米Appleは7月20日(現地時間)、macOS Monterey 12.5をリリースしました。それに合わせてOpenCore Legacy Patcherの新バージョン、OpenCore Legacy Patcher 0.4.9が公開されました。
しかし、NVIDIA Kepler世代のGPUが搭載されているMacでは暫くの間macOS 12.5へのアップグレードは行わないようにしてください。
【2022年8月6日追記】OpenCore Legacy Patcher v0.4.10が公開され、この問題は解決されました。よって、NVIDIA Kepler世代のGPUのMacを使っている方もmacOS 12.5へのアップデートができます。
目次
macOS 12.5のインストールを控えるべきMacと環境
この問題に直面するかもしれないMacは以下の通りです。
この影響を受ける主な対象機種
お使いのMacが以下の機種 IDの場合、macOS 12.5へのアップグレード、またはインストールはお控え下さい。
- MacBookPro9,1
- MacBookPro10,1
- MacBookPro11,3
- iMac13,x (dGPUが搭載されているMac)
- iMac14,x (dGPUが搭載されているMac)
影響を受ける可能性のある機種
以下のMacでGPUをKepler GPUへ換装したMacではmacOS 12.5へのアップグレード、またはインストールは控えてください。
- iMac11,x
- iMac12,x
- MacPro3,1
- MacPro4,1
- MacPro5,1
- Xserve2,1
- Xserve3,1
Kepler世代のGPU
以下のGPUが搭載されているMacではmacOS 12.5へのアップグレード、またはインストールはお控えください。
Kepler世代のデスクトップ向けGPU | Kepler世代のモバイル向けGPU |
GeForce GTX TITAN Z | GeForce 710A |
GeForce GTX TITAN Black | GeForce 810M |
GeForce GTX TITAN | GeForce 820M |
GeForce GTX 780 Ti | GeForce 825M |
GeForce GTX 780 | GeForce 910M |
GeForce GTX 770 | GeForce 920M |
GeForce GTX 760 Ti | GeForce GT 640M |
GeForce GTX 760 | GeForce GT 640M LE |
GeForce GTX 760 Ti OEM | GeForce GT 645M |
GeForce GT 740 | GT 650M |
GeForce GT 730 | GeForce GT 720M |
GeForce GT 720 | GeForce GT 730M |
GeForce GT 710 | GeForce GT 735M |
GeForce GTX 690 | GeForce GT 740M |
GeForce GTX 680 | GeForce GT 745M |
GeForce GTX 670 | GeForce GT 750M |
GeForce GTX 660 Ti | GeForce GT 755M |
GeForce GTX 660 | GeForce GTX 660M |
GeForce GTX 650 Ti Boost | GeForce GTX 670MX |
GeForce GTX 650 Ti | GeForce GTX 675MX |
GeForce GTX 650 | GeForce GTX 680M |
GeForce GTX 645 | GeForce GTX 680MX |
GeForce GT 640 | GeForce GTX 760M |
GeForce GT 635 | GeForce GTX 765M |
GeForce GT 630 | GeForce GTX 770M |
GeForce GTX 775M | |
GeForce GTX 780M | |
GeForce GTX 860M | |
GeForce GTX 870M | |
GeForce GTX 880M |
トラブルの詳細と原因
OpenCore Legacy Patcherを利用してmacOS MontereyをサポートしていないMacのうち、NVIDIA Kepler世代のGPUを搭載したMacではGPUアクセラレーションが利用できず、パフォーマンスが著しく低下します。
このトラブルの原因
Mykola Grymalyuk氏によると、NVIDIA Kepler世代のGPUを搭載したMacでmacOS 12.5をインストールし、GPUアクセラレータを有効にするとログイン時にWindowServerが応答しなくなる、といったトラブルが生じるようです。(厳密にいればWindowServer がクラッシュしている訳ではなく、別のプロセスが原因だそうです。)
→ macOS 12.5: Nvidia Kepler and WindowServer crashing #1004
そのため、ユーザーのロックアウトを回避するためにNVIDIA Kepler世代のGPUを搭載したMacではGPUアクセラレーションを無効にしているとのことです。
なお、macOS 12.4までであれば、今まで通りご利用いただけます。
【2022年8月6日追記】OpenCore Legacy Patcher v0.4.10が公開され、この問題は解決されました。よって、NVIDIA Kepler世代のGPUのMacを使っている方もmacOS 12.5へのアップデートができます。
お使いのMacがこのトラブルに該当するか調べる方法
ご利用中のMacが、このトラブルに該当するかどうか調べる方法を紹介します。
機種 IDを調べる方法
まずは機種IDを調べてみましょう。
ターミナルを開き、以下のコマンドを張り付けてreturn (Enter)キーを押下します。
system_profiler SPHardwareDataType | grep 'Model Identifier'

この時出力された「Model Identifier: 」の右側に表示された文字列が「機種 ID」になります。
「macOS 12.5のインストールを控えるべきMacと環境」のリストを確認し、該当のMacでないことを確認してください。
搭載しているグラフィックボードを調べる方法
次はMacに搭載されているグラフィックボードを調べてみましょう。
まずはAppleメニューをクリックし、「このMacについて」をクリックします。

これでとりあえず「グラフィックス」の横にGPUの名前が表示されます。
せっかくなので一応もう少し調べてみましょう。
赤枠で囲った「システムレポート…」というボタンをクリックします。

▼ システムレポートが表示されたら、左ペインにある「グラフィックス/ディスプレイ」をクリックします。
すると、右ペインに搭載されているGPUが表示されます。
このMacはiGPUしか搭載されていませんので、「Intel HD Graphics 4000」しか表示されませんが、dGPUが搭載されている場合には複数のGPUが表示されます。

プライマリーなGPUでない限り、「Kepler世代のGPU」のリストにあるGPUを搭載していても問題はない…のですが、Mac Proのように複数のGPUが搭載されているケースを除き、OCLPのアップデートが公開されるまではmacOS 12.5へのアップグレードやインストールはお控えください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでmacOS 12.5を避けるべきMacについてまとめました。
NVIDIA Kepler世代のGPUを搭載したMacをご利用の方は「Macを自動的に最新の状態に保つ」をオフにするといいでしょう。
では、引き続き楽しいMacライフを!
2023.01.29 目次のリンクを修正しました。
2023.01.16 記事内のリンクを追加しました。
2023.01.16 記事のカテゴリーを「修理・カスタマイズ」から「Mac」へ変更しました。
2022.08.06 この問題を解決するOpenCore Legacy Patcher v0.4.10が公開されたので、タイトルと本文を修正しました。