Appleは2023年10月25日(現地時間)、macOS Sonomaの最新バージョンである「macOS Sonoma 14.1」をリリースしました。
macOS Sonoma 14.1ではミュージックアプリに改良を加えたほか、いくつかの改善がありました。
しかし、OpenCore Legacy Patcherを利用してサポート対象外のMacにmacOS Sonomaをインストールした方のうち、一部の環境とモデルでmacOS Sonoma 14.1へアップデートしたことが原因でmacOS が立ち上がらなくなるトラブルが確認されています。
目次
この問題は11月7日にリリースされたOpenCore Legacy Patcher 1.2.0以降で解決されました。
macOS 14.0からmacOS 14.1へアップデートする前に、必ずOCLP 1.2.0以降へアップデートしてから作業してください。
この問題の詳細
この問題は、システム設定からmacOS Sonoma 14.1へアップデートを行ったユーザのうち、特定の環境やモデルでアップデートプロセスの途中でmacOSがフリーズしてしまうというものです。
多くの場合、macOSの起動画面、すなわちApple ロゴとプログレスバーが表示される画面でハングアップし一切の操作が行えなくなります。
この問題が起こる可能性のある環境
この問題についてOpenCore Legacy Patcherは公式なアナウンスはないものの、OpenCore Legacy Patcherのフォーラム上ではこの問題で利用できなくなったMacに関していくつか言及されています。
- MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2015) :MacBookPro11,4
- iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015) :iMac17,1
- Mac Pro (Late 2013) :MacPro6,1
「あのかぼ」読者様からの情報提供
- iMac (21.5-inch, Late 2013) :iMac14,1
- Intel Iris Proグラフィックス 1536MB
- またしてもOCLPに泣かされた 様
ありがとうございます！
上記のMac以外でも「GPUにAMD dGPUを搭載したMac」ではこの問題の影響を受ける可能性があります。
この問題の原因はKDKless？
この問題についてOpenCore Legacy Patcherの複数のユーザからOpenCore Legacy Patcherの「KDKless」の処理の一部に原因があるのではないかと指摘されています。
KDKlessは「Kernel Debug Kit」をインストールすることなくルートパッチのインストールを可能にするもので、この方法を利用する環境下で問題が生じていると言うのです。
具体的にはKDKlessを使用した際、既存のグラフィックkext (カーネル拡張機能)が/Library/Extensionsから削除されないトラブルがあり、そのため競合し、カーネルパニックを引き起こしていると説明しています。
この問題の解決策
この問題について現在有力な解決策は以下の通りです。
- OpenCoreのブートピッカーからmacOS をセーフモードで立ち上げる
- 操作ができるようになったらOpenCore Legacy Patcher 1.1.0以降のルートパッチをインストールする
- 再起動してこの問題が再現しないかをテスト(→完了)
解決策はシンプルで、macOS SonomaをOCLPからセーフモードで立ち上げ、ルートパッチをアップデートするというもの。
ただし、macOS Sonoma以降では多くのモデルでセーフモード時にワイヤレスモジュールが利用できないなどのトラブルが発生しますので、OCLPをインターネットからダウンロードする場合には有線LANなどを使用していただければと思います。
OpenCore Legacy Patcher 1.1.0 ダウンロード先はこちら
根本的な解決は
OpenCore Legacy Patcherのプロジェクトリーダーであるミコラ氏はこの問題を既に確認しており、次期OpenCore Legacy Patcherで修正するとの声明を発表しています。
その為、既に予定されている次のリリース、OpenCore Legacy Patcher 1.2.0が公開されるか、またはこの問題に焦点を当てたOpenCore Legacy Patcher 1.1.1が近日中にリリースされる可能性があります。
この問題は11月7日にリリースされたOpenCore Legacy Patcher 1.2.0以降で解決されました。
macOS 14.0からmacOS 14.1へアップデートする前に、必ずOCLP 1.2.0以降へアップデートしてから作業してください。
まとめ
ここまでOpenCore Legacy Patcherユーザの一部でmacOS Sonoma 14.1にアップデートした際、起動不良に陥る問題についてみてきました。
AMD GPUを搭載した多くのMacで発現する可能性のあるブートループ問題。
もし心配の方は新しいバージョンのOpenCore Legacy PatcherがリリースされるまでmacOS Sonoma 14.1へのアップデートは見合わせても良いかもしれません。
弊サイトと「おんかぼ！」では引き続きmacOS SonomaとOpenCore Legacy Patcherの最新情報をお届けします。
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2023.11.13 OCLP 1.2.0以降で解決された旨、追記いたしました。