2024年3月にAppleからリリースされたmacOS Sonoma 14.4に新たなる重大なバグが指摘されています。特定の条件下でiCloud Drive内に保存したデータのバージョンが消失するという重大なバグをmacOS 14.4が含んでいるとMacRumorsが報じているのです。
macOS Sonoma 14.4でiCloud Drive内に保存したデータのバージョンが消える?
macOSではAppleが提供するクラウドストレージサービスであるiCloud Driveを利用できます。iCloud DriveはAppleが提供するクラウドストレージサービスの一部で、ユーザがドキュメント、写真、音楽、ビデオファイルなど様々なデータをクラウドに保存し、任意のAppleデバイス間で同期することを可能にします。
このiCloud Driveにはデバイスのストレージを有効に活用するためにiCloud Drive上のファイルを自動的にクラウドに移動させ、必要に応じてローカルに再ダウンロードする「Mac ストレージを最適化 (Optimize Mac Storage)」という機能があります。
しかし、macOS Sonoma 14.4の場合にはこの「Mac ストレージを最適化 (Optimize Mac Storage)」機能が有効な状態でファイルをiCloud Driveのローカルストレージからファイルを削除すると、そのファイルの過去に保存したすべてのバージョンが失われてしまうという問題があるとThe Eclectic Light Companyを運営するハワード・オークリー (Howard Oakley)氏に指摘されています。
この問題はmacOS 14.3やmacOS Venturaでは発生していないことからmacOS Sonoma 14.4の特有のバグであると言えます。macOS Somoma 14.4が3月7日に公開されて以来、現在までにmacOS 14.4に関する問題としてUSBハブに関する問題や、Javaがクラッシュする問題、プリンターが利用できなくなる問題などが指摘されており、今回のiCloud Driveに関するトラブルは「macOS Sonoma 14.4にアップデートすべきでない理由」を強化する格好になります。
この問題を回避するには
この問題を回避する方法として、「iCloud Drive」そのものを利用しないようにするか、「Mac ストレージを最適化 (Optimize Mac Storage)」機能を無効にするなどが挙げられています。
ただし、いずれも回避策で根本的な解決にはAppleの対応が必要です。
「Mac ストレージを最適化」を無効にするには、[システム設定]から[iCloud]を選択し、[Mac ストレージを最適化]のトグルスイッチをオフにします。
ファイルに過去のバージョンがあるか確認する方法
なお、ファイルに別のバージョンが存在するか確認するには以下の手順を参考に操作してみてください。
アプリメニューの[ファイル] (File)をクリックして、[バージョンを戻す] (Revert To)にカーソルを合わせます。
※ すべてのファイルやアプリケーションでバージョンが利用できるわけではなく、使用するソフトが対応している必要があります。[バージョンを戻す]がある場合にはこの機能に対応しています。
まとめ
今回はmacOS Sonoma 14.4で発生するiCloud Driveのバグについて紹介しました。同様なバグとして記憶に新しいのは昨年11月の終わりに、Googleが提供するGoogle Driveでのファイル消失に関する問題かもしれません。
このトラブルの際にはGoogleがデータを復元する方法を提供したことにより解決しましたが、今回はmacOS Sonoma 14.4だけで発生するバグで、相次ぐmacOS Sonoma 14.4のトラブルにmacOSの更新そのものに疑問を抱く方も少なくないかもしれません。
これらの問題についてAppleには早急に修正を提供してほしいところですが、現在までにAppleからの正式な声明はなく、macOS Sonomaを利用しているユーザはmacOS 14.4へアップデートするかどうか悩みどころです。