ですもんね)
ただ、「Dynabook株式会社」以外に目を向けても、国内の大手メーカー(NECや富士通)でも、各PCブランドがLenovoグループに吸収されたりしています。
「Dynabook株式会社」は「東芝クライアントソリューション」から「Dynabook株式会社」へと改め、2019年に「シャープ株式会社」の完全子会社化しました。
とはいえ、その「シャープ株式会社」も2016年に台湾に本社を置く「鴻海精密工業」に買収されています。
SonyのパソコンブランドであったVAIOも、やはり2014年7月に日本産業パートナーズに譲渡し、「VAIO株式会社」となりました。
つまり、国内のPC事業、ブランドの多くは買収されたり、ブランドとして独立していたりします。
(ブランドが独立するときに、そのブランド名が社名になるこの風潮は何…って感じは確かにしますよね。)
ここら辺の話をいつかまた、どこかでしたいのですが、今回はこのくらいにしておきます。
dynabook AZ55/GBのおすすめカスタマイズ
今回紹介したdynabook AZ55/GBはCPUがIntel Core i7-8550U、メモリが8GBと、とてもパワフルなノートパソコンです。
ただ、ストレージが1TBのハードディスクという事もあり、容量は十分にありますが、「もっとサクサク作業をしたい!」という需要には不向きです。SSDに換装するとよいでしょう。
また、メモリについても8GBでは少ない場合には、増設するとさらに快適にご利用頂けると思います。
まとめ
いかがでしょうか。
無事に作業は出来ましたか?
お疲れ様でした!
ここまでdynabook AZ55/GBのメモリの増設、ストレージの換装についてみてきました。
なかなか楽しい機種でしたね。
メモリやストレージを換装してぜひもっと快適にご利用頂けたらと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございます!
では、引き続き楽しいPCライフを!
なお、当ブログではWindows 11の最小要件を満たさないPCにWindows 11をインストールする方法はこちらで紹介しております。併せてぜひご覧ください!
2022.09.05 対象モデルを追加しました。
2022.08.06 タイトルや本文中に謎な言葉が紛れていたため修正しました。
2022.08.03 元のストレージのデータをクローンする方法をまとめた記事へのリンクを追加しました。