macOS Sonoma 14.4は3月7日、macOS Sonoma の最新バージョンとしてAppleからリリースされました。macOS Sonoma 14.4は新しい絵文字の追加やポッドキャストの改善、セキュリティアップデートを含む更新で、全てのユーザに導入が推奨されていました。
しかし、リリース以降macOS Sonoma 14.4に関する重大なバグが指摘されており、日を経つにつれその報告は増えるばかり。この記事では、macOS Sonoma 14.4への更新を控えるべき理由と、現在までに判明しているバグの詳細を、過去に公開した記事を基に紹介します。
目次
macOS Sonoma 14.4はバグだらけ?
macOS Sonoma 14.4は絵文字の追加やバグの修正を含む更新として3月7日に公開されましたが、厄介なトラブルが報告されています。こういったトラブルはmacOS に限らず、MicrosoftのWindows でもWindows の更新プログラムによりシステムに悪影響を及ぼすバグを含むことはあります。
ただ、今回のmacOS Sonoma 14.4では追加された機能や修正を上回る、日常の使用に大きな問題となるトラブルがあり、macOS Sonoma 14.4で発生するバグを事前に確認し、アップデートするか判断することが大切かもしれません。
すべてのユーザに関係するmacOS 14.4の問題
現在までに発生している問題として、多くの方に関連しそうなトラブルは以下の通りです。
モニターのUSBハブに関する問題
まずmacOS Sonoma 14.4に関するトラブルで飛び込んできたのは、モニターに搭載されたUSBハブやUSBポートが使用できなくなるという問題。
この影響によりマウスやキーボードを含むUSBハブを介して接続されたデバイスが一切認識されなくなるトラブルが発生しています。
この問題を回避するには「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」(Privacy & Security)セクションの最下部付近にある「アクセサリの接続を許可」(Allow accessories to connect) 設定を「新しいアクセサリの場合は確認」(Ask for new accessories)に変更するなどが挙げられています。
関連> macOS Sonoma 14.4アップデートによるUSB接続問題が発生 ユーザからの報告相次ぐ
プリンターが利用できなくなるトラブル
モニターに搭載されているUSBハブに関する問題の他にも、印刷に関する問題も発生しています。
この問題ではmacOS Sonoma 14.4に加えられた変更が影響しプリンターのドライバが使用できなくなるトラブルで、日常的に印刷を行うユーザには注意が必要です。
なお、原因ははっきりとしていませんが、CUPS (Common Unix Printing System)が削除されたことが有力視されている他、Microsoft DefenderやJAMFのモバイルデバイス管理ソフトウェアの関連も指摘されています。
この問題を回避するにはフルディスクアクセス リストに「com.microsoft.dlp.daemon」を追加するといった例が挙げられています。
関連> macOS Sonoma 14.4へのアッデート後にプリンターが利用できない不具合が発生か?
Javaがクラッシュする問題
ハードウェアに関する問題の他にもJavaにも問題が発生しており、OracleがmacOS Somoma 14.4へアップデートに警告を発表しています。
この問題はApple Siliconを搭載したMacで発生し、Java 8から最新のJDK 22の初期アクセスビルドに至るまでの全てのバージョンで影響を受けます。
Oracleのアウレリオ・ガルシア=リベイロ 氏はOSのアップデート前にシステムの完全なバックアップを取得していない場合には安定した環境には戻せないとし、Javaを使用しているユーザはApple Siliconを搭載したMacにはmacOS Sonoma 14.4へのアップデートを見送ることを検討するようにとしています。
関連> Oracle、macOS Sonoma 14.4へのアップデートに警告 Javaが予期せず終了する可能性あり
iCloud Driveに保存したファイルのバージョンが消失する問題
データに関する懸念も報告されています。
この問題はiCloud Driveをしているユーザのうち、「Mac ストレージを最適化 (Optimize Mac Storage)」という機能が有効になっている環境で発生し、特定の操作で、保存しているファイルのバージョンが消えてしまうトラブルが発生します。
iCloud Driveに関するこの問題はmacOS Sonoma 14.3やmacOS Venturaでは発生しないことから、やはりこの問題もmacOS Sonoma 14.4で発生する特有の問題と言えます。
この問題を回避するには、iCloud Drive自体の使用を控えるか、「Mac ストレージを最適化 (Optimize Mac Storage)」を無効にすることが挙げられています。
関連> macOS Sonoma 14.4への更新でiCloud Drive内のファイルバージョンが消失する恐れ
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OpenCore Legacy Patcherユーザの考慮すべきmacOS 14.4の問題
最新のmacOS が非対応になってしまったMacにOpenCore Legacy Patcher (OCLP)を使用してmacOS Sonoma をインストールしている方は上記の問題の他にも一部の環境で、macOS Sonoma 14.4への更新に考慮すべき問題が発生しています。
非Metal GPUを搭載したMacではmacOS 14.4へのアップデートに注意
macOS はmacOS Mojave 10.14以降Metal APIへの依存度を増していますが、このMetal APIを利用できないグラフィックボードを搭載したMacではmacOS Sonoma 14.4以降のアップデートに注意が必要です。
Metal APIを利用できないGPUを搭載した、いわゆる非Metal MacにmacOS Sonoma 14.4をインストールするとloginwindow がクラッシュする、キーボードのフォーカスが当たらないなどのトラブルが発生し、OpenCore Legacy Patcherを開発するドルタニアは該当するMacはmacOS Sonoma 14.4へのアップデートを行わないように求めています。
現在ドルタニアは非Metal MacのmacOS Sonoma 14.4のサポート復活のために開発を続けています。
関連> OpenCore Legacy PatcherユーザはmacOS Sonoma 14.4へのアップデートに要注意!
なお、該当しないMacでもmacOS Sonoma 14.4へアップデートする際には、事前にmacOS 14.4に対応したOCLP 1.4.0以降を使用するようにしてください。
OCLP のダウンロードはこちらから行えます。
まとめ
ここまでmacOS Sonoma 14.4へのアップデートで発生する問題を中心に取り上げていきました。日常の作業で問題になりそうなトラブルが散見され、特に業務で利用されている方には痛いバグが多いように思います。
OCLPを使用してmacOS Sonoma をインストールされている方は、ご使用中のMacの構成を確認して更新の適用を行うか検討するようにしてください。
macOS Sonoma 14.4には機能改善やバグの修正の他、セキュリティアップデートも含まれているため、早めに更新したい方も多いと思います。Appleからの対応策が早めに公開されることを願うばかりです。