「あのかぼ」のスピンオフサイト「ゼロかぼ」ができました。 詳しくはこちら>

OpenCore Legacy Patcher、macOS Sonomaのサポート開始時期を明言、バージョン表記も変更に。

Mac

OpenCore Legacy Patcher、macOS Sonomaのサポート開始時期を明言、バージョン表記も変更に。

OpenCore Legacy Patcherのプロジェクトリーダーであるミコラ・グリマリュク(Mykola Grymalyuk)氏のTwitterがmacOS Sonomaのリリース直前である2023年9月26日に更新され、OpenCore Legacy PatcherのmacOS Sonomaのサポート時期を明かしました。

目次

OpenCore Legacy Patcherとは?

OpenCore Legacy Patcher (OCLP)は、最新のmacOSをAppleが公式にサポートしていない古いMacでも動作させることを目的としたコミュニティ主導のプロジェクトです。

これにより、Appleが公式にサポートしていないモデルでも、最新の機能やセキュリティアップデートを利用することが可能となります。

OCLPによるmacOS Sonomaのサポートは10月2日から

今回の発表によるとmacOS 14 Sonomaに対応したOpenCore Legacy Patcherは10月2日(現地時間)にリリースするそうです。

直近2つのmacOS(macOS 12 MontereymacOS 13 Ventura)では10月後半にリリースされたため、macOS Sonomaが10月中にリリースされるのではないかという見立てを立てたようで、macOS Sonomaに対応したOpenCore Legacy Patcher のリリースを10月に設定したそうです。

しかし、Appleがこの見立てより1か月早くmacOS Sonomaがリリースしたため、macOS Sonomaのリリース日の当日には間に合わなかったようです。

ただし、OpenCore Legacy Patcherでは開発者がストレスの少ないペースで作業を進めることを優先しているとし、macOS Sonomaのリリースに合わせて急いでOpenCore Legacy Patcherをリリースするつもりはないと発表しています。

OCLPでmacOS Sonomaをインストール出来るモデル

ミコラ氏は今後のOpenCore Legacy Patcherのリリースでも、前のバージョン(OCLPやmacOS Ventura)と同じハードウェアサポート範囲を保持する計画であると述べています。

つまり概ね2008年~のMacであればmacOS Sonomaをインストールすることができることを意味し、引き続き古いMacモデルのユーザが新しいmacOSのアップデートを楽しむためのサポートを続けるということが明らかになりました。

OCLPを使用することで上記に含まれない多くのMacにmacOS Sonomaがインストールできるようになりなります。

OCLPのバージョン表記が変更、セマンティックな規則に。

執筆時点で最新のOpenCore Legacy Patcherのバージョンは「0.6.8」ですが、10月2日にリリースされる新しいOpenCore Legacy Patcherは「0.6.9」ではなく「1.0.0」になるようです。

これはバージョンの規則が変更されることに伴うもので、今後はセマンティックバージョニングという一般的なバージョン管理方法を採用すると発表しました。

以下は1.0.0以降の新しいバージョニングです。

  • 最初の数字: 大きな変更、新しいOSサポート、APIの変更、重要なパッチセットの変更など
  • 2番目の数字: マイナーな変更、入ってくるOSアップデートの修正、マイナーパッチセットの変更など
  • 3番目の数字: バグ修正、前回のリリースでの後退によるものや、すでにリリースされたOSアップデートの問題の解決など

今後は大きな変更、マイナーな変更、バグ修正の3つのレベルでのバージョンが決定します。

現在の進捗、主な課題と今後

macOS Sonomaのサポートについて現在明かされている情報のうち、現在の課題と見込みを紹介します。

OCLPのGitHubでミコラ氏は「開発が進行中ですが、OpenCore Legacy Patcherでの基本的なSonomaサポートのリリースにかなり満足しています。まだ解決すべき課題は多いですが、私たちがサポートしているモデルの大半に関しては、問題点はほとんどが軽微なものです。」とその進捗に自信を見せました。

OpenCore Legacy Patcherの開発チームはmacOS Sonomaのサポートを積極的に進めていますが、いくつかの技術的な課題が残されているようです。
特に、一部のMacBook ProモデルにおけるTouch IDのサポートや、特定のIntel GPUでのウィジェットの動作などが挙げられます。

macOS Sonomaに関して現在OpenCore Legacy Patcherが直面している主な課題は以下の通りです。

  • T1サポート(つまり、Touch ID)
    • MacBookPro13,2, 13,3, 14,2, 14,3
  • Intel 3802ベースのGPUでのウィジェットサポート
    • Intel Ivy Bridge および Haswell
    • Nvidia Keplerは除外

過去に発表されたOpenCore Legacy PatcherによるmacOS Sonomaのサポートについて言及された内容から、その進捗を確認してみましょう。

▼ OpenCore Legacy PatcherがmacOS Sonomaのサポートに着手したと発表したのはWWDC 2023でmacOS Sonomaの発表から間もなくでした。

この時は実際にmacOS 14 SonomaをサポートしないMac Pro 2013にインストールしたスクリーンショットを公開した上で、macOSに加えられた変更点からサポートの障壁となり得る個所を分析していました。

その中で挙げられていたものの中のうち、新しいLLVMコンパイラバージョンによるGPUへの影響とワイヤレスモジュール(無線デバイス)が懸案として挙げられていました。
そして、特にMetalをサポートしない非Metal GPUを搭載したMacをサポートできるかどうかは不確かとしていました。

▼ OpenCore Legacy Patcherで大きくmacOS Sonomaについて前進が伝えられたのは、今年の7月。
WWDC 2023でmacOS Sonomaが発表された1か月程のことでした。

この時点で3802ベースのGPUが利用できるようになったとし、OCLPにおけるmacOS Sonomaへのサポートが着実に前進していることを印象付ける発表となりました。

▼ その数日後、いよいよOpenCore Legacy Patcherが早期プレビューとしてmacOS Sonomaをサポートしました。当初の懸案事項であった一部の無線デバイスのサポートが追加されました。

▼ そして、今回、macOS SonomaがサポートしたOpenCore Legacy Patcher 1.0.0が10月2日にリリースされると発表されました。

公開されたスクリーンショットを確認すると、非Metal GPUを搭載するMac mini Mid 2011でもグラフィックアクセラレータが有効になっているように見えます。

これらの改善がOpenCore Legacy Patcher 1.0.0に全て搭載されるかは不確定なものの、少なくとも非Metal GPUを搭載したMacでもOpenCore Legacy Patcherを利用することでmacOS Sonomaをインストールし、利用することができるようです。

ミコラ氏の呼びかけ

OpenCore Legacy Patcherはコミュニティ主導のプロジェクトであり、開発チームとコミュニティの間には相互の尊重が求められています。
ユーザに対しても、期待値を現実的に保ち、開発者や他のコミュニティメンバーに対して尊重を持って対応するよう呼びかけています。

OpenCore Legacy Patcherの開発チームはmacOS Sonomaのサポートに向けて熱心に取り組んでいること、そしてその中でも特定の技術的課題やリリース計画、コミュニティとの関係についての取り組みや考えを明確にしていることが分かります。

まとめ

ここまでOpenCore Legacy PatcherのmacOS Sonomaのサポートについて詳しく見てきました。
中でも今までの流れと直近の課題を通して、どのようにOpenCore Legacy PatcherがmacOS Sonomaをサポートし、どこまで作業が完了しているのか、具体的に感じ取ることができたかも…しれません。

現在はmacOS Sonomaに追加されたデスクトップに配置可能なウィジェットに関するトラブルやTouch IDを搭載したMacの問題解決に当たっているということで、随分具体的なトラブルに対処するくらい開発に余裕が出てきたんだな、という印象を受けました。

もちろんここまでの成果を上げるには想像を絶する作業と試行錯誤が続いたことは想像に難くありません。OpenCore Legacy Patcherの今後の動向を今後とも注視していきたいと思います。

弊ブログ(あのかぼ)と姉妹メディア(おんかぼ)では引き続き、OpenCore Legacy Patcherの最新情報やmacOS Sonoma関連のニュースを紹介していきます。記事の更新については、かぼしーのTwitterアカウントHumin.meで紹介しますので、ぜひフォローいただけると幸いです!

2022 Apple TV 4K 128GBストレージ搭載Wi‑Fi + Ethernetモデル (第3世代)

2022 Apple TV 4K 128GBストレージ搭載Wi‑Fi + Ethernetモデル (第3世代)

22,838円(01/23 23:25時点)
Amazonの情報を掲載しています