「あのかぼ」のスピンオフサイト「ゼロかぼ」ができました。 詳しくはこちら>

OpenCore Legacy Patcher、アップデート問題を解決した「1.2.0」をリリースT1セキュリティチップの対応強化も

Mac

OpenCore Legacy Patcher、アップデート問題を解決した「1.2.0」をリリースT1セキュリティチップの対応強化も

Appleのサポートを失った古いMacに最新のmacOSをインストールするプロジェクト、OpenCore Legacy Patcher (OCLP)の最新バージョンである「1.2.0」が11月7日にリリースされました。
OpenCore Legacy Patcher 1.2.0では、「KDKless」方式で発生していたmacOS Sonoma 14.1へのOTAアップデートの際に発生していたmacOSが起動できなくなる問題を解決した他、T1セキュリティチップの取り扱い改善を含む多数のバグフィックスと信頼性の向上が含まれています。

目次

主な変更点

macOS 14.0からmacOS 14.1へのアップデートの問題を解決

OpenCore Legacy Patcher 1.0.0から1.1.0を利用してmacOS Sonoma 14.0をインストールしたユーザのうち、システム設定からmacOS Sonoma 14.1へアップデートを行ったユーザの一部で、アップデートプロセスの途中でmacOSがフリーズしてしまうトラブルが発生していました。

この問題についてOpenCore Legacy Patcherの複数のユーザからOpenCore Legacy Patcherの「KDKless」の処理の一部に原因があるのではないかと指摘されており、解決が待たれていました。

OpenCore Legacy Patcher 1.2.0ではこの問題が解決され、従来通りの方法でmacOS 14.1へアップデートすることができるようになりました。

T1セキュリティチップの取り扱い改善

OpenCore Legacy Patcher 1.2.0ではT1セキュリティチップ関連に多数の改善がありました。

T1チップはTouchBarを搭載した2016 および 2017モデルのMacBook Proに搭載されているチップで、macOS SonomaではOpenCore Legacy Patcher 1.1.0からサポートが追加されました。

1.2.0では、このT1セキュリティチップのサポートを強化し、DFUモードでのT1セキュリティチップの検出やmacOS Sonoma 14.2で発生していた問題の解決などを行いました。

▼ OpenCore Legacy Patcher 1.2.0での主なT1セキュリティチップ関連の変更点

  • DFU モードでの T1 セキュリティ チップの検出のサポートを追加
  • macOS 14.2でのT1搭載Macのcoreauthdクラッシュの問題解決。
  • T1 MacにおけるNFCファームウェアが見つからない問題の解決。

なお、OpenCore Legacy Patcherのプロジェクトリーダーであるミコラ氏は、macOS Sonomaを使用している際にTouchBarが機能しない場合、macOS VenturaをブートしてT1チップのファームウェアを再インストールする必要がある場合があるとのことです。

その他の改善点

  • macOS Sonomaでの非Metalバイナリの改善、「写真」アプリのクラッシュ解決、ログインウィンドウのクラッシュの解決など。
  • macOS Sonoma用の非Metalバイナリの更新
    • 写真アプリのクラッシュの解決を含む多数の改善

> OpenCore Legacy Patcher 1.2.0のダウンロードはこちら

OpenCore Legacy Patcherのバージョンアップに関して

macOS Sonomaに対応したOpenCore Legacy Patcher 1.0.0よりセマンティックバージョニングを採用し、ユーザにとってより分かりやすいバージョン表記になりました。

セマンティックバージョニングとは?

セマンティックバージョニング (Semantic Versioning、SemVerとも呼ばれる)は、ソフトウェアのバージョン管理を明確かつ一貫した方法で行うための決めごとです。このバージョニングは、ソフトウェアのバージョン番号を構造化し、それに意味を持たせることにより、ソフトウェアの変更を明確に示し、互換性を保ちます。

セマンティックバージョニングは主に「メジャーバージョン」、「マイナーバージョン」、および「パッチバージョン」という3つの部分で構成されています。

セマンティックバージョニングの形式は メジャー.マイナー.パッチ であり、例えば 1.2.3 のように表現されます。この例では、メジャーバージョンは 1、マイナーバージョンは 2、パッチバージョンは 3 となります。

セマンティックバージョニングを採用することで、開発者と利用者はソフトウェアの変更と互換性について明確な理解を得ることができ、アップデートと依存関係の管理をより簡単かつ効果的に行うことができます。

  1. メジャーバージョン (Major version):
    • ソフトウェアの大きな変更を示します。メジャーバージョンが増加すると、以前のバージョンとの互換性が失われる可能性があります。バックワード互換性がない変更が含まれる場合にインクリメントされます。
  2. マイナーバージョン (Minor version):
    • これはソフトウェアの機能追加や改善を示しますが、既存のAPIとのバックワード互換性は保たれています。新機能の追加や既存機能の改善が行われた場合にインクリメントされます。
  3. パッチバージョン (Patch version):
    • これはソフトウェアのバグ修正を示します。パッチバージョンは、バグ修正やセキュリティ修正が行われた場合にインクリメントされ、これにより既存のAPIとのバックワード互換性は保たれています。

OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Sonomaをインストールする際の注意点

macOS Sonomaのサポートは積極的に開発されており、このプロジェクトがコミュニティ主導であることを考慮して、ユーザーは期待を適切に抑え、問題が生じたい場合には古いOSを利用することが推奨されています。

2024.03.06 一部、文章が欠けておりましたので修正しました。