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Apple、革新的なディープラーニングフレームワークMLXをリリース – AI分野への新たな一歩

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Apple、革新的なディープラーニングフレームワークMLXをリリース – AI分野への新たな一歩

Appleは、独自のApple Siliconチップ向けに特別に設計された新しい機械学習フレームワーク、MLXを発表しました。このオープンソースフレームワークは、Mac、iPad、iPhone上でのモデルのトレーニングとデプロイメントを簡素化することを目的としています。

目次

MLXの特徴

MLXは、ディープラーニングモデルの開発と実行を簡素化することを目的としており、pipを介した簡単なインストールと、他の依存関係がない点が大きな利点です。開発者はこのフレームワークを利用することで、デコーダー専用トランスフォーマーなどの複雑なモデルを簡単に実装できるようになります。

さらに、MLXは多くの最新技術をプリミティブとして提供しており、PyTorchで実装するのが難しい機能も容易に導入できます。最適化に関する機能にも力を入れており、高次の勾配計算や効率的な数値計算が可能です。

また、MLXは「効率性」を重視して設計されています。Apple Siliconのパフォーマンスを最適化するため必要に応じてのみ配列を具体化する「遅延計算」(Lazy Computation)を採用しています。これにより、不必要な計算を防ぎ、リソースの効率を高めています。

MLX は他のフレームワークとは異なり、ユニファイド メモリの利点を生かして配列を共有メモリに保存するため、デバイス間のデータ移動がなくなり操作がさらに高速化されます。

MLXはPythonとC++をサポート

MLXはPythonで利用可能ですが、C++のサポートも提供しています。NumPyやPyTorchのような既存のフレームワークとの親和性を保持し、無用な学習コストを可能な限り軽減できます。ただし、C++用のドキュメントはまだ提供されていないため、今後のアップデートが待たれます。

mlx-examplesリポジトリ

このフレームワークをより深く理解するために、mlx-examplesリポジトリが公開されています。ここには、様々な先進的なモデルや基本的なMNISTモデル(手書き数字の機械学習データセット)の実装例が含まれており、開発者はこれらの例を参考にして自身のプロジェクトに取り組むことができます。

まとめ

このリリースは、AppleがAI技術において積極的な役割を果たそうとしていることの証です。将来的には、MLXがAppleエコシステム内でどのように進化するかが注目されます。特に、iOS/iPadOS/macOS上でのAI機能の拡充が期待されます。