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Apple、RCSメッセージングの採用を決定 ―iOSとAndroidはついに結ばれる?

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Apple、RCSメッセージングの採用を決定 ―iOSとAndroidはついに結ばれる?

AppleがRich Communication Services (RCS)の採用を発表し、iOSとAndroidデバイス間の壁が取り除かれようとしています。
従来、Appleはメッセージングアプリ「iMessage」ではSMS (Short Message Service)とMMS (Multimedia Messaging Service)はサポートしていたものの、Googleが開発し実質的な業界標準のRCSはサポートしていませんでした。

RCSとは?

RCSは、従来のSMSの文字制限を超え、長文のメッセージの他、写真や動画などのリッチメディアの送受信を可能にします。
また、リアルタイムでのタイピング表示、位置情報共有などが可能です。

Googleは、世界のモバイル通信事業者やデバイスメーカーと協力して、RCSの市場を拡大してきました。RCSは、SMSの強化版として位置づけられ、多様な通信事業者間での互換性が保証されています。現在、27カ国で50の通信事業者がRCSを採用しています。

ちなみに日本は世界に先駆けてRCSを活用している国の1つで、国内大手3キャリアが主体となって開発された「+メッセージ (プラスメッセージ)」が提供されています。

AppleのRCS採用の背景

AppleはiMessageをiPhoneに提供しており、iPhone間ではより堅牢なセキュリティ、リッチメディアの送信などをサポートしていましたが、Rich Communication Services (RCS)はサポートしていませんでした。

GoogleやSamsungからの圧力

AppleのRCS採用は、Googleやサムスン電子による長期にわたる働きかけ(圧力)の結果です。

Googleは長らくAppleに対しRich Communication Services (RCS)をサポートするよう要求し、看板やWebサイト、SNSを利用したキャンペーンを展開してきました。さらに、2022年8月からは「Get the Message」というWebサイトを公開し、その姿勢をより強めていました。

これにサムスン電子も賛同して、iPhone間でのメッセージは青色での吹き出し、iPhoneとAndroid間では緑色の吹き出しで表示されることを揶揄するようなCMを打ち出すなど、AppleがRCSをサポートするよう圧力をかけていました。

RCS採用の裏には法規制も?

AppleのRCS採用は、EUなどの法規制や市場競争の圧力によるものという指摘もあります。

欧州連合 (EU)は、iMessage を他のプラットフォームで利用できるようにするために Apple に iMessage の変更を義務付ける法案の策定に取り組んでいます。特にEUの「Digital Markets Act (DMA)」はAppleを含む複数の企業に対し2024年3月までに報告書の提出を求めていました。

iOSとAndroidの間のコミュニケーション改善

現在は、iPhoneとAndroidユーザー間のテキストコミュニケーションには限界があります。RCSの採用により、これらの制約が解消され、より「リッチな」コミュニケーションが可能になると期待されています。具体的には、リアルタイムのタイピングインジケーターや既読表示、クロスプラットフォームの絵文字リアクションなどが含まれます。

セキュリティと機能性

Appleによれば、RCSはiMessageほど安全ではないものの、セキュリティは向上しています。さらに、位置情報の共有やWi-Fi経由での通信もサポートします。これにより、ユーザーはより安全かつ効率的な方法でコミュニケーションを行うことができます。

Appleの広報担当者はTechRadarと9to5Macに対し

来年後半には、GSM Association によって現在公開されている標準規格である RCS Universal Profile のサポートを追加する予定です。
RCS ユニバーサル プロファイルは、SMS や MMS と比較して、より優れた相互運用性エクスペリエンスを提供すると信じています。これは iMessage と並行して機能し、Apple ユーザーにとって今後も最高かつ最も安全なメッセージング エクスペリエンスであり続けます。

9to5Mac

と語り、2024年後半にiPhone がRCSをサポートするとしました。

iPhone がRCSをサポートした後も既存の「iMessage」は残るとしたうえで、「RCS はクロスデバイスメッセージングのセキュリティを向上させるものの、iMessage ほど安全ではない」ということも強調しました。

Appleは、Googleや他のGlobal System for Mobile Communications Association(GSMA)メンバーと協力してRCSのさらなる改善を進める計画です。RCSサポートは来年のソフトウェアアップデートで導入される予定で、利用には通信キャリアの対応が必要です。

まとめ

ここまでAppleのRCSサポートに関して紹介してきました。

AppleのRCS採用は、iOSとAndroidユーザー間のコミュニケーションの質を向上させる重要な変更で、よりインタラクティブなやり取りが可能になります。

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